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2日目 2006/8/6  (アーチーズ国立公園)

アーチーズへ向けて出発

4:30に携帯の目覚ましで起床。もうぐっすりと寝てました。 時差ぼけも一気に解消したみたい。モーテルの時計は狂っていたので、携帯電話持ってきてよかった。
外は真っ暗闇ですが、出発準備を進めます。今日はトレイルをかなり歩くので十分な栄養をとっておく必要があるので、 昨日ウォルマートで買ってきた電子レンジでのハンバーグを平らげ、 ヨーグルトを2つ食べて体調万全。
モーテル出発は5:00。東の山の稜線がうっすら見えてきていますが、まだ外は真っ暗です。 目の前のI-15 に乗り込み南を目指します。 昨日買ってきたiPodのトランスミッターを接続し、カーステレオをFMに合わせて持ってきた音楽をかけます。 まずはカーペンターズから。 単調なインターステートの移動にはなんとなくカーペンターズがいいなー と思ってたのだけど、これ正解。 "Top of the World"なんて延々と広がる道路にピッタリかなー。
I-15 を50kmほど南に進んで、Provo という街はずれにある Spanish Forkを左折しユタ州道6号線(UT6)をひた走ります。そういえば "Fork"と付く地名はあちらこちらにありますが、フォークのように「分岐」というような意味ですね。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
まだ外は真っ暗 途中のレストハウスにて。 UT6の真ん中あたり ゴーストタウンに近い鉱山の街
UT6も山間を走る道で、いくつか峠を越えてグランドサークルの赤茶けた大地へと続いていきます。東へ向かう道、 朝日が昇り始めて眩しいです。いよいよ今回の旅行の始まり。
UT-6が終わり、I-70に合流です。 I-70はグランドサークルの北の端をかすめてアメリカを横断している主要インターステート。荒野の中80マイルで巡航してしばらく行くと、看板に「Moab, Arches National Park」って書いてあります。 いよいよ来ましたねー。ここでI-70を降り US191号線で南に進みます。横には赤茶けた岩山が見えてきて、4年前のグランドサークル巡りがよみがえります。 キャニオンランズ国立公園への入り口を通過して、さらに10kmほど走ると、アーチーズ国立公園の入り口です。 いよいよ到着。 ゲートにてアメリカ全土の国立公園で1年間有効な "National Park Pass"を $50 で購入して入場。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
丘をこえて続く道 もうすぐアーチーズ。 道路沿いに広がってくる赤茶けたメサ

アーチーズ国立公園

アーチーズ国立公園は、岩に穴が空いてアーチ上になったものが沢山あるところからその名前が付いてます。 何万年ものの浸食作用によって岩が削られて穴が空いたのですね。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
他の国立公園に比べると面積は狭い方のですが、公園の中に数千個の「アーチ」があるとのことです。園内には「デビルズガーデン」「デリケートアーチ」「バランスロック」「ウインドウセクション」「パークアベニュー」といくつかの見所があるのですが、まずはその中から一番の奥の「デビルズガーデン」に向かいます。 そこに向かうまでも、周りは奇岩の連続。
デビルズガーデン... 平野の中にとげとげしい岩があちらこちらに林立していて、まさに「悪魔の庭」といった様相です。
この「デビルズガーデン」は、アーチーズの中でも人気の高いエリアなのですが、駐車場が少なくて止めるのには苦労するようなのですが(そりゃそうで、一度止めたら何時間もトレイルを歩くのでなかなか戻ってこないわけで)、運良くトレイル入り口に近いところに1台分空いていて止められました。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 スリーゴシップス
アーチーズに入ってきました。そびえ立つ岩の壁 スリーゴシップス(3人のうわさ話) 。 まるで話をしているような感じ?
有名な国立公園らしく、このあたりは国際色豊か。日本人もいますが、ドイツ語、フランス語らしき言葉が飛び交っています。世界各地からやってきているのですね。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン
デビルズガーデン付近。 本当に、悪魔の庭 です。地球の風景とは思えない デビルズガーデンのトレイルに入っていきます。ここはまだまだ道も整備されていて楽 こんな感じで道も整備されています
トレイル歩き用に持ってきた登山靴に履き替えて、日焼け止めをばっちりと塗って、リュックにはパワーエードを2本(2リッター)を入れていざ出発。 快晴でとにかく日差しは強い。 まあ、標高が2000m近くあるため熱くは無いのですが、からっと乾燥しています。
まずは一番近い「ランドスケープアーチ」を目指します。 ランドスケープアーチは、アーチーズ国立公園の中でもかなり大きなアーチ(穴の幅60mぐらい) で、アーチ部分の崩落がいまも続いていていつ崩れてもおかしくなさそうなか弱さです。 その繊細さゆえに公園内でもかなりの人気があるアーチになっています。一番細いところで太さが2mほどとのことで、いつ崩壊してもおかしくは無いでしょう。。。50年後には多分見られない景色かと思います。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 ランドスケープアーチ アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 ランドスケープアーチ アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 ランドスケープアーチ
だんだんと上りもきつくなってきますが、まだまだ楽。 乾いてからっとした陽気で、気持ちいいハイキング日和。 遠くに穴が空いた岩が見える。あれがランドスケープアーチでは! 近くに行ってみると、やはりランドスケープアーチ。 繊細です。今にも折れそう。優美ですね
このランドスケープアーチまでは道が整備されているのですが、ここからはトレイルはいよいよ岩の上を歩いて進む本格的なものになってきます。この先はズック靴やサンダルだと厳しい..。 道も細くなり傾斜も急になってきます。 この付近の岩は「サンドストーン」とよばれ、砂が固まって出来たもので、表面がざらざらしているために、傾斜が急でも安定して歩けます。
岩が砂で出来ているので、水の浸食などで簡単に穴が空くわけですね。 これはアーチーズに限らずコロラド川流域の峡谷の地形など一般にいえるようです。
岩場を歩くと周囲にはアーチや穴が空いた岩が沢山。中でもこの付近でのお勧めは、パーティションアーチ。メインのトレイルから500mほど脇にそれますが、いい眺めです。 岩盤に直径10mほどの穴が空いていて、穴の向こうに遠く向こうの平原が見えます。
パーティションアーチの近くにあるナバホアーチは、大きな壁を2枚立てかけたような独特の形で、片側の壁に穴が空いていて、中が秘密の空間になっています。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
これがパーティションアーチ。 穴が二つあるから パーティション(「分かれている」)といっているみたい。 穴の向こうに草原が広がってフォトジェニック ナバホアーチ付近の岩をアップ。 なんか小さな仏像が沢山鎮座してそうな感じです。観光客が小石をケルン代わりに積んでます ナバホアーチ。アーチの向こうがまた小さな空間になっています。
メインのトレイルに戻りさらに進みます。 だんだんと道は細く険しくなり、岩山の尾根のようなところを歩いていきます。 2mほどの幅はありますが、両側10mほどの断崖。足を踏み外したら結構危険です。さすが自己責任のアメリカ。こんな所を200mほど進んでいくと、「ダブルオーアーチ」が見えてきます。 名前の通り、穴が2つ空いているという珍しいアーチです。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
ダブルオーアーチにつづくトレイル。 両側は断崖です。 足を滑らせたら怪我しそう。右に見えるヒレのような岩は「フィン」と呼ばれています。 途中のレストハウスにて。 UT6の真ん中あたり ダブルオーアーチ。アーチが二段重ねだから、ダブルオー。
ここが一応トレイルのゴール。もうちょっと奥に「ダークエンジェル」というかっこいい名前のアーチ?があるのですが、ちょっと遠いのでここで引き返します。
ここからは来た道を引き返してもよかったのですが、ちょっと冒険したくなって「プリミティブトレイル」を歩いて戻ることに。 しかしまあ、これがかなり大変。 歩いている人が少ないし、道が分かりづらい。 ケルンを目印に歩いて行くのですが、分かりづらいところがいくつかあって実際に何度か迷いました。ほとんど通り過ぎる人もおらず、本当に正しい道なのか分からなくなることもなんども。 炎天下じりじりと太陽は照りつけ、岩山のアップダウンを繰り返すので喉が渇く。。。 持ってきた水も残り少なくなって、とにかくここから早く元の道に戻りたい気分。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 デビルズガーデン
プリミティブトレイル沿いにあった菱形のアーチ。このあたりまで来る人はいません。 ますます「悪魔」の様相を呈してきます。人とすれ違いません。。。 まさに「デビルズガーデン」。 フィンを下から見てみます。白い筋がぶきみ。。
そんなこととは関係なく道はさらに険しくなってきます。岩山を滑り降りるような形で下ったり、斜度40度ほどの所をトラバースしていったりとかなり激しい。登山靴のゴム底をキュルキュル言わせながら何度も滑り降りて行きます。 確かに、トレイルガイドには "Difficult Hiking" と書かれていたわけだ。 まあ、そんな困難がある分、景色も格別です。
このあたり、デビルズガーデンの名に恥じないような、奇岩の連続です。針のように尖って、地層の関係でまだら模様の針の山のような地形、表面が彫刻のように削り取られて無数の仏像があるような地形 などなどここでしか見られないような風景が広がっていました。
この激しい地形を抜けると、一転草原地帯に出ます。 広がる草原と奇岩という地形はこの世のものとは思えない。
ようやく、トレイルは元のランドスケープアーチの所に戻ってきてここからは元来た道を引き返して、トレイル終了。 トレイル入り口の水道で顔を洗ってリフレッシュ。ふーっと息を吹き返します。

ウインドウセクション

さて、ちょっと一休みして、今度はウインドウズセクションへ移動。アーチーズの中でも手軽に見れて、迫力もバッチリという観光にはもってこいの所ですね。デビルズガーデンからは車で結構戻ります。
ウインドウズセクションには、ノースウインドウ、サウスウインドウ、ダブルアーチ、タレットアーチと大きなアーチが4つほどありますが、どれもかなりの迫力。中でもタレットアーチは、周りが平たくなっている中でそこだけ岩山が残り、さらに複雑な穴が空いているというなんとも迫力があるアーチです。アーチーズの中で、アクセスしやすく一番迫力があるエリアだと思います。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
サンドドューンアーチ。 砂地の中のアーチです。 奇麗に光が当たっていて、アンテロープキャニオンみたい。 ウインドウセクションに移動。穴の大きさが分かりますね。 これはノースウインドウのはず。 Turret Arch. これだけ、ちょっと離れたところにあり存在感が強い
今度は「バランスロック」を見物。アーチではないのですが、名前の通り、大きな岩二つが縦にくっついて非常に不安定ながらバランスを保っています。
横から見ると人の顔のようにも見えます。昔はとなりにもう一つ同じような岩があったそうですが、しばらく前の嵐の夜に倒れてしまったとのことです。
非常に特徴ある形なので、写真を撮る人が沢山います。 ハーレーにのった二人組の一見コワモテのお兄ちゃん二人組。 いきなり駐車場に寝っ転がりカメラを路面において、自分たちのバイクとバランスロックを一緒に入るようにセットして、セルフタイマーで自分たちも写ろうとしています。 なんか気持ちわかるなー。。 ただ道路にカメラをおいて危ないので近くのおばあさんが「お兄ちゃんたち危ないわよ!。 私がカメラ撮ってあげるからホラホラ並んで」 とお節介を焼いてました。アメリカらしくてほほえましい。
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園
サウスウインドウ。 Turret Arch を遠くから見ると、ゴツゴツ具合がかっこいい
アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 バランスロック アメリカ旅行記 アーチーズ国立公園 バランスロック
バイク好きの兄ちゃん二人が一生懸命自分の愛車とバランスロックをフレームに収めようとしているところ。それを後ろから撮る私 バランスロックは角度によっては人の顔のように見えます

デリケートアーチ

ここから、アーチーズの主役.. というかユタ州の車のライセンスプレートにもなって州のシンボルにもなっている「デリケートアーチ」に向かって移動します。 公園中央にあるバランスロックからは約20kmほど。デリケートアーチ のトレイルの入り口の駐車場に到着。 ここは夕日が見頃です。すでに結構人が集まっています。
デリケートアーチへは、駐車場からトレイルを歩き、岩山を登っていきます。 普通に歩く分にはなんてことないところですが、すでにデビルズガーデンでくたくたになっている体には結構応えます。。。実はこのとき軽い熱射病になっていた気も... 岩山を登って、幅1mも無いような道を歩くと、目の前にいきなりアーチーズが見えてきました。 やっぱり圧倒的な存在感。他のアーチのように「岩に穴が空いた」 という形ではなく、奇麗なアーチ型。周りの地形がすっきりとしているのもさらにこのアーチを際だたせています。
しばしここでアーチを眺めています。 残念ながら夕日は出ませんでしたが、満足。夕日を見るのに結構人が集まってましたね。日本人の家族連れらしき人たちも来ていました。
さて、ほぼ丸一日使ったアーチーズ国立公園のトレイル歩きもこれにて終了。結局ほとんどの見所を見たことになります。 我ながらなかなか。
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デリケートアーチへの道 デリケートアーチです。存在感がばっちり。

モアブ

今日の宿は、この近くのMoab という街にとっています。 このあたりのアーチーズ、キャニオンランズといった国立公園のゲートウエイになっていて、レジャー客でにぎわっています。
このあたりを自転車で走る人も多く自転車道も整備されています。 そういえば、余談になりますが私がこの8年ほど日本で乗っている自転車は「Schwinn Moab」といって、実はこの小さな街から名前がとられています。それを知ってからこの街のことが頭の隅で気になっていました。雄大な国立公園地帯をマウンテンバイクで疾走する人たちや、自転車を大事にする街をみて、この名前に込められた意味が分かった気もします。

さてモアブ付近のガススタでこの旅最初の給油。これまでの旅と同じくポンプの所にクレジットカードを滑らせて給油。。。と思いきやうまく行かない。
この旅を通じて、ガソリンスタンドのクレジットカードはほとんどエラーになりました。 どうも去年あたりからチェックが厳しくなってアメリカ外で発行されたカードは受け付けられないみたい。
ちなみに、カードがはじかれた場合、場合はレジに行って「ポンプxx番満タンにします "I want to fill it up at pump number xx (適当)"」というと、店員が"Pay inside?" と聞いてくるので「そうです」と答えると、ポンプを有効にしてくれます。 これで満タンにしたあと、もう一度店に行って後払いします。 レジの所ではカードを読み取ってくれるのでOK。
ある意味入れ逃げも出来ちゃうわけですが、ここはお互いの信用で成り立っているんでしょうね。 きっと監視カメラにも写っているだろうし。
今日のホテルはモアブの「SleepInn」というところ。Moabの街はホテルがとりづらいとガイドブックで見ていたので、念のために事前予約したのですが、空いているモーテルも多く、そんな必要は無かったようです。 SleepInn は街はずれなのでちょっと行動しづらいな.. まあ、 部屋はむちゃくちゃ広くて、ベッドもこれまでに経験した中では一番大きい。 幅が2m程あるし。。 ただ、バスタブがなく、ただのシャワールームだけというのが残念。 実は1階に「HotSpa」、つまり大きめの温水プール があったのですけど、気がつきませんでした。この旅では「HotSpa」 が着いたモーテルに2件当たりました。アメリカ人もやっぱり肩までゆったりと浸かれるタイプの風呂に入りたいのだな。
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デニーズでの食事。 大味(^^; デニーズで食事終わって外を見ると、奇麗な夕日!
さて シャワーだけあびて一段落して今日の夕飯。今日は、近くにあった「デニーズ」。ロゴも日本と一緒で中味もファミレスなのですが、やっぱりメニューは全然違う。想像できないメニューも多い中、ステーキを食べて体復活。ただなんというか、大味ですな..。 飯を食べ終わって外に出ると8時。まだかなり明るいです。真っ赤に染まる 夕焼けがとても奇麗でした。
そんなこんなで二日目終了。かなりくたくた。 明日は早いので、10時過ぎに就寝。
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