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5日目 2005/5/2 VLA(電波天文台)ホワイトサンズ エルパソ

ニューメキシコへ出発

時差...

今日の最初の目的地である VLA(電波天文台)がSpringerVille よりも90マイル 先にあり、そこが8:30開門なので、出発は7時頃と計画しました(「VLAって何」という方は 下の方をみてください)。

というわけで、今朝は6時起き。モーテルの 前のガススタ併設のコンビニで朝飯のサンドイッチとコーヒー、それと車内のおやつの クッキーを購入します。アメリカのコンビニではコーヒーは普通セルフサービスです。 大きなスチロール製のカップに好きなだけコーヒーをついでだいたい2ドル。


なんだかんだでゆったりとシャワーをあびたりしていたため、モーテル出発は7:15。 US60で一路VLAを目指します。

アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA
SprinverVille で泊まった Super8モーテル。 US60沿いの街。地図に地名が出ていても、 実際はこんなキャンプ場のような家が数軒ある程度。
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丘陵地帯を駆け抜けていきます 丘陵地帯を抜けると、目の前はなんにもない平原。ここが Agustin 平野。この平野の遙か向こうに目をこらすと バラボラアンテナが見えてきます
アリゾナとニューメキシコの州境あたりは高台になっていてほとんど街らしき所はありません。 US60の山地をひた走り、所々ある数軒ぐらいからなる集落をいくつか越えたところ、 広々とした平原に出ました。そこがVLAがあるSan Agustin平野でした。 しばらく平野を走っていると見渡す限り360度何もない平原の遠くに パラボラアンテナの群れがそびえ立っているのが見えてきます。

VLA(Very Large Array)

しばらく進むと、パラボラアンテナの下に到着です。 パラボラが移動できるように、レールが敷いてあって、 US60とも交差しています(そのため、US60に踏切があります)。

ビジターセンターは、そこからちょっと先のNM52に入った所にあります。 9時過ぎでした。入り口では「携帯電話、電子レンジのスイッチを切れ」という 看板があります。やはり電波天文台だけあります(車での来客に 「電子レンジを切れ」なんて日本ではジョークですが、アメリカのキャンピングカー だとあり得るのですね)

アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA
とうとう来ました。 ここがVLA 道路を線路が横切っています。 VLAのパラボラアンテナを移動するためのものです いくつものパラボラアンテナが同じ方向を向いています
このVLAではビジターセンターの中に展示館も併設されています。 そこで知った話をちょっと技術っぽくなってしまいますが書いてみますと、 VLA(Very Large Array :超大型干渉電波望遠鏡群)というのはいくつものパラボラアンテナ を組み合わせることで、仮想的に大きなパラボラアンテナのように見せる仕組みだそうです。 これで、宇宙の遠い所の観測もできるという優れものです。 現にこの施設を使った研究で何人もノーベル賞を取っているような すばらしい施設です。
アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA
ビジターセンターにて。 Y字型をしたパラボラの 列の中心部にVLAのビジターセンターはあります 手前のパラボラは、実験施設ではなく、 見学者向けにパラボラの原理を説明するための もの。2人いれば、お互いパラボラの焦点に耳を あてて、小声でひそひそ話が出来ます。一人旅 なので、それもできず、ちょっと残念。 空を向くパラボラアンテナ。
このVLAのはY字型をしていて、それぞれの長さは21kmという途方もない大きさです。 その中は全く何もない大平原というから、アメリカでないと出来そうもない施設です。 (ちなみに、新宿に中心をおいたら、端点はそれぞれ、浦和、府中、浦安になります)

パラボラが動かせるようになっているのは、観測の目的に応じて位置を変えるためで、 近く明るいところを観測する場合など感度は不要だけど細かく見たい場合は密集させて、 遠く暗い宇宙を見る場合など、荒くてもいいから感度が必要な場合はパラボラを離しておく そうです。 なるほど。

ビジターセンターからは外に出られて、パラボラのすぐ近くまで歩いていけます。 大平原の中に立つパラボラアンテナは壮観。

アメリカ旅行記 VLA アメリカ旅行記 VLA
パラボラに近づいてみます。かなり大きいですね。 右側のパラボラ見えるでしょうか? 離れているように見えますが、これでも かなり密集体型だそうです。
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平野の中に林立するパラボラ。アメリカでないと なかなかこういう実験は出来ないですなー このスケール感はなかなか写真では伝わりづらい ですが、とにかくだだっぴろいです。

Socorro

VLAを後にして、US60をさらに東へと走らせます。 10kmぐらい続く下り坂を降りきると、ソコロ(Socorro)の街です。 ここでガソリン給油とコンビニで軽い昼飯を購入。隣で給油している おばちゃんに道を聞かれたけど、こちらも旅行者なのでなんとも 答えられず。

ソコロからはI-25でちょっと南下して、すぐにUS380に乗り換え Carrizozoを目指します。この辺り、かなり南に下ってきて おり日差しもかなり厳しくなってきています。 I-25を降りた直後、小さな川に「Rio Grande」 という標識がたっていて驚きましたが、まさに有名なリオグランデ川 。この川とは夕方、本場で再会することになります。

US380の南側は、広大なミサイル練習場(ホワイトサンズミサイルレンジ) で立ち入り禁止地帯です。ここの一角に "Trinity Site"という 世界初の原爆実験場があります。自国本土で原爆を爆発させたり、中距離ミサイルを 飛ばしてみたりと、その是非はともかくアメリカの広大さを感じさせます。 CarrizozoからはUS54に乗り換え ホワイトサンズミサイルレンジの東の縁に 沿って南下してきます。

アメリカ旅行記 ホワイトサンズ アメリカ旅行記 ホワイトサンズ アメリカ旅行記 ホワイトサンズ
ソコロの街のガソリンスタンド。 平原の中の風車。この向こう側がホワイトサンズミサイルレンジ。ちょうど トリニティサイト(広島原爆の事前実験場)があるあたりです。 ミサイルレンジの縁を南下しています。とにかく眩しい.. サングラスが無く、目がやられてきた頃です。

アラマゴード なんとかサングラスゲット

真っ昼間のニューメキシコのまぶしい太陽が容赦なく眼を痛めつけます。 なんとかサングラスが欲しい.. 一面真っ白なホワイトサンズをドライブする ためにはやっぱり無いと厳しそう。 この辺りには大きな街はなく、なかなかクリップオンのサングラス が見つからず苦しい思いをしていたのですが、 ホワイトサンズのゲートウエイシティ のアラマゴードにあるスーパーK でとうとう見つけました。 ほっと一息。

アラマゴード(Alamagordo) は近くのホロマン空軍基地のおかげで、 この付近ではかなり大きな街になっていました。ホロマン空軍基地は ステルス戦闘機F-117が配属されている基地で上空には三角形をしたF-117が 飛び回っていました。

ホワイトサンズ国定公園

さて、US-70に乗り換えてちょっと行くと、ホワイトサンズ国定公園の入り口です。 ようやく到着。午後2時着。 ビジターセンターで情報収集。

ビジターセンターは、アドビ作りのこじゃれた建物でした。 ここでちょっと情報収集。 時計を見ると、午後3時... 理解するまでに ちょっと時間がかかりましたが、そういえばアメリカ国内の時差をうっかり 忘れてました。3年前はしっかりと勉強していたのに
時差についてちょっとメモ
アメリカには4つの時間帯があります。ロサンゼルスとニューヨークでは3時間 時差があるという訳ですね
時間帯 代表的な州
太平洋標準時 カリフォルニア、ネバダ
山岳部標準時 アリゾナ、ニューメキシコ
中部標準時 テキサス
東部標準時 ニューヨーク


さて、ここでややこしくなるのが、サマータイム(デイライトセービングタイム)。 アメリカにはサマータイム制度があり、夏には1時間早くなり、今までの 午前6時が午前7時になるわけですが、
  • 「アリゾナ州はサマータイム制度に参加していない」
という例外があります。さらにアリゾナのグランドサークルにはネイティブインディアンの 居住地域「ナバホ自治区」がありますが
  • 「ナバホ自治区はサマータイム制度に参加している」」
なんていう2重の例外があります。グランドサークルをドライブする時はこのことに注意が必要です。 グランドサークルの旅行を計画される方はこの点ぜひ注意ください
時間帯 代表的な州
太平洋標準時 カリフォルニア、ネバダ、アリゾナ
山岳部標準時 アリゾナ(ナバホ自治区)、ニューメキシコ、テキサス(エルパソ)
中部標準時 テキサス
東部標準時 ニューヨーク

さて念願のホワイトサンズに入っていきます。 白い砂の成分は石膏だそうです。 白い砂丘は方向感覚を失いやすく、ガイドとなる杭が無いと自分のいる位置を 見失ってしまいそうになります。

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ビジターセンター。アドビ作りのきれいな建物 白い砂地ですが、植物も育っています 砂地にけなげに根を下ろしています
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白い土地に黄色い花が映えます 白い岩。 この岩から砂が出来たのでしょうかね? 白い道路。車でこんな所を走れます。
砂丘で水は無いはずですが、そんな中にも草木が生えています。 白い砂丘に咲く草木は見たこともないような幻想的な雰囲気。 車に戻りさらに奥に進むと、道路自体が白い砂になります。 車で砂丘の中を進めるのですね。もう一面真っ白。 この辺りはピクニックエリアになっていて、家族で砂遊びを している人たちが多かったです。

夜からは、レンジャー引率で、「夜の砂丘ツアー」があるのですが、 今日はもう少し先に行きたかったこともあり残念ながら引き返すことに します。
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ピクニックエリアです。家族づれで使っている 人も多かったです。 白い砂の正体。実体は硫酸カルシウム(CaSO4 2H2O) ここまで車で来れます
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ホワイトサンズの奥深くハイキングすると、このような 爆弾の残骸が落ちています。実験場ならでは...オソロシイ 雪山のような風景 雪山のような風景

次の目的地は... メキシコ!

結局、ホワイトサンズの滞在時間は1時間ほど。 今はもう4時過ぎ。今日も行き当たりばったりでモーテルに飛び込む 日。元々は、ホワイトサンズから100kmほど先の Las Cruces を今日の宿と考えていたのですが、 ふと、メキシコとの国境の街 エルパソが頭に 浮かびました。日本で計画してたときは行程的に 難しいと思ってはずして他のですが、ふと行ってみたく なりました。

この自由度が「きまま一人旅」の醍醐味。 思い立った2時間後には別の国に立っていられるかもと 想像するだけでわくわくしてきます。 とはいえ、エルパソの地図は持っていません。 まあ何とかなるでしょう。

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エルパソへGo- テキサスのシンボル「ローンスター」 工業都市らしい煙突。
US70をLas Crucesへ。 LasCruces でI-25,I-10と乗り換えて テキサス州に入ります。テキサスのシンボル、ローンスターマーク が見えてきます。以前、3ヶ月ほどテキサスに滞在したことがあり ちょっとだけ懐かしい気がします。 I-10をもう少し進むと、エルパソの街。 高い煙突と古くからありそうな工場が見えてきます。 工業の街なのですが、どことなくアメリカらしくない風景です。 さて、今日の目的は「歩いてメキシコに行くこと」。

エルパソ

どうやっていくかは知らないのですが、かつて会社の人から 「メキシコ国境手前に駐車場があるから、そこで止めて 徒歩でメキシコ入境できる」って聞いたことがあるだけ。 だいたい国境のゲートがどこにあるのかも分からないのですが、 そこは勘。国境はエルパソの中心部近くだろうと考え、車を 走らせていると、メキシコの地名が出てきました。

なかなかいい感じ... と車を進めていくと確かに国境ですが、 駐車場が無い。 おまけに看板に"You are now leaving the United States" とかかれている。手前にUターン出来るところがあったので、焦って迂回。 こんなに簡単に出られていいのか?

たぶん徒歩の橋はこの近くだろうと勘で走り回っているけれど だめ。 ちょっと気を抜くと、ハイウエイにのって遠くまで行って しまったりとよくない。 ガススタでメキシカンのお姉ちゃんに "徒歩でメキシコに行きたいんだけど。どこに行けばいい?"と 聞いてみるものの、"はぁ?普通に意味分からないんだけど?" 的な顔をされてちょっとむかつく。

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クリックして拡大して下さい。 "You are now leaving the United States"だそうです。 心の準備がまだ出来てません.. っていうか車で 国境を渡る度胸はまだ無いです リオグランデ川沿い。まるで刑務所の塀 国境です。注意書きいっぱい
夕日も落ちてきてそろそろ あきらめてモーテル探すかと思って下道を西に走っていたところ、 ちょうどダウンタウンを横切りました。もしかしたら、ここが国境? と思いメキシコ側に曲がったところ、民間駐車場を発見。その横には 徒歩でわたれる国境を発見。

国境の橋

もう夕日も沈みかけていたけど、駐車場に止めて国境を渡ることに しました。駐車場のおっちゃんが、自分の車でメキシコまで行かないか? と誘ってきてたけどまあ、どこにつれてかれるかも分からないので断ります。 さて、アメリカからメキシコへは、パスポートは不要。でも戻るときに ないと大変。一人旅でそんなことになったら目も当てられません。 パスポートは不要ですが、橋の通行料が行き、帰りでそれぞれ50セントほど 必要です。

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国境の橋から見る国境のリオグランデ川。 メキシコの国境の街 Ciudad Juarez 。 エルパソと明らかに作りが違います 酒場かな? テキーラダービー
早速橋を渡り始めます。 橋の中央、リオグランデ川の所に国境があります。 実際に国境になっているところを見るのは初めて。 橋を渡り終えると、そこはもうメキシコです。橋を一本渡っただけですが 明らかに雰囲気が違います。

日も落ちてきたので、滞在時間10分ほどでまたアメリカに戻りました。 アメリカを出るときはほとんどノーチェックですが、アメリカに戻るときは 空港並みの厳重なチェックがあります。特に車のチェックは念入りで 床下をミラーで見る念の入れよう。 駐車場に戻ると、さっきのおっちゃんが元気に挨拶してきます。さっきは ぶっきらぼうに断ってごめんよ。
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メキシコ。 タクシーの客引きがいっぱいいました メキシコ。 ホテルでしょうか。 メキシコ。 雑貨屋
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リオグランデ川の堤防の落書き。 "LAS VICTIMAS DEL CAPITAL EN LAS MAQUILADORAS ESTAN"ってどういう 意味でしょうか?アメリカの国境警備隊に殺された人たちでしょうか? ここが国境。

今日はモーテル6

さて、どっぷりと日も落ちたのですが、これから宿を探さなきゃなりません。 まあ、インターステート沿いにいけばモーテルがあるのは分かっているので まずはインターステートへの入り口を探してみます。 運良くI-10の入り口 はすぐに見つかり、ちょっとI-10を走るとすぐにモーテルは見つかります。 アメリカのモータリゼーション万歳 という感じです。

夕食は隣接するハンバーガーショップでハンバーガーとサラダ。ちゃんとした 野菜を食べたのは実は2日目のラスベガスのバフェ以来。もう食生活 むちゃくちゃですな。
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宿探し。夜のI-10 モーテル6にて。 隣のハンバーガー屋で買ってきたハンバーガーとサラダ
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