BODY AND SOUL

CHAPTER 15


 アリオスの剣がアルフォンシアに向かって降り下ろされる。
 少し間違えてずれるようなことがあれば、間違いなく、聖獣を傷つけてしまうのは必死だ。
 だが、アンジェリークはアリオスを心から信頼していた。
 彼に限っては、アルフォンシアを傷つけることなど有り得ないと。
 彼女は、祈るように気持ちで、愛する男性と聖獣を見守る。

 ふたりをどうかお守り下さい・・・!!

 彼女は、強く祈ることしか出来なかった。
 激しい雷を帯びたアリオスの剣が、今、アルフォンシアの足に絡む鎖に、突き刺さる。
 その瞬間。
 アルフォンシアに激しい光が宿り、輝く。
 その姿は神々しく、どこか幻想的で、そこにいる者の心を奪い尽くす。
 目をすがめるような激しい光のなか、辺りが一瞬真っ白になった。
「アリオス!!」
 アンジェリークは、アリオスに駆け寄り、その側に立つ。
「アンジェ」
 力強く、アリオスはアンジェリークの腰を抱くと、彼女をしっかりと包み込む。
「アリオス、アルフォンシアは!?」
「大丈夫だ、アンジェ」
 彼の言葉に、アンジェリークは身体を寄せながら、信頼を寄せた。
 激しい風が吹き抜けていく。
 それからアンジェリークを守るために、アリオスは彼女を支えるかのように抱き締める。
 光は柔らかいものになり、風が止まった。
『女王よ・・・』
 低い荘厳な声が聞こえる。
 刹那。
 誰もが息を呑む。
 柔らかな光からは、先程よりも増して輝ける翼を持ったアルフォンシアが、彼らの前に姿を表した。
 ”聖獣”に相応しい、気高さと清らかさを兼ね備えたアルフォンシアが、堂々と彼らの前に鎮座する。
『女王よ。私の呪縛は解き放たれました。これであなたがたの”愛の力”があれば、この惑星は救われます』
「アルフォンシア・・・」
 アルフォンシアは視線をアリオスに向けると、ゆっくりと頷く。
『女王の騎士よ、有り難うございました。あなたと女王の”愛の力”が、私の呪縛を解きました』
 アルフォンシアは、荘厳な声をして話すと、ゆっくりとアンジェリークたちに近付いていく。
「”バカップル・パワー”の間違いじゃねえのか?」
 ゼフェルのツッコミは的を得てると、誰もが頷いてしまう。
 アルフォンシアは優しい眼差しでぜふぇるを見た後、さらに続けた。
『-----女王よ。騎士とお仲間も手を貸して頂けませんか?』
 アンジェリークは頷き、仲間たちを見ると、彼らも一斉に頷いてくれる。
「有り難うございます。では、澱んだ空気を浄化をするのを手伝って頂けますか?」
「俺らで出来るんやったら、やったんで!!」
 チャーリーは強く言うと、アルフォンシアは嬉しそうに、羽根を動かし、喜びを現した。
『お願いします。この結界を抜けられたあなた方ですから、出来るはずです』
「どうすれば良いの?」
 アンジェリークは、アルフォンシアに小首を傾げながら、瞳は真っ直ぐとアルフォンシアを捕らえ、その答えを請う。
『心を一つにして、私に力を貸して下さい。私はこの惑星の意思。あなたがたの澄んだ心で、この星を救って下さい』
 アリオスに支えられたまま、アンジェリークはしっかりと頷き、精神を集中させた。
「アリオス、力を貸して?」
「ああ」
 アリオスは優しさの含んだ低い声で答えると、アンジェリークを背中から優しく抱き締め、その小さな手を握る。
「俺が持っている力を、おまえにやる」
「うん・・・」
 オスカーたちはからかえなかった。
 余りにもの神聖なふたりに、ただ見つめることしか出来ない。
「皆さんも、アルフォンシアに優しさを送ってあげて下さい」
 アンジェリークの神々しい声に、誰もが、アルフォンシアに気を集中させた。

 この力をアルフォンシアに・・・!!!

  アンジェリークは仲間から送られる力と自らとアリオスがひとつになった力を、今、アルフォンシアに送り届ける。
 力が白い波動となって、注ぎこまれる。
 瞬時に、光が泡となってアルフォンシアにぶつかり、弾ける。
 その瞬間、明らかに空気の変質を感じた。
『あなたがたの清らかな心を、今、感じています。有り難う・・・!!』
 声と共に、くすんだ色をしていたアルフォンシアが、輝ける桃を帯びた白に変化した。
 完全に、身体が浄化されたのが判る。
「アルフォンシア、よかった・・・!!」
 その輝ける姿に、アンジェリークは、嬉しくて涙を流す。
『これで、悪の根源”ラ・ガ”を消滅させることが出来ます!
 さあ、”ラ・ガ”を倒しましょう!!!
女王、騎士、そして仲間たちよ!  もう一度心を一つに!!』
 惑星の平和は手の届くところまで来ている。

 力を! この美しき惑星に力を!!

 再び、アンジェリークはアリオスと心を一つにし、仲間の力もくみ取りアルフォンシアに送る。
 アルフォンシアが羽根を大きく広げ、力を地と天に拡散させた。
 激しい空気のスパークが生じる-----
 その瞬間、何の生きものか判らないような、表現し難い呻き声が聞こえる。
「うごおおおおおおおおおおおっ!」
「きゃああっ!!!」
「アンジェ!!!」
 誰もが、白い渦に巻き込まれ、その瞬間の記憶を失う。
 次に気がついた時には、全員が白い山の外に移動させられていた。
 アンジェリークは呆然と景色を見つめる。
 見覚えのある建物が、目の前にあるのが判る。
「ここは…、叔父の屋敷だわ・・・。
 これはいったいどういうことなの・・・?」
 声をだして彼女が訳がわからないかのように言った。
 誰もが不思議がっているなか、アルフォンシアの声が彼らに降り注がれる。
『女王よ・・・。
 ”ラ・ガ”がいなくなった以上、彼の力は風前の灯・・・。
 どうか、惑星のために!』
 アンジェリークは、アルフォンシアの思いを感じ取りしっかりと頷く。

 最後の戦いなのね・・・。

 決意を秘めたかのように、アンジェリークは頷く。
 それを包み込むかのようにアリオスは、彼女の手をしっかりと握り締めていた-----

 アンジェをこんな目にに合わせたやつはゆるさねえぜ!!!!

コメント

アリXアンのSFです。
結構かかってます(笑)
次回からアクション!!!
といってましたが次回です。
後、2,3回です。