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6日目 2006/8/10 (イエローストーン国立公園)
キャニオンカントリー
アッパーフォール ローワーフォール
今朝は6時起き。ベッドは狭いですが、熟睡できました。 まず朝飯の前にロッジの近くにある滝に向かいます。 このあたりはキャニオンカントリーといわれていて、イエローストーン川が 谷を削って峡谷になっているところです。
英語の名称だと "Grand Canyon of Yellow Stone" 。グランドキャニオンなのだかイエローストーンなのだか分からない名称です。
車を見てみると、フロントガラスは結氷しています。さすが標高と緯度が高いだけあります。 氷を落として出発。 車の外気温メーターは華氏34度 (およそ2℃)を指しています。真夏だというのに寒いです。 あんまり暖かい服は持ってきていないのですが、大丈夫かな。
イエローストーン中心部。公園全体はさらに広いです。
イエローストーンの峡谷にはローワーフォール、アッパーフォールの二つの滝があり、見所になっています。 ロッジのエリアから出て右折するとすぐに滝を巡る道路になっていて、まずは滝の下流から峡谷の全体を眺める展望台 から観光。
まだ朝早いので峡谷の下側までは太陽が差し込んでいませんが、 遠くに見える滝と深い峡谷が一望出来ます。峡谷が深いので、写真を撮るには日が昇ってからの方が良さそうです。長袖を着ているとはいえ気温2℃なので かなり寒い。さっそく車にのって次に移動。次はローワーフォールへ降りる道。 峡谷の一番上から滝の流れ落ちるところまで降りていきます。およそ100m程降ります。ゆったりと流れている川が滝の所で もうもうと水煙を上げて落ちていくのがダイナミックです。
真夏だというのに、ガラスは氷結しています
キャニオン全景。インスピレーションポイントという展望ポイントから撮っています
The GrandCanyon of the Yellow Stone の看板。
100m降りたので100m上がらなければなりません。 朝飯前のパワーが欠けている状態ですが、気合い入れて上がります。 私の移動と同じタイミングで10台以上のハーレーにのったグループも移動してきます。上下黒い皮のつなぎを着て格好いいですね。国立公園にはハーレーが似合います。
峡谷をイエローストーン川が流れていきます
土壌が流出して木の根が見えています
ローワー滝直前。この直後、滝になっています。
イエローストーンの名前の元になっている黄色い岩
このあといくつかの展望台を回って滝を見て回り、ついで川をまたいで反対側に移動します。 川向こうのエリアの一番奥には、「アーチストポイント」と名付けられた展望台があります。 周りの岩が長年硫黄にさらされたために黄色くなっていて、「イエローストーン」と名付けられた由縁となった場所。ここも峡谷が一望出来ます。19世紀にここを発見した探検家があまりの美しさに、ここを守らなければと動いて、アメリカ初めての国立公園が出来たというエピソードがあるところ。遠くにローワーフォールが見えるという、イエローストーンのなかにいくつかある見所スポットの一つです。
アーティストポイントからみたパノラマの景色。 岩肌が黄色くなっています。絵描きさんがここで描いた絵を みて、昔の都会の人たちはイエローストーンに興味を持ったそうです。
バイソンの大群
一通りこのエリアを見終わったので宿へと戻ると、なぜか道が渋滞。 前を見てみると、バイソンの大群が行進中。車を止めて待っていると、すぐ横をバイソンが何頭も通っていきます。一見怖いですが、向こうはこちらのことを全く怖がっていないようで、淡々と通過していきます。 野生動物に会えるのもイエローストーンの魅力の一つ。
道路を我がもの顔で歩くバイソンの群れ
そういえば、ロッジの近くには観光牧場があり、馬が飼われています。 予約をするとイエローストーンで乗馬出来るようです。牧場を見に行ったところかなりの人気でした。
北に向かって出発
さて、ロッジに戻って朝食。 今朝はロッジの売店で売っているサンドイッチ。 スポーツドリンクも4リッターほど買って準備万端。 ビジターセンターはちょうど改築工事中でほとんど開いていなかったのですが、 空いていたところで各エリアのパンフレットを入手。ビジターセンターは2006/8末にはオープンとのことで、次のシーズンには利用できますね。
ロッジをチェックアウトして出発。まずは北側のエリアを探検。 「8の字ループ」でいうと、右上の円弧にあたるところです。
今日は公園内で1日過ごすので特に行程は考えずにのんびりと探索をするつもり。ゆっくりとドライブしながら、目に付いたトレイル入り口で車を止めて ちょっとだけの気分でトレイルを歩いてみます。
トレイル歩き
Cascade Lake Trail
トレイル歩きはちょっとだけのつもりだったのですが、このトレイルがとてもきれいで気に入りました。 森と草原の中を抜けてゆく道が自然豊かでとても癒されます。
草原の中を歩き、小さな小川を超えて、森をこえてかれこれ1kmほど歩いたでしょうか。小さな湖が見えてきます。 近くには道路がなく歩いてはじめて来れるところです。 こういう トレイル歩きが国立公園の魅力の一つ。 ちょっと歩くつもりが、1時間半ほど歩いていました。 無事、元の場所に戻ったところで、11時過ぎ。
森の向こうへと続いていく一本道。
森を抜けるとまた平原です
一本道はまだまだ続きます
ルーズベルトカントリー
タワー滝
さらに北を目指します。 8の字の右上あたりが「ルーズベルトカントリー」 公園設立に尽力したルーズベルト(初代)大統領をたたえて名前が付いている エリアです。ここの見所は、「タワー滝」という滝。 たしかに、そそり立つ岩の上から滝が落ちています。 残念なことにトレイルが壊れていて近くまではよれなくなって いるので、上から眺めるだけです。このエリアでは熊に出会うことが多いそうですが、残念ながら(?)熊には出会えなかったです。 ここにも小さな売店があるので、軽く昼飯をパクつきます。 たしかサンドイッチを食べたかな。
タワー滝からルーズベルトカントリーに向かう道は見晴らしのいい丘陵地帯。ゆったりと下りながらルーズベルトロッジにに向かいます。
ルーズベルトカントリー付近の丘陵
タワー滝。塔のような岩から水が落ちているので "Tower Fall"と言われているようです
タワー滝下流のイエローストーン川
公園北東口へ
ルーズベルトカントリーの宿泊エリア「ルーズベルトロッジ」付近から公園北東側へのアクセス道路が延びています。今日は時間もありそうなので、 北東側を探検。
しばらくは広々とした草原が続きます。ところどころ草原の真ん中にゴツゴツとした岩が並んでいるという奇岩の風景が連なっています。 (日本でいうと、山口の秋吉台が似たような風景でした) 草原の中を延々と続くアクセス道路を自転車に乗って走っている人をよく見かけます。気持ちよさそうだな。時間が許せば私も自転車で国立公園を走ってみたいなと感じました。
公園北東部のアクセス道路から見える水辺の木々
平原の中にポツポツと点在する岩
アクセス道路を公園北東口まで行くとさすがに遠いので途中で引き返し、今度は、公園北側のマンモスカントリー」に向かいます。 「8の字」でいえば頂点のあたりです。
マンモスカントリー
山火事の跡
マンモスカントリーへの道は、山を越えていく道で、標高は2000m近くと高くなっています。
このあたりもかつての山火事で激しく燃えた地域で、いまだにかなりの焼けた木が残っています。ただ不毛の土地ではなく、下には草や小さな木が茂りはじめています。山火事当時、自然の回復力を信じて山火事を積極的には消火しなかったですが、外れてはいないようです。
公園を巡る道はもちろん舗装されている道ですが、所々かつての未舗装のかつての道も残っています。走るのは大変かも分かりませんが、この道を走ってみます。この道を走って正解。一面のススキの向こうに広がる山々という風景を堪能しました。 さて、ここからはマンモスに一直線。
ルーズベルト-マンモス間の道路沿い。 焼けこげた木々と、新しく芽生えた草木
未舗装の旧道を行きます。だれもがゆっくり走るので、自然に数珠つなぎ
ススキの向こうに見える山々
マンモスは明日泊まるところなので、ここを今日訪れるのはちょっともったいない気もしますが、まあいいです。 ここは、有名な間欠泉「オールドフェイスフル」と並んで 一番最初に開発されたエリアだけあって、100年以上前のホテルが 保存されています。
公園北口
一休憩してさらに北へ向かいます。目的は、公園北口のゲートを見るためです。 ただのゲートではなく、100年以上前に作られた石造りの重々しいゲートです。 荒涼とした草原のなかにポツリと立つゲート。 ロールプレイングゲームの中に入り込んだような錯覚です。
門の上を見ると
"For the benefit and enjoyment of the people"
と刻んであります。 イエローストーン以後に創立された他の国立公園にはこんな立派なゲートはありません。当時のアメリカ人の公園への思い入れ様が伝わってきます。
イエローストーン北門。この門自体が歴史的な建造物です。 門の上には"For the benefit and enjoyment of the people"と 刻んであります
公園ゲート付近には Gardiner という小さな街があります。古くからあるゲートウエイシティなので、開拓当時の雰囲気もただよわせています。 実はこの北口付近はワイオミングではなく、モンタナ州です。 ちょこっとですが、モンタナ州にも足を踏み入れたことになります。これでアメリカで足を踏み入れたことがあるのは13州になります。
イエローストーン唯一の温泉 「Boiling River」
もう一度公園に入ってしばらくすると、「ここは北緯45度」の看板。 日本で言うと、稚内と同じ緯度です。 ここに車が多く止まっていて何だろう? と思っていたら、 この先に熱水が出る川があって川との合流点でちょうど温泉になっている 「ボイリングリバー」の入り口でした。
日本にいるときから、「ボイリングリバー」にはぜひ行ってみたかったのですが地図を見ても載っていないし看板もないので探していたのですがちょうど発見できてラッキー。 川沿いの小道を10分ほど歩くと、人々が川に入っているのが目に入ります。 温泉とは行っても日本とは違い裸ではなく、みんな水着です。
噴出量世界一の温泉地帯イエローストーン。その中で唯一の「露天風呂」
この「温泉」は公式には国立公園には認められていなくて、例によって「あなたの責任で入れば?」というアメリカ的な管理になっています(もちろん管理人はいません)。 ただ、入っていいのは日の出から日没までとなっています。赤外線ゲートがあったので、無視して入浴すると通報されそうな感じ。
今日は時間がないので入りませんでしたが、場所も分かったし明日のマンモス宿泊の時には是非入らないと。イエローストーンは世界一の噴出量を誇る温泉地帯なのですが、アメリカ人が温泉に入る習慣がないのでどのロッジでも温泉は引いていませんし、露天風呂もありません。そんな中ここが唯一の温泉です。 (ちなみに世界第二位の温泉噴出量は大分の別府温泉)。 この温泉の入浴記は7日目の日記をどうぞ
戻らなきゃ
さて、またマンモスエリアに戻ったところで午後6時。今日は公園の反対側のグラントビレッジ宿泊なので急がないと。グラントビレッジは8の字ループの下の円の真下あたり。 実はこの時点でも午後8時前には宿にたどり着けるだろうと甘い感じを持ってました。甘かった... まず、中間点のノリスに着き、ここで7時。ここは8の字ループの左真ん中あたりです。マンモス-ノリスの間で40分ほどかかります。この道も峡谷と温泉が入り交じったきれいなところです。 宿に急ぐにはちょっともったいない景色。でも時間ない。。 ここからは、下に降りるのではなく、一旦キャニオンビレッジに移動します。 キャニオンビレッジ到着が7時30分頃。 まあ、まだまだ日没には時間があります。 キャニオンビレッジからは昨日来た道を逆に進んでいきます。 突然の渋滞。 例によってバイソン渋滞です。
ちょうど寝床に移動するのか大群が道路を横断して、20分ほど動かず..まあ、これぞスローライフを実践できるイエローストーンなんですけどね。 焦っても仕方ないのでゆったりとバイソンを見ていました。前の車は子供連れのようで、もう子供たち大はしゃぎです。 結局、グラントビレッジに到着したのは9時前。かなり暗くなってきています。 フロントのお姉さんは韓国出身の人でした。 国立公園のロッジは夏だけのアルバイトを多く雇っているようで、どこでも名前と出身(アメリカ人の場合は出身州、外国人の場合は出身国)をバッチにつけています。
今日の寝床に戻るバイソンの群れ。煙っているのは温泉か?
ようやくロッジ到着
グラントビレッジも昨日のキャニオンロッジと同じようにフロントとロッジは離れている構造です。 もらった鍵を使って部屋に入ろうとすると鍵が開かない。 かなり力を入れても鍵が開かない。 しょうがないのでフロントに戻る。「合ってますよー」といわれ 戻ってみる。さっきとめていた駐車場が埋まっている。がーん。
仕方なく遠い駐車場にとめて、部屋の前に行きもう一度回してみる。だめ。 もう一度フロントに行き「どうなってんじゃー」とクレームつける。 「じゃあ、メンテ要員向かわせますから、部屋の前で待っててください」といわれ再び向かう。
ふとドアを見ると、鍵穴が二つある。 気がつかなかったけど2つあるのか。 さっき差し込んでなかった方に鍵を入れると... 何の問題もなく開く。ありゃ。 すかさずフロントに電話。 「さっきの鍵の件ですけど、何度か試してみたら開いたんでメンテ要員来なくて結構ですから」 と断る.. こっちのポカみたいだけど、鍵穴が二つあるのが分かりづらいからねーと正当化。
さて、今日の宿は昨日に引き続きバスタブが無いので疲れが取れづらい。 まあそんなこといっても仕方ないのでシャワーをあびて疲れを取る。 昨日と違うのは、電話があること。ネットに繋いでいろいろ遊んで イエローストーンエール(ビール)を飲んで就寝。
今日のロッジ。 部屋だけは立派。二人部屋だけど一人旅なのでもったいない。。
部屋の電話。アメリカの電話ってこんな感じです。日本のと似ているようでちょっと違いますね。ここのジャックをはずして、PCに接続してインターネットに接続します。
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