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五日目 ブライスキャニオン ザイオン ラスベガス (2002/8/6)


さて、今日はもともとの予定からはずしていたブライスキャニオンへも行くために4時半起きで5時出発。ずっと目覚ましは日本から持っていった携帯のアラーム。今日も「踊る大捜査線」で起床。今日の行程はこんな感じ。毎日寝る前に、通るハイウエイ番号程度はメモって置き、走行中はハンドルの近くに置いておきました。
しめて420マイルなり〜。これまでの中で一番長いな。(文字だけだとどう走っているか分かりづらいな。いい加減どこかでフリーで使える地図を探さなければ...)

ブライスキャニオンへの道(カナブ、レッドロックキャニオン)

ホテルをエクスプレスチェックアウト。出発は5時ジャスト。日の出は5:30ぐらいなので周囲はまだ真っ暗。インターステートだとこの時間もきっと長距離トラックが走っているんだろうけど、このUS-89は幹線ではないし対向車にもほとんど合わない。

途中のKanabまでは60マイルほど。のんきに夜明け前のUS Highwayを西に走ってゆく。

走り出してしばらく行くと徐々に空が明るくなる。右手にはきれいな山並が見える。

Pageを越えてKanabに向かうこの一帯は"Grand Staircase Escalante"っていう国定公園。「アメリカ最大で最も新しい国定公園」(by地球の歩き方)ってことだけはある。山並みに趣がある。登ったばかりの太陽が車を後ろから照らし、前方に長い影が出来る。そういや運転に夢中でこのあたりの写真撮ってない。

カナブへ続く道。"Road Gravel Speed Limit 45"(路面わるし 速度制限45マイル)と出た制限標識を素直に守りゆっくり走行。確かにちょっと道が悪くなっている。いつの間にか18輪トレーラーに抜かされる。知らないうちに速度制限が解除になっていたようだ。

一時間たった6時頃(ユタはサマータイム導入なので実際には7時。ややこしい)Kanab到着。Kanabは山に囲まれたこじんまりとしたきれいな街。グランドキャニオンノースリム、ザイオン、ブライスキャニオンなど人気の国立公園の中間地点にあるのでモーテルなどが充実。街並みは西部開拓時代の面影が残っている感じがした。またこのあたり廻る機会があれば泊まってみたいと思わせる街。

カナブからは北に進む。途中道路工事をしていてちょっと渋滞。工事現場にいたダンプカーは二両連結のトレーラー。かなり土砂を積めそう。数十トンと思われる砂利を満載した2両連結のダンプが上り坂を70マイル近くの速度であがってゆくのは圧巻。

工事現場を抜けると辺り一面森と草原になっていて目が休まる。今回は通過してしまったけど、時間のあるときにはこの辺りを散策してみたい。
しばらく進むとUT-12への入口。UT-12を東に行くと、”レッドロックキャニオン”というこれまた峡谷地帯があらわれる。ここもなかなか見栄えがある赤茶けた岩山。
なんとまあ、レッドロックキャニオンでは道路(UT-12)が岩山を突き抜けている。今ならあり得ないだろうけど昔は環境保護なんてことよりも道路通すことが優先だったんだろうな。

アメリカ旅行記/ カナブ(kanab)の朝焼け アメリカ旅行記/ UT-9
Kanabの街並み。まだ朝早く、人はあまりいません西部のたたずまい。 Kanabを越えUS-89の道沿いにある小さな街。この様な街があると、街の区間だけ速度規制が35マイル程度に落ちます。

レッドロックキャニオンを抜けてしばし行くと、ブライスキャニオン入口。Pageから3時間。時差があるのでここは9時。結構涼しい。標高も高く空が澄んでいるのが印象的。

ブライスキャニオン国立公園・ 林立するHooDoo(フードゥー)

ブライスキャニオンの入口では、ドイツ人の家族連れが写真を撮ろうとしている。

どこの国でも同じだが自分は写らずに父親がカメラマンになって家族の写真を撮っている。

なんだか健気に思えてシャッターを押してあげる。その代わりに私の写真も撮ってもらう。この旅は、そうやって自分の写真を撮ってもらったことが結構ある。



入口のビジターセンターでちょっと休憩。涼しくて気持ちがいい〜

ブライスキャニオンってなにが素晴らしいって、HooDoo(フードゥー)っていう石塔が林立している風景が素晴らしい。

針葉樹林ってあるけど、あの針葉樹がすべて岩で出来ているような風景その岩がHooDooという名の自然が作り出した石塔。

それぞれのHooDooは高いもので50mぐらいあり、光の当り方によってはとても神秘的な風景になる。ビューポイントの名前もサンライズポイントサンセットポイントなどと名付けられている。やっぱり、朝日と夕日が当る頃が一番フードゥーが映える時間なんでしょう。私がいったときもまだ日がそれ程昇っていない頃だったので低い太陽光線でHooDooの陰影がはっきりしていて結構きれいだったな。

まずは車でサンライズポイントへ。サンライズポイントからはフードゥーの下に降りるトレイルがあり、早速下ることに。
途中トレイルに上がってきたおじさんが

写真撮ってるのかい?それだったら是非下に行ったらいいよ。2つ岩のトンネル抜けるんだ。そしたらなあ、すっばらしい景色が広がってる

とこちらが聞いてもいないのに興奮してしゃべってくる。よっぽど素晴らしいんだろうな。(→うん。本当に素晴らしかった。)
ジグザグに下りながらフードゥーの下まで到着。朝の涼しい空気の中、高原(2600mほど)の澄んだ空気の中に広がるフードゥーの風景はすばらしい。


アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon)
ドイツ人のオヤジさんに撮ってもらった写真。公園の入口にて。 サンライズポイント付近。なんか人のようにも見えます。高さは10mほど Hoodoo3連発。結構高くて20mぐらいかな?
まるで仏教遺跡か、はたまた代々木や川崎のドコモのビルのようにも見えます

うーん空が青い。(PLフィルタは使っていません)
Inspiration Point付近。Hoodooが林立してます。

<Hoodoo やアメリカ国立公園によくある奇岩について>

ブライスキャニオンのフードゥーという石柱は不思議な形をしている。
ここの地層はグランドキャニオンなどよりも若くて、粘土質の堆積岩で出来ているそうな。元々岩が柔らかいところに水の力で表面が削られ、柔らかい部分がはぎ取られていくうちにこんな形になったんだとか。この地形はブライスキャニオン特有とのこと。
アメリカ全体の話になってしまうけれど、アメリカの国立公園はこのコロラド、アリゾナ、ユタのあたりに円状に集中している。このあたりは「グランドサークル(Grand Circle)」っていわれてアメリカの中でも有数の観光地帯になっているってわけ。そりゃ広大なアメリカでグランドキャニオン、モニュメントバレー、ブライスキャニオンなど集中的に国立公園を見て回れるからな。
グランドサークル内の国立公園はどれも峡谷であったり、ビュートのような岩山であったりと、自然による岩の彫刻であるわけだけど、これには理由があるらしい。
このグランドサークルがもともと海底で堆積岩が形成されていたところが6000万年ぐらい前に高く隆起したために、水で浸食されまくったためだとか。


<ブライスキャニオンのブライスって?>

アメリカの他の場所にもよくあるように、ブライスキャニオンの"ブライス(Bryce)"という名前は人の名前から来ている。このHooDooが林立する中に住居を構えたモルモン教の宣教師のブライスさんから来ているんだとか。
ビューポイントの一つであるブライスポイントがブライス夫妻が住んでいたところらしい

アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon) アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon)
なんか煙突のように見えます。 サンライズポイントとサンセットポイントの間 サンセットポイントのあたり。人と比べると大きさが分かるかも。左の溝の更に下から登ってきます

サンライズポイントから下に降り、フードゥーや杉の木の林の中を20分ほど歩くとサンセットポイントというもう一つのビューポイントの下にでる。

こちらの方がサンライズポイントよりも有名なようで、上側からかなり人が降りてくる。ジグザグの道を登りサンセットポイントへたどりつく。こちらもダイナミックな景観。
サンセットポイントからは園内シャトルバスでサンライズポイントの駐車場まで戻る。乗客は私だけだけど、バスの運転手さん親切で陽気。やっぱり国立公園のシャトルバスのドライバーはただのドライバーじゃないな。自分の所の国立公園を是非楽しんでいってもらうというホスピタリティにあふれている。何度書いたか分からないけど一人でレンタカー旅行していると、人との会話が非常に貴重なものになってくる。

さてと、次はインスピレーションポイントっていうビューポイントへ移動。ここはさらにフードゥーがたくさん林立している。”インスピレーションポイント”というだけあって、フードゥーがまるで何かの形のように見える。見方によっては針の山にも見えるし、人がたくさん並んでいるようにも見える。

月夜にインスピレーションポイントでフードゥーを眺める人もいるとか。ちょっと不気味だけど月明かりにぼんやりと浮かぶフードゥーってどんなように見えるんだろう?見てみたい気が。

インスピレーションポイントと隣のブライスポイント(宣教師夫婦が住居を構えていたところ)を見てブライスキャニオンを後にする。公園の一番奥まで10マイルほどあるんだけどそこまでいっていたらザイオンによって居る時間が無くなる。十分満喫できたのでザイオンへ。

アメリカ旅行記/ ブライスキャニオン(Bryce Canyon)

ザイオンへの道

ザイオン(Zion)へは、来た道をカナブ手前まで戻る経路。行きと同じように気持ちいい森の中の道。

途中、道路工事の渋滞で20分ほどはまりながらもザイオンへの東の入口へ。

ザイオン国立公園の東ゲートはザイオン本体(?)の入口からはかなり東にあるのだけど、もうここから素晴らしい景色が広がっているよ。
まずはチェッカーボードメサっていう岩山が目の前に現れる。名前の通り、チェッカーボード(碁盤の目)のようにえぐられている。もともと地層が幾重にも折り重なって横に溝が走っていたところに、雨の水が岩を垂直方向に削っていったためらしい。
このメサ(小高い山)だけでなく、切り立った赤い岩山が周囲にそびえたっている。ここは他のグランドサークルの国立公園よりも緑が多いのが印象的。チェッカーボードメサを過ぎても周りは起伏に富んだ岩山だらけ。「360度の大パノラマ」って陳腐かもしれないけどそんな言葉で形容してもよいぐらい。あー でもねえ、今この公園を開発したらこの様な道路を造れないだろうな。岩山を削って強引に道路作っているところもあるし。

ザイオン国立公園

このザイオン国立公園(Zion National Park)の本体(?)は数年前から車で本当の公園内には入れなくなっている。乗用車は入口近くのビジターセンターの駐車場に止めて、そこからシャトルバスで公園内を訪れるという方式。ついたのは午後2時(現地の時間では3時)。ザイオンビジターセンターの駐車場は満杯。ぐるぐる回りながらようやく遠いところに一台空きを見つける。最悪駐車場が一杯だったらちょっと離れた「ゲートウエイシティ」のSpringdale(スプリングデール)に止めなければならないらしい。

全米の国立公園では今後この様なシステムが一般的になって行くみたい。まあ、もともと駐車場が少ないところに数千台の車が押し寄せていて大渋滞で環境が悪化していたそうだからしょうがないのかな?

アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion) チェッカーボードメサ checkerboard mesa アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion) アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion)  ビジターセンター アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion)  2両連結のシャトルバス
"チェッカーボードメサ"。東入口のすぐそばにあります。表面が碁盤の目状にえぐれている岩山。 ビジターセンターへの道にある岩山。上にあるのは橋ではなく岩がアーチ状に削れている所。 ビジターセンター。 シャトルバス。2両連結です。天井が開いているので上側も見えます。両側に迫り来る岸壁を見物するのには好都合。

ザイオンはトレイルの一番奥は川になっていて、そこからNarrowsという川を歩くトレイルになっているのが特徴。

入口で半ズボンに着替えシャトルバスに乗車。満員なんだけどここでも運転手が陽気に話しかけてくる。

”どこから来たの?日本!よく来たねえ。このザイオンはね川の中を歩けるんだ。是非行ってみてごらん。とにかく素晴らしいんだから”

といろいろ。このドライバー、他の公園以上に物知りのドライバーでザイオンの地層や各岩山の名前や由来を細かく説明している。
アメリカの国立公園のシャトルバスドライバー、どこも素晴らしいけど、ここのドライバーが一番詳しかった。

川が曲がっているところはBig Bend っていう地名。日本語でいえば「大曲」か。秋田の方にそんなところがあったな。
Angels Landing っていう山もあるのか。日本語でいえば「天使が舞い降りる山」かあ。表現だと日本語の方がいいな。

さて、ザイオンの一番奥の停留所 "Temple of Sinawava" まで20分ほど。ここで降りる。"Temple of Sinawava" っていうのは、そこにある山のことで、地元インディアンの信仰の対象となっているらしい。山がTempleかあ...山岳信仰みたいなものなのか?

ここからトレイルを奥へ。途中鹿やリスが現れる。自然は豊かだねえ。きれいな清流と森に囲まれて、狩猟も禁止されているので、野生生物はずいぶんと多いんだろうな。

バージン川によって深く削られた谷底の道を歩いてゆく。途中崖崩れの跡がいくつか。大崩落は最近は起きていないし、毎日チェックしているとのことだからまあ安心。
この緑豊かな川沿いのトレイルを15分ほど歩くと道は無くなる。ここで陸地のトレイルは終了。

ここからがザイオン名物”The Narrows"。このバージン川をさかのぼってゆく。
周りの人は大抵サンダルはいてあるいている。本当は私もラスベガスかどこかでサンダルを調達する予定だったのだけど買いそびれてしまった。、しょうがなく素足で川を歩くことにする。リュックの後ろに靴をひもで結びつけ、川底のぬめりに気をつけながらゆっくりと上流へ歩いてゆく。首からは一眼レフカメラ、右手にデジカメ、背中にリュックをしょってそのリュックには靴が一足ぶらぶらという端から見たら怪しいであろう(?)格好で注意しながら歩いてゆく。この辺りの川底の石はぬめっているけどとがった石がないので特に問題はない(でもサンダル調達しておけば良かったな..)

アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion)  temple of sinawava 付近 アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion)  バージン川(The Narrows) アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion) Angels Landing アメリカ旅行記/ ザイオン(Zion)  野生のリス
Temple of Sinawava からNarrowsへ行くトレイル。水があるので木々が生い茂っています。鹿やリスが出てきます。 ザイオンの一番奥のトレイル"The Narrows"。バージン川をどんどんとさかのぼっていきます。ちなみに、このトレイルは終わりはありません。各人「もう十分!」と思ったところで引き返しです。 これがAngels Landing だったかな?下の木々とのコントラストが心地よいです。ちなみにこの山は鎖を使って山頂まで登れるそうです。結構有名なハイキング(?)コースだそうです。 リスもトレイルに出てきます。鹿もいます。絶対に餌をやってはいけないのに他の観光客がうれしそうに餌やってました。まずいなあ。ってそれ幸いと写した私もわるいんですけど...

そんなんで”The Narrows”を体験することはできた。今日の目的全部終了。ふー よく巡ったな。
川から上がりシャトルバスでビジターセンターへ。夕日に照らされるザイオンの山々はそれはきれいだったよ。ザイオンの岩山って、どことなく日本の風景に似ているところもあるんだよな。どこだっけかな?

ラスベガスへ!

さて、ザイオン国立公園の出発は5時半(現地時間6時半)。ここから今日の目的地ラスベガスへ直行。

さて、ラスベガスだ〜。US-9を経由し久々のインターステート。久々の75マイル制限。やっぱりインターステートは走りやすい。まあ単に高速移動するだけでほかのハイウエイよりもドライブの楽しみが少ないともいえるけど。オートクルーズ入れると本当に自動移動している感じ。

インターステートに入ってすぐに大峡谷の谷の中を走るようになる。まるでグランドキャニオンの谷底を走っているような感じだ。 途中のSt.George という街でガソリン補給と明日の朝食補給。地図上ではかなり大きな文字で書かれているのだが、こじんまりとしている。モーテルの多い町だ。インターステート沿いの街ってどこもこういう街作りかもな。メインストリートにはモーテルとガススタばっかり。
走り出して気が付く。あっウインドウォッシャー液が切れていたんだ。ガススタで買うの忘れた。インターステート走っていると結構汚れが付くのだけど水がないから汚れが取れない〜
でもこの先さっさとラスベガスへ行きたかったのでそのまま気にせずに走行。

今日は充実していたけれど明日は単なる移動日だからちょっと寂しいな。と思いながらラスベガスへ。110マイルってなかなかたどり着かないな。昨日のモニュメントバレーで一緒にツアーに参加して多おばちゃんが冗談で言っていた”Take me to LasVegas!" を一人で叫びながら暮れてゆくI-15を南へ。どんどんと辺りは暗くなってゆく。
あー夜間ドライブはさけようと思っていたのだけど、仕方なし。
周囲は大部分が18輪トレーラ。彼らは比較的ゆっくりめ(といってもほとんど75マイルだけど)に走っているので、夜のI-15を車線変更をばんばんしながら抜かして行く。暮れゆく平原のハイウエイでトレーラーを抜かしながらラスベガスへ。昔どこかで見た映画のようだよ本当に。あーこういうときは同乗者が欲しいな。あー真っ暗になってきたよ。土地勘が全くないところであんまりよくないなあ。

ちょうどこの辺りで400マイル突破。ずいぶんと走っているものだなあ。無理だと思ってたけど、一日に二つの国立公園を巡ることが出来たなあと感慨にふけりながら、ふとこの旅行の一番始めの計画を思い出す。そういえば旅行の一ヶ月ぐらい前に「夏のアメリカの広い道路を走りたいなあ。たとえば(名前しか聞いたこと無いけど)ネバダとかデスバレーとか」とふと思い立ったところからこの旅行を計画したんだったな。いろいろと情報を集めて行くうちに行程的、気候的にあきらめたけど。

でも真っ暗なI-15を走りながら、「でも明日デスバレー行きたい!っていうか行くっ!」ていう気持ちになってきた。今日のような行程で行けばもしかしたら行けるかも。そうなったらすぐにでも行程の見直ししたくなって早くホテルに着きたい気持ちになる。やっぱりレンタカーの一人旅って気楽でいいな。(しかし、本当に大丈夫なのか(^^ 今日よりもずっと距離があるぞ。この話は翌日)


ラスベガスについてよく聞いていたことの一つに、「砂漠の中に出来た街だから、夜遠くから見ると宝石箱のようだ」っていうことがあった。初日はまだ夕暮れだったのであまり分からなかったので今日に期待... ちょうどI-15Sでラスベガスに行くときは小高い丘の上からラスベガスを見下ろす格好になる。周囲は本当に真っ暗。
で、I-15がゆるやかにカーブをきって目の前の視界が開けたとたん....ひやー これがラスベガスか〜 本当に視界一面オレンジのまばゆいライトだ〜
って言葉では表現しづらいな...写真も撮ったけどさすがにぶれぶれだから見ても分かりづらいか。こればかりは実際に現地で見ないと分からないかもしれない。陳腐な言葉だけど砂漠の中の虚構の街ラスベガスの徹底した虚構さというか、アメリカの底力の大きさに打たれました。学生の時にこの経験していたらどこか人生観が変わっていたかも。予想していなかった分この旅行で一番印象に残った風景だな。日曜洋画劇場のオープニングだっけかな?「栄えているアメリカ」っていうのを誇張して表現するために、ビルの上からサーチライトがそらを照らしまわって、空には飛行機が飛び回って、街はネオンであふれているっていうアニメーションがあったけど、本当にそのものの風景。ギャンブラーを集めるための誘蛾灯ともいえるかも。
アメリカ旅行記/ I-15 から見るラスベガスの夜景(ぶれていますが)

さて、I-15をラスベガスのストリップ北側で降りる。本日の宿はこの旅最高の宿、ラスベガスの中でも最高のホテル”ベネチアン”(Venetian)。このベネチアンというホテルは男一人レンタカーの旅の野郎がとまるようなホテルじゃあなくて、「おしゃれに優雅にラスベガス満喫よっ」という女性グループ、「一生に一度の思い出っ。これからもよろしく」という 新婚旅行の人々がとまるホテル。世界の中でも豪華ホテルが集まっているラスベガスでも3本の指(ベラッジオ、シザーズパレス、ベネチアン)にはいる高級ホテル。全室スイートというホテル。さすがに一番安いグレードだけど。初日に泊らなかったのは休日料金だったから。まあ、安いっていっても180ドルもするところ。まあ一日ぐらいはこういう贅沢もいいかな。
あらら?なんか裏通りに回ってしまった。ちょっと治安の悪そうな所だけど大丈夫か? と不安になりながら不慣れなラスベガスの裏通りをぐるぐると回る。このとき役だったのがルクソールのピラミッドの頂上から空に向かって照らされているサーチライト。おかげで自分のいる場所を見失しなわずに済んだ。

ようやくストリップ(初日も書きましたが、ラスベガス大通りの通称。ストリップショーではない(^^))に乗れた。この時9時。ラスベガスが盛り上がる時間帯で、酔っぱらいも片側4〜5車線の大通りにでてきてあぶないっての。それにもまして、ベラッジオで名物の噴水ショーが始まったもんでさらに渋滞。でも渋滞のおかげで私も車の中から噴水ショーが楽しめたのはちょっとラッキー。この日はゆっくりとベラッジオの噴水ショーを見るつもりだったのだけど、まあいいか。(ここで路駐の車にぶつけそうになったのは内緒)
なんとかベネチアンに到着。駐車場の入口にはセキュリティがいるのか。初めてだぞ。まあ、単に怪しい人がいないかチェックするだけだったんだけど、よく分からなかったのでパスポートと予約証明のメールを印刷した紙をだした。逆に「????」っていう顔をされてしまった。でもその後、

あー日本から来たんですかい? わたしもねぇ5歳までは日本に住んでどっとたんですよ。なんていったかなあ..ああタチカワってところ。お客さんの住んでるところの近く?(口調は意訳)」

と親しげに声かけてくる。アメリカ人っておしゃべりするのが好きだねえ。

ようやく9:30ホテル到着。うわわわわ〜 このベネチアン、なんていう豪華なホテルなんだ。分かってて予約したんだけど想像以上だ。ルクソールとはちょっと訳が違う。 まさにルネッサンス
フロントも格式高そう..。. 混んでいて待つのかったるいなとおもったらフロントのおにいちゃんが明るく呼んでくれて別口でチェックインさせてくれた。この辺りの気配りはさすが一流ホテル。
でもなにやら時間がかかってる。いろんな所と電話しているし... 待つこと3分ほど。

「すみませんが予約していた部屋が全部埋まってしまっていたので、ピアッザスイート(Piazza Suite)に部屋を変更しました。もちろん我々の責任なので無料です。いい部屋なのできっと気に入って頂けると思います〜」

とのこと。あーこれがいわゆる「アップグレード」ってやつですね。いきなりカジノで儲けてしまったようなもの。なんでも一泊400ドルぐらいはする部屋だってこと。....

アメリカ旅行記/ LasVegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian)
ベネチアン本館。 ベネチアンのフロントの前。 ベネチアン自慢のショッピングモールです。ゴンドラが走っています。上の青空は絵です。周りは高級ブランドショッピング街です。ちなみに現在時間夜の11時

-> 部屋へ。 えーと 部屋は28階 28階..っと あらら? エレベータのボタンが28までしかない... ってことで実は一般客が泊まれる最上階でした。まあストリップ沿いじゃないから外の景色は派手じゃないけどさ。
普通のスイートの倍の広さだし。うわー こんな贅沢していいものだろうか。っていうか「無駄」(^^;

部屋の諸元
リビング ダイニング 寝室 バスルーム 便所 洗面所 テレビ 入口
20畳 10畳 12畳 10畳・ジャグジー 2つ 3つ 3つ 6畳
(サイズは適当)

入口だけで十分寝られるんだけど...

(実際はこうなっています やはり、ベネチアンで一番高級な部屋でした。)


「最初で最後(?) これがベネチアン最高級スイートだ〜」... (まさに小市民。)
アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian)
入口。トランクのサイズと比較してください 入口から中を見る。ダイニングがあります。 ダイニング。四人席。テーブルには立派なルームサービスのメニューが。 ダイニングから階段をおりてリビングへ。 リビングがまた広い。もう一つのソファーがこの写真の奥に隠れています
アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian) アメリカ旅行記/ Las Vegas ベネチアン(Venetian)
ダイニングの奥にベッドルームが。 天蓋付きのベッドです。大きな抱き枕つき。 風呂はジャグジーです。シャワーは当然別ブース。便所は別の部屋でした。

ベネチアンの2階はショッピングモール。このショッピングモールはお台場のビーナスフォートとおなじように天井に空が描いてある(ビーナスフォートとベネチアンどちらがオリジナルなんだろう?)。夜中なのにまるで昼間。本当に時間の感覚が狂う。ホテルの2階というのに運河があって、そこをベニスよろしくゴンドラが浮かんでいる。はっはっ(^^ さすがラスベガス。
外にでて街の見物。ベネチアンはラスベガスの中心フォーコーナーからはちょっと北にあるので、それほど簡単に散策とはいかないけど、でもやっぱり回りは派手だ。そんなこんなでもう11時。ちょっと飯をぱくつこうかと思っていたらホテルのレストラン、軽食屋ともに全部閉まってしまった。カジノフロアなど探せば何かあったんだろうけどもう疲れてきていたのでこの日はとうとう晩飯抜き。

というわけで今日の食事は、

早朝:コッペパン4個
牛乳1リットル
昼:水1リットル
夕方: マウンテンデューコードレッド500ml、水1リットル

はっはっはっ(^^;;; 一人だとどんどん食生活がみすぼらしくなるわ。このラスベガスで一二を争う豪華スイートに泊る人がこの食事かい。

このギャップにしばし一人で笑っている... ちょっとむなしい(^^;;;
本当は美味しいものも食べたいんだけどねえ...

さてさすがに疲れてきたけど、デスバレーへの行き方をしらないぞ。半分寝そうになる頭で必死にカリフォルニアの地図と格闘。デスバレー、デスバレーっっと。
とりあえず走行ルート確定。就寝1時。明日は5時起きだな。

って、この豪華な部屋に何時間滞在するんだ??? プールもやたら豪華だっていうじゃん。もったいない

疲れたのか逆に眠れず、この日は実は1時間ちょいしかねられていませんでした。うー 疲れとれない。

ってことで、翌日のデスバレー行きはちょっくら大変なことになってしまった。


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