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4日目 2006/8/8  (ロッキーマウンテン国立公園)

ロッキーマウンテンへ

朝5時起き。昨日の遅れを取り戻すためにちょっと早く出ることにする。 モーテルのフロントでトーストとオレンジジュースをかき込み、 チェックアウト。 フロントからメッセージを渡される。 昨日の留守番電話のメモをちゃんとメモにして残してくれる。 「安全運転してね」 そうそう。ちゃんと安全運転しなきゃ。
モーテル出発は朝6時。上空に残った雲に朝焼けの赤い色が映えてる。 モーテル出口のすぐ近くのI-70から東を目指す。

ちょうど昇ってきた太陽が目に入って眩しい... サンバイザーをしてもかなり 見づらい程。 80マイルで巡航。コロラド川、ホワイト川の 川辺のすぐ近くを走っていきます。この川の流域は緑が青々としていて 気持ちいい。このあたりまで来ると、アリゾナの赤茶けた土と違って 緑豊か。

I-70はアメリカ大陸を横断する主要なインターステートでありながら、標高の高いところを走る山岳道路ともいえます。 最高地点のVail での標高は10000フィートを越えています。およそ3300m。心なしか空気も薄い気がします。 レストハウスで降りてみると空気がひんやりとして気持ちいい。
Vailを越えてからはI-70はずっと長い下り坂。長いトンネルも越えて しばらく進みUS-40 に乗り換えます。
アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain
グランドジャンクションのモーテル。 朝焼けです I-70沿い。 ロッキーの西側です。ヨーロッパのような 風景 I-70最高点の Vail。標高およそ3000mあります。 空気がうすい!

US-40になってからはは本格的な山岳道路になってきます。 つづら折りのヘアピンカーブをいくつも超えると Berthoud Pass という峠に出ます。ここはContinental Divide(大陸分水嶺)にもなっています。この峠の西側に降った雨はコロラド川に向かい遠く太平洋に流れ、東側に降った雨はミズーリ川に向かい、大西洋に流れ込むわけですね。

「Continental Divide」 この旅行記で何度も出てきますがアメリカ人は「Continental Divide」 をとても重要な場所と考えているようです。 日本にも分水嶺はありますが、看板にでかでかと出すということは見かけたことがありません。やはり、国土が大きいだけに、「太平洋」「大西洋」と分ける線は精神的にも意味があるのかと思います。

この峠で学校のキャンプかスクールバスでこのあたりを訪れていた子供の集団に遭遇。 "Please take a picture of me!!!" という声が バスの中から。 おお、いきなり向こうから子供が声掛けてきた。 現地の人と会話(?)できると一人旅も寂しくないですな。

さて、峠を越えてから国立公園の入り口まではあと50kmほど。 まだまだちょっとありますな。 このあたりはアメリカでも有数の スキーリゾートらしく、「Winter Park」なんて名前の付いた街まであります。 コロラドのスキー場も雄大で気持ちよさそうだなー。

緑豊かな、走っていてとても気持ちのいい道をしばらく進み、Granby という 公園のゲートウエイの街に到着。 ここでガソリンを補給して軽く昼飯を 買う。ここのガススタでもクレジットカードがポンプの所で利用できないので、店に入って処理してもらう。 まあこういうところで会話できるので、ちょっと不便でもそれはそれでいいかな。 さあ、ここから国立公園への道路。
ゆったりと制限速度一杯の60マイルで走っていると、後ろから ハーレーダビッドソンの集団が抜かしていく。 彼らも気持ちよさそうに 走っているなー。
アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain
写真撮って〜 とせがむアメリカの子供 ここが大陸分水嶺。こんなに目立つ看板作ってます
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峠を訪れているスクールバス Grandbyのガソリンスタンド。ここもポンプの所では クレジットカード使えず

ロッキーマウンテン国立公園

コロラド川の源流

ちょっと走って目に飛び込んでくるのは、Lake Grandby とGrand Lake という二つの奇麗な湖。
ちょうど国立公園の境界の外なのでレジャーなどは自由。 ロッキーの山々と水をたわわに蓄えた湖。 湖畔に係留されたヨットとボート。高級リゾート、絵になります。

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Lake Grandby。 広々とした湖、湖畔の野草など 見ていて癒される風景 Lake Grandbyの上流、 Grand Lake。 昔からのリゾート地です。 Grand Lake。山と湖に囲まれたロケーション、いいですね
湖沿いにもう少し走ると国立公園の西側の入り口になります。公園を入って最初のエリアはコロラド川の源流になっています。、生まれたばかりのコロラド川は草原の間をゆったりと流れる小川です。 これが1000kmぐらい下っていくと、グランドキャニオンを作る急流になるというのはなかなか信じられません。

アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain
ここがコロラド川の源流です。小さな小川です。
静かな湿原の向こうにはロッキーの山並みが広がっていて、もうこのまましばらく何もせずにいたい気になります。 残念ながら今日の予定が詰まっているので、景色を目に焼き付けて先を急ぎます。

アメリカの道路最高点を走る山岳道路

ここから先は有数の山岳道路(トレイルリッジロード (Trail Ridge Road))になります。何しろ北アメリカ大陸の背骨であるロッキー山脈を越えるのですから。
つづら折りが続き、あっという間に向こうの山の山頂と同じ高さまで上がってきます。 先ほどのコロラド川源流も上から眺めると湿原をヘビのようにうねって流れているのがわかります。さらに上に上がっていくと木々が無くなって草と岩だけになってきます。およそ標高3000mにある「森林限界」を越えてきたということですね。
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トレイルリッジロードにのってどんどんと上へ。向こうの 山と同じぐらいの高さ コロラド川の源流を上から見られます。 湿原をうねって流れているのがよくわかります トレイルリッジロード。すでにこのあたりで、 森林限界を越えています。
このあたり、富士山山頂と同じ高さにあるので、運転しているだけでも、結構息苦しくなってきています。空気が薄くなっているのに、車のパワーは全く変わらないのが頼もしいところ。
トレイルリッジロードの最高値点近くに「 Alpine Visotor Center」というビジターセンターがあります。 大きな土産物屋も併設されていて、ここで絵葉書や花の種などお土産を購入。昨日お世話になったアメリカ人の旦那さんが作っているCDもちゃんと売られていました。不思議な巡り合わせに感動です。ここの店員さんは日本語を習っているそうで、「どうもありがとうございましたー」って日本語で挨拶してくれました。
一般のツアーではここまで来ることは少なそうだけど、それなりに日本人も訪れるのかな?

ビジターセンターをでてちょっとしたあたりがアメリカの舗装道路最高点になっています。標高およそ3713m 日本の舗装道最高点は富士山5合目か乗鞍あたりだと思いますが、それよりも1000mほども高いところを通過です。 さすがアメリカ。 実はロッキーマウンテンに来たかったのは「アメリカの道路最高地点」を通過したかったためなのですが、まあ、来てみたらそんな記録的なことはどうでもよいです。 そんなこと忘れるぐらいに景色が美しい。 (ちなみに最高地点と思われる場所には何も目印は立っていません。車を止められないしね)。
谷を挟んで向こうの山の方が若干標高が高く、山並みは氷河で削られた形になっています。 このあたり氷河時代は氷に覆われていたのでしょうね。
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Alpine Visitor Center。 かなり空気が薄いです。 Alpine visitor center からみる氷河のあと。
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このあたりが、アメリカの舗装道路最高点 向こうの山々は険しくえぐれています
ここからトレイルリッジロードは下りに入ります。目の前の山麓一杯に広がる森と湖を見ると、ゆったりと時間をとってハイキングをしたい気になります。 やっぱり国立公園は3〜4日は時間を取って回りたいな。

奇麗なゲートウエイシティ ・ エステスパーク

公園を出て、エステスパークというゲートウエイシティまでたどり着きます。 ここは観光客向けに栄えた街で土産物屋が連なっています。ちょっと猥雑な感じもするぐらい。アイスクリーム屋、Tシャツ屋、アクセサリー屋など、なぜかティーンズ向けの店が並びます。日本でいえば清里のような場所です。 ここにあったサブウエイで遅い昼飯を食べて、ちょっと一休み。 午後4時頃になっていたので、先を急ぎます。
アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain
ロッキーマウンテンの麓 エステスパーク
さて、日本で計画していたとき、今日の宿はワイオミング州のキャスパー(Casper)を考えていました。 ここから約400kmほど先の所です。ちょっと遠いのですが、明日中にはイエローストーンに入りたいのでちょっと無理しても行くことにします。
まず東に50kmほど進んでインターステート25号を目指します。谷沿いの片側1車線の道がずっと続きます。 前をゆっくり走る車がいるのですがなかなか抜けません。直線なのにブレーキかけてみたりして、どう見てもブレーキを掛けるタイミングが変です。ちょっとストレス。 後ろも渋滞になっちゃってます。 そんなかんだで、ようやく Love Land というかわいい名前の街に到着。ここがI-25のインターがある町です。
名前は「ラブランド」ってかわいいですがソルトレイクシティ以来の久々の大きな街です。 ちょうど夕方の帰宅ラッシュにあたったため、若干渋滞。 インターステートに乗ったのはちょうど5時頃。 さあ、ここから長距離のドライブになりますが、頑張ろうっと。 レストエリアで水分と目薬を補給し気合いを入れ直して一路真北へ。コロラドからワイオミングに入ると、途端に交通量が減ってきます。ワイオミングの州都であるシャイアン(Cheyenne)は州の南端にあり、それより北は人の生活している姿が見えません。延々とうねった丘陵が100km以上に渡って続いています。
ちなみにワイオミングの人口は50万人。 面積は25万平方キロ。 ワイオミングの人口はアメリカ50州のうちで最低。州都シャイアンも5万人。日本が人口1億2千万人、面積が37万平方キロということ考えると、ワイオミングの人の少なさが想像出来るかと思います。 ワイオミングにいると開拓時代はこんな風景がアメリカ西部全土で広がっていたんだろうな.. というように思えます。
アメリカ旅行記 ロッキーマウンテン国立公園 rockymountain
ワイオミングの典型的な風景。こんな感じの丘陵が延々100km以上に わたって続いています。人の生活している感じは全くありません。 この風景を撮影するためだけにI-25を一度降りました。
さて、本当に交通量が少なくて、前後数キロに車がいないなんて事がしばらく続きました。人や車はいないのですが、野生動物は多いようで、残念ながら 路上には頻繁にはねられた動物の死骸が転がっています... ちょっと残酷。
虫も多くて、時速80マイル(120km/h)ぐらいで走っていると、フロントガラスにバチバチぶつかってきます。 ウインドウォッシャーでもきれいにならず、だんだんと視界が悪くなってきて大変。おまけに途中から道が西を向いて ちょうど夕日が真っ正面に入るものだから前の状況がとっても見づらい。 あまりにひどくなって運転に支障が出てしまったので、途中で降りて窓ガラスを掃除。
さて、キャスパーまではあと100kmほど。 頑張ろうっと。このあたりでちょうど日没になります。 夕焼けがえも言えぬ美しさ。大平原の向こうに空一面燃えているようです。言葉じゃちょっと伝わらないですね。こういうときはだれか隣にいればいいのにーと思うのです。
だんだんと日ぐれてきた頃、キャスパーに到着。 今日はモーテルは予約していないけど、田舎町だし問題ないでしょう。
さっそく出口に一番近いモーテル8にチェックイン... しようとしたら 一杯だとか。 あら珍しい。 近くに別のモーテルがあるのでそちらに 移動。 あらら、 こっちも満室。 あり得ない。
まあ、キャスパーには10軒以上のモーテルがあるから大丈夫だろうな。 近くのモーテルの場所を聞いてそちらに移動。 あらららら。 ここも 満室。
そうか。 田舎町だけど、周り100kmほどに街らしい街がないから、インターステート利用者はみんなここで宿を取るのか。 このエリアをあきらめ、キャスパーのもう反対側の街はずれに移動。
またここでも「ないない」いわれ続ける。 さて、取れる策としては 、
  1. 隣街まで移動する。 ただし100km以上離れているし、街の規模はキャスパーよりも小さい。おまけに今日はすでに14時間ほど車を運転していてそろそろ危ない。
  2. 車中泊。 ただし明日へろへろの寝不足状態で運転することになる
とどちらもかなり厳しい。 高級ホテルがもしあれば何百ドルかはらってでも部屋取りたい気分。さて、そろそろキャスパーのモーテルも残り少なくなって 訪れた DaysInn。 聞いてみたら「ない」といわれた。まあ仕方ないな。
フロントのお姉さんに

「やっぱりそうですよね... キャスパー中のモーテル回ってみたのだけど、ないないっていわれて... 他に空いてそうなところ知りませんか?隣町まで行ってみようかな」

って聞いてみたところ、高くても良ければ1部屋スペアの部屋が用意できるとのこと。
予約が入っているけど、予約した人が9時になっても来ないので、予約を解除して私を泊めてくれるとか。一泊90ドル。田舎町のモーテルとしてみるとかなり高いけど、ありがたい。やっぱりいろいろ話しかけてみるもんだ(ってドラクエの宿屋とは違うw)
このモーテルはコインランドリー付きだったので、これまで来た衣服を全部洗う。 かなり助かる。

さて、ほっとしたらお腹が空いてきた。近くに食事を取るところがないので、ちょっと車で移動。街はずれな上に道路工事が多くなかなか中心部にたどり着けない。 なんとかマクドナルドをみつけドライブスルーでハンバーガーゲット。ホテルにたどり着いたらすでに夜11時過ぎ。 かなりへろへろ。
風呂に入ったあとあまり意識がないのですが、いつの間にかちゃんと寝ていました。
しかし、毎日毎日いろいろなことがありますな。 別に冒険をしているつもりはなく、アメリカでリフレッシュをしようとしているのですが。。。まあ小さなトラブルとそれをうまく解決していくのは旅の醍醐味ともいえますが、もうちょっとゆったりとした旅もしてみたいもの。
さて明日はイエローストーン。
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