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3日目 2006/8/7  (キャニオンランズ国立公園と大きなトラブル)

夜明けのメサアーチへ

4時起床。 昨日よりもさらに30分早い。 まだ外は真っ暗だけど、着々と準備を進める。 昨日、モアブのガススタで買ってきたゲータレード4本を冷凍庫から取り出す。 凍っているかと思ったけど、キンキンに冷えているだけだった。まあいいや。 今日は朝飯は用意してないので、クッキーとカロリーメイトで済ませる。
目を覚ますために、熱いシャワーをあびて、出発。
モアブの街はまだ真っ暗だけど、それでも若干の車の通りはある。 街中では深夜の道路工事をやっている。世界各地どこでもこういう工事は深夜にやるわけだな。お疲れ様です。
モアブを越えて昨日来た道を逆に走ってゆく。まだまだ真っ暗なので周りの状況は分からないけど、一度通っているので感が付くのはいいところ。
キャニオンランズまでの道は本当に真っ暗。国立公園への入り口はUS191号を西に折れるのだけど、この道は夜中だと標識に気がつきづらい.. 初めて来たら見落としていたかも。
さて、キャニオンランズへの道はぜんぜん車も通らず寂寥としてます。 つづら折りの道を上っていき、だんだんと峡谷の上に出て行きます。 ライトを遠目にして走っているためか、周囲から野ウサギが道路に出てきます。 とても怖い。。。 本当に引きそうになります。 実際至る所で野生の小動物の死体が道路に残っています。 ちょっとかわいそう。 しばらく行くと峡谷の上の平野地帯までたどり着きます。ここから公園の入り口までは15kmほど。一直線の道が続いています。
だれもいない国立公園のゲートを通過して、公園内に入ります。 このあたりは「アイランドインザスカイ Island in the Sky」と呼ばれている地帯です。 日本語に訳すと「天空の島」ですか。かっこいい名前ですね。実際地図を見ていると、周囲が峡谷になっていて、ここだけが空に浮かぶ島のようになっています。
この地帯にある「メサアーチ」ごしに見る朝日を見に行くのが早起きした目的です。 メサアーチは、朝日の名所として世界中の写真家に知られた場所で、私も世界の奇麗な風景を集めた写真集でこの場所を知ったわけです。
到着したのは午前6時頃。日の出まではあと30分ほどはあります。 ここまで来るまでに全く車とすれ違わなかったので、もしかしたら、一番乗りかと思いきや、すでに駐車場には数台の車が止まっていました。 メサアーチまではこの駐車場から200mほどで、トレイルを歩いていくと すでに10人ほどのカメラマンとその連れの人たちがカメラを構えていました。 やはり有名どころですね。 構えているカメラ、三脚ともにセミプロ仕様のもので、やはりこの時間に気合いを入れてきている人たちだけのことはあります。
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands
キャニオンランズ国立公園 アイランドインザスカイエリア
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands
メサアーチの朝焼け メサアーチの朝焼け
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園  Canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands
メサアーチの朝焼け 人がすでに沢山
この人たちがすでにいい場所をとっていたのでちょっと撮りづらかったですが、それでも日本で写真を撮っている時の機動力を生かして隙間から撮影をし始めます。朝日が上がってくると、アーチの下側が赤く照らされて、その向こうには雄大なキャニオンが浮かび上がってきます。 写真は何枚(実はメサアーチだけで100枚以上撮っています..)も撮っていて、気に入る写真は何枚かは撮れましたが、やはり実物にはかなわないですね... やはりこの景色は雄大です。

雄大なキャニオンランズ国立公園

太陽も上がってきたので、メサアーチを離れ、キャニオンランズの他の展望スポットに向かいます。ここの道は坂でもないのにつづら折りです。 峡谷の上に「浮かんでいる」部分が非常に細いために、平らなところを選んで道を造るとこういうようになるわけですね。
アイランドインザスカイ エリアの最南端にあるのは「Grand View Point Overlook」という展望スポット。 「グランドビュー」という名前の通り、目の前に一面雄大な荒野と峡谷が広がります。 100mほど下がまた平野になっていて、さらにその一部がえぐれているという 独特の風景が広がっています。 えぐれているところはまるで鉛筆が林立しているような風景。 ここもアメリカの他の国立公園と同じで、柵がありません。 足を踏み外せば簡単に100m下まで落下... こういうところは 「At Your Own Risk」が徹底しているところですね。
この展望スポットを後にして、次は「Green River Overlook」へ向かいます。 キャニオンランズは、グリーン川とコロラド川の二つの川が合わさるところに できた峡谷地帯ですが、そのうちの一つ グリーン川によってえぐれている 地形が見えるところです。川辺が草で緑になっていたので、「グリーン川」の由縁はそんなところかもしれないです。
そういえば、峡谷の下側には延々と道が延びています。 国立公園で厳重な保護がされているはずなのに、しっかりとした道があるのは不思議ですが、実は 国立公園に指定される前はここはウラン鉱山だったそうで、そのときの名残だそうです。
行きは無人だったビジターセンターによって、地図やお土産を購入。今回は自分への土産として国立公園内の詳細な地図を各公園で買っていました。
行きは真っ暗闇で見えなかったですが、キャニオンランズの道の見晴らしは素晴らしい! 周囲よりもちょっと高いところにあるだけあって、遠いところまで見晴らしがききます。さて、今日はこの地域からずっと東に移動するので、早めにこの公園を出ることにします。
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 canyonlands
見晴らしがいい!(グランドビューオーバールック (Grand view Overlook)より) 広大に広がる平野。一部が川でえぐられています (グリーン川展望台 (Green River Overlook)より) 下の平野を貫く道は、昔の鉱山の名残。

峡谷道路へ

モアブの手前まで戻って、今度は州道129号線でI-70を目指します。 この道はとても見晴らしがいいところ。コロラド川の川辺を走る 峡谷道路です。コロラド川は今まで上から見ることはあっても すぐ近くで見ることは初めて。 道は周囲が深い峡谷になっていて眺めているだけで癒される 風景が続いています。 途中、ボートを川に降ろす場所を見つけ、ボートを降ろすスロープから川に入ってみます。初めてコロラド川の水に触れます。とうとうコロラド川に触れられました〜。
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands
モアブから峡谷道路に入ります コロラド川に降りてみます。最高の眺め
アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園  Canyonlands アメリカ旅行記 キャニオンランズ国立公園 Canyonlands
コロラド川の水に触れてみます。 本当に濁ってますね 峡谷を貫く道。 この数分後にトラブル発生。。

トラブル発生

さて眺めのいい峡谷地帯を気分よく運転して、あともうちょっとでI-70..と思っていたところ、突然「バン」という音が。 石か何かを踏んだかな..とおもって車を止めてみてみると、右前輪が激しくバースト... タイヤウォールが裂けている。 日本でもパンクさせたこと無いのに、よりによって、アメリカの人里離れたところで。。 そんなこと行っても仕方ないのでまずはタイヤ交換をするかとトランクを開けて準備。 タイヤをトランクから取り出そうとしたけれど、かなりねじが固くて取り出せない。なんとか出そうと工具を探していた時、後ろから来たキャンピングカーのアメリカ人に声を掛けられた。

「いったいどうしたんだ?」
「いやタイヤがバーストしてしまって...」
「タイヤがバーストか。とにかくここは危ないから路肩によせないと」
そうだな。路肩に寄せないと...
キャンピングカーに乗っていたのはアメリカ人の家族連れ。 あとで話して分かったのだけど、サンタモニカ(カリフォルニア)にすむ両親、デンバー(コロラド)にすむ娘と子供がバカンスを楽しんで帰る途中だったらしい。
その家族、そのまま行ってもよかったのに車を止めてくれて助けてくれるとのこと。本当ありがたい。 まずは、レンタカー会社に連絡を取ろうとしてくれたのだけど、あいにく圏外。 「シグナルが見つかったら連絡してみる」というから、信号と関係あるのかtとおもったら、 "No Signal"="圏外" なわけですな。
今後の行動を相談。 車はとりあえずここにおいて、貴重品だけ持って 電波のとどく所まで移動して、レッカー会社に連絡することにしてみます。 というわけで、キャンピングカーに乗せてもらい、I-70に向けて移動。
久々に他人が運転する車でアメリカを移動します。今までは仕事でアメリカ人と話すことはあっても、普通のアメリカ人の家族とはなす事は初めて。そもそも日本でも見ず知らずの人の車に乗せてもらう事なんて無かった。
峡谷道路を走ってI-70との分岐近くに到着。 地図では「CISCO」という街があるはずですが、実際にはゴーストタウンでした...残念。 ここまで来てもまだ圏外。
I-70を東に進むことにします。 後ろにでっかいハウストレーラーを牽引しているのですが、80マイルぐらいでぐんぐんと加速。やっぱりアメ車ですね。
そうそう。 この家族ですが、両親の住むサンディエゴから3週間ほど国立公園を旅しながら娘の住むコロラド・デンバーまで移動していて、今日が最終日だったそうです。この娘の旦那さんはアメリカ国立公園を題材にした音楽を作っている音楽家だそうで、私が毎年アメリカ国立公園を旅している ことなど話すと、国立公園の話で盛り上がる。 なんというか、もう奇跡的な巡り合いですな。旦那さんがリリースしているCDを何枚かプレゼントしてくれて、もうなんというか本当ありがたい。
I-70をかなり走ってコロラド州に入った頃、ようやく携帯の電波が入って ハーツのロードサービスに電話が通じる。 これももし私が掛けていたら 状況を説明するだけで一苦労だったところを、全部代行してくれている。 ハーツのサービス曰く、車はハーツのレッカーが持ってくる。最寄りのハーツ営業所で車を交換できるとのこと。最寄りの営業所は、もうちょっと先の グランドジャンクション というところ。 この街で食事までごちそうになってしまう。。。
食事後、グランドジャンクションのハーツ営業所に向います。 娘さんから、「ハーツと交渉する際は "自分は全く悪くない。知らないうちにタイヤがパンクしていた" という様に言うのよ」というようにアドバイスをもらった。こういうやりとりがアメリカだと当然なわけですね。 レンタカーの保険はフルカバー (LDWにも入っている) だったので、 結局追加料金無しで車を交換できた。車は「Ford FiveHundred」 日本では見かけない車だけど、だいたいマーク2ぐらいのグレードでしょうかね。
アメリカ旅行記 Ford Fivehundred
新しい車。 フォード FiveHundred
レッカーはまだ来ないので(って当たり前ですね。 営業所から100km以上離れているし)、近くにモーテルをとって待つことにする。 まあ、車を離れる時点で全部の荷物を持ってくればよかったのですけど、 その時点ではすぐに携帯の電波が入って連絡が取れるだろうと思っていたわけで、しかたなし)
ここでこの親切な一家とはお別れ。 住所を聞いていたので、日本に帰ったらお礼しなきゃな。 まだ旅の行程の半分にもなっていないけど、一番の想い出になりました。
さて、営業所近くでモーテルを見つけてチェックイン。まだ2時ぐらいだったけど一風呂あびてちょっと一休み。
さて、目が覚めて4時頃。今日中に荷物は届くといっていたけど、本当に届くかなーとちょっと不安になる。結局7時頃、ハーツ営業所の人が届けてくれてほっと一安心。 先ほどの家族の人に、無事に持つが届いたと留守番電話にメッセージを入れておく。
ちょうどモーテルの隣にデニーズがあり、2日続けてデニーズでの食事。 今日は、ステーキをオーダーしてみる。車じゃないのでビール頼んだのだけど、ビールはないとのこと。 やっぱり車で来る人が多いから出さないのかな。 ステーキはやっぱりちょっと大きめ。 味はまあまあだけど、アメリカで食べられる食事としては満足。
食事から帰ってくると、電話にメッセージが。 娘さんから折り返し電話が入っていた。
「のこりの行程を安全にね」
とのこと。うん。肝に銘じます。
さて、本当は今日はここから300kmほど東のロッキーマウンテン国立公園付近に宿を取るつもりだったのだけど、こんな手前になってしまい、翌日の行程をどうしようかと考えてみる。 3日後にはイエローストーンの宿を予約しているのだけど、距離的にはかなり(1000km以上)あるので、どうしようか... まあ、でもロッキーマウンテンもはずせないので、明日はいけるまで行くことにしてみる。
よく考えたら、この日はいろいろあったな。最悪、旅行中断も覚悟したけど、いろいろな偶然と幸運でなんとか復活。
明日は6時出発予定。 安全運転安全運転
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