初級者編

  サイドマーカー

悪い例 44の外観上特徴の一つであるサイドマーカー。フロントフェンダーの左右に付く。左右とも同じものです。重要保安部品にも関わらず、現在補給打ち切り。昭和43年7月運輸省令第28号によってサイドマーカーをつけることが義務化されています。取り付ける時は向きに注意。Rの緩い方が前です。補修部品として補給されていたフロントフェンダーが44年式用だったとの情報もあり、44年式以外でこれがついているものや、当の44年式の車でも逆に付けているもの(写真を参照)を散見します。

  エマージェンシーフラッシャースイッチ

エマージェンシースイッチ配置 44年の車両の法規改正で必ず付かなければいけなくなったエマージェンシーフラッシャー。今風にいうとハザードランプスイッチです。手前に引くと点滅。現代では道を塞いで止まっても、これさえ付けておけばOKと思っているおバカさんが多くいますが、文字通り行くと緊急時以外につけてはいけないものであることが分かります。後付けのハザードスイッチではなく、ロールアウト時から専用のスイッチがダッシュボード向って左下に付きます。赤いノブを手前に引くとフロントターンシグナルランプ、サイドマーカー、テールのターンシグナルが点灯します。44年式以前の車両には加工なしでの取り付けは不可能です。

  ヒューズボックス

ヒューズボックス ハーネスの変更、電気回路の増設などに伴って、ヒューズボックスも比較的近代的なものに改められています。従来の3本から10本にヒューズが増加。そして従来エンジンルームにあったものがキャビン内に移設されています。これにより電気系の安全性が向上。このヒューズボックスは同時期のカローラ、ミニエース、30パブリカ、果てはTA20系セリカなどと共通のもの。現在でも部品の供給があるが、使用する際には一部ヒューズの入れ替えをしないと使用出来ません。乗車時に膝に当たるため、破損や紛失などにより蓋がなくなっているものが多く、また現在補給されている蓋は表記が違うので当時ものは貴重。

  ヘッドレスト

ヘッドレスト 追突したりされた時の頸部保護のために追加されたヘッドレスト。これも法令により装備することが義務化されています。しかし、サイズが小さいのと位置が低いので、筆者にとってはヘッドレストというよりは肩あてに近い。車内で寝るときには威力を発揮します。

 車体色

オリジナルの車体色でスポーツ800というと、真っ先に思い浮かべるのが赤(セミノールレッド)その次が銀(アメジストシルバー)そして、43年式から追加された青(ジルコンブルーメタリック)という順番で印象深いところ。44年式で可能な限りオリジナルペイントを調査した結果、青が一番多く次いで銀、そして赤はあまりなかったようです。中でももともとは青であるにもかかわらず、後から赤に塗り替えている例が多く存在します。
オリジナルペイント発売当時はカタログやポスターに青のスポーツ800が多く登場したため多く出たが、後年オーナーが変わるにつれてスポーツ800といえば印象深い赤、ということで「あなたの色に染まります」的に色を変えられたものと推測されます。そもそもオリジナルペイントである車があまりありませんが、オリジナルペイントの青(写真参照)と同じ色感に塗られている車ははっきり言って皆無です。この青、現在はなかなか人気があるようですが、塗装の際には細心の色あわせが必要です。それでもきっと満足できないと思うので、元色がはっきり残っていない場合には塗らない方がいいでしょう。それぐらいこのメタリックブルーは再現は不可能に近い微妙な色合いです。
前期と後期そして、銀色も前期のものとは若干違って軽い感じの銀色になっています。前期のものが赤みの強い色になっているのに対して、43年の後半からは青みのさしたものになっています。(写真参照)赤は現物を見る機会がいままでないので、コメントしません。