アメリカ旅行記/レンタカーで走る真夏のアメリカ グランドサークル
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朝は6時起床。時差ぼけでつかれて起きれないかと思いきや、さわやかな目覚め。カーテンを開けると、向こうにはI-15が見える。ここはラスベガスの一番はずれだもんな。
早速Luxorのカジノフロアのバフェで朝食。昨日に引きつづき、同じ場所での食事。Luxorのバフェはおいしいし、レストランを探す手間が省ける。
普通バイキングの朝食といえば、パンにスクランブルエッグ、ウインナー程度だが、ここはやっぱり違う。シェフが常駐して本格的なオムレツやらパスタを目の前で作ってくれる。スモークサーモンとオムレツ、それにパンなどとどんどんと取ってゆく。コーヒーをウエイターにお願いするが、
「他に飲み物は?」
と聞く。なんとなくジュースも飲みたかったのでクランベリージュースも頼む。そういや、ケロッグも取っていたのでミルクも頼む。
食べながらさっきのクランベリージュースのお代わりも頼む。やはりとりすぎ..マナー違反ではあるが、さすがに食べられなくなったのでパンは残し、おわびに相場より多い2ドルのチップをおいてそそくさとバフェを出る。
うー やっぱり食べ過ぎた.. ここは街を散歩して腹をちょっと減らそう..
外は早朝のため昨夜とは違って、人通りもそれほどなく爽やかな街。ベラッジオまでホテル見物しながらストリップ沿いを歩く(あとから地図を見て驚いたのだが、ルクソール-ベラッジオって片道2キロもあるんですね)。夜見るのとは違った爽やかな健康的な風景が広がってる。
しばしストリップ沿いにホテル見物。ベラッジオはやっぱりきれい。この池で噴水ショーがあるのか。5日目に戻ってくる時には見に来るぞ〜。Parisはミニチュア凱旋門とエッフェル塔があってまるでテーマパーク。MGMグランドは朝っぱらから電飾がテカテカ。さすが眠らない街だな。てなかんじで朝のお散歩。
Luxorに戻りラスベガスをでる。 このとき午前9:00
今日の行程は、I-15Nでちょっと進み、その後US-93E(I-515)に乗りフーバーダムを通過、一気に南東方向へ砂漠の中を突き抜けキングマンへ。
ここからはI-40Eに乗り一気に100マイルほど東へ。ウイリアムズで降り、今度は北にAZ-64(アリゾナ64号線)でグランドキャニオン国立公園へ向かうというものです。(文字だと地理関係が分かりづらいですよね。書いていてもちょっとつらい... 無料でWEB使用が可能なアメリカ地図を現在探してます。)
さて出発。もう右側通行にも慣れて無事I-15に合流。すぐにUS-93Eだな〜 なかなか出てこないな〜 と思ってたら実はI-15とUS-93のジャンクションを見過ごしてちょっと先までいってしまいました。ジャンクションだから、”US-93 East"などと行き先が書いてあると思ってばかりいた。まさか”EXIT"と書いてあるとは... 次の出口で降り、U-ターンしてI-15Sへ。無料のインターステートだから行き過ぎてもダメージは少ない。
US-93の周囲はラスベガスを出てしばらくは平野ですが30マイルほど行くと赤茶けた岩山に変わってくる。しばらく進むと峡谷になり突然高圧線が。 さらに進むと峡谷の谷に大きな変電所がっ! ここが「フーバーダム」(Hoover Dam)。
峡谷の中に変電所がある風景はまさに「秘密基地」。ここをテロリストに壊されると大洪水がおき、電力、水道の供給が出来なくなり被害甚大。
世界貿易センターと一緒でフーバーダムって、歴史的な経緯からアメリカのシンボルの一つで、壊されると物理的なダメージとともに精神的にもダメージが大きいだろうな。そういうこともあってかダムの入口には検問がある。普通の乗用車は素通しだけど、大きめのトラックは荷台をチェックされている。爆弾を積んでいないかチェックしているのかな?
フーバーダム.... ルーズベルト大統領のニューディール政策のプロジェクトの一つですね。大恐慌から回復するために、ルーズベルトが湯水のように公共投資をしたとか。
でもこの大恐慌の原因を作ったのがルーズベルト大統領の前代で、フーバーダムの名前にもなっている当のフーバー大統領だそうな。恐慌の原因を作ったのに、ダムに名前を付けてもらえるとは幸せ者〜
建設開始は1931年でダム完成が1935年。70年近く前にこんなダムを造っているとは恐るべし。この大きなダムから造られる膨大な電力でラスベガスの街が砂漠の真ん中で煌々とネオンを光らせられるわけらしい。
フーバーダムはアリゾナとネバダの州境。 取水口が二つあり、一つはネバダ用、もう一つはアリゾナ用。それぞれの取水口には時計があり、アリゾナの時間(山岳標準時)、ネバダの時間(太平洋標準時)とそれぞれ別の時間を指してます(行ったときは、アリゾナ側の時計が壊れてた)。同じく国の中で時差があるのはさすがアメリカ。そういや、初めて陸地づたいで時差があるところを体験した
(って正確にはここでは時差無かったんですね。いやややこしい。つまりこういうこと。
ネバダ州はサマータイムを採用しているけど、アリゾナ州はサマータイムを採用してない。
時差としてはアリゾナの方が一時間進んでるけど、サマータイムでネバダの方だけ一時間進められるので、結果として夏の間は同じ時間。
いやややこしい。さらにややこしいことには、同じアリゾナでもモニュメントバレーがある「ナバホ居住区」というインディアンが住んでいる地域はサマータイムを導入しているのでこちらは周りから一時間進んでいます。アメリカでサマータイムを実施していないのは...って調べてみると、他にインディアナ州の東側とハワイ(あ、そうだったんだ)だそうな。うーん。やっぱりアメリカって州の自治意識が高いんですねえ。
さて、フーバーダムの上にある無料駐車場に車を止めてダムの見物。いや〜 かなり高さがあります。本当、よくこんなものを作ったなとあらためて関心。
あー日本でもこんなダムは山奥にあるんだろうけど、フーバーダム作ったのは70年前だからなあ。月並みながらこの当時のアメリカの工業力のレベルの高さに思いを巡らせました。ダムの外側をのぞくと、かなり高度差がありやっぱりちょっと足がすくむ。
ここですでに11時。いや〜すでに気温が上がっているので喉が渇く渇く。売店で700mlのゲータレードを買ったものの、車につくまでに飲み干してしまった。さあ、グランドキャニオンへ向かおうっと。
赤茶け荒野に突然高圧線の鉄塔が現れます。フーバーダムの直前。ちょっと行くと、検問所 | フーバーダムにさしかかるところ。鉄塔が斜め向いています。ダムの下からの電線を受けるためにこうなっている様子 | アリゾナ側のダムの取水口。同じものが向こう岸にもあります。 | ダム頂上から臨む川底。高所恐怖症の人には堪りません |
フーバーダムを越えるとそこからはアリゾナ。アリゾナは派手な太陽が州のマーク。派手。少しするとUS-93は片側2車線になり平原の中を延々とまっすぐにのびる道になる。
フーバーダムが大型車通行禁止なので、その延長のこの道は広いくせに乗用車しか走ってない。もうがら空き。気持ちいいドライブ。でも一人で走っていると、この様に延々と続く道を一人で走っているとちょっと寂しくなってきてしまい、ラジオをつけたり、走りながら写真を撮りまくったりする。これからの何日間大丈夫かな??
途中US-93から山側にのびる道を発見。「Arizona Information Center 4mile」と書いてあるので、ものの試しに入ってみる。
細い道を4マイルほど進むと、なにやらへんぴな村に到着。Chloride という街で、後から調べると、「西部開拓時代の鉱山(銀山)の街で、今はゴーストタウン」だそうな。うーん。そういえばあの寂れ具合がゴーストタウンなのか。人はそれなりに住んでいたけど、カカシや石を軒先で売ってたりと、街全体から漂う別世界に入ってしまったような雰囲気がちょっと気になったので引き返すことに。
いや、なんていうか生活感はないのにやけに老人や子供が外で遊んでいてなんとなく違和感があったんですね。Chlorideの人の名誉のためにも書いておくと、この町が危ないというわけではなく、別世界に入り込んでしまったような感じだったってことだけです。
この不思議な街をあとにしてふたたびUS-93をひたすら南東に。ちょっとすると、I-40との接続となるキングマン(Kingman)に到着。
どこまでも続く一直線の道。US-93。オートクルーズってこんな道のために発明されたんだな。
交通量も少なく、一人だとちょっと退屈です。US-93からChlorideへの分岐点。牛が寝ています。 Chloride の街。多分奥の山がむかしの銀山。
キングマンからグランドキャニオンへの入口の街ウイリアムズまではI-40をひたすら東に100マイルほど。一時間半の道のり。
この100マイルは周囲の植生が変化して行き走っていて飽きない。キングマンの周辺はUS-93と同じく赤茶けた土がむき出しになっているような荒野だけど、50マイルほど進むと徐々に草が生えてきて、セリグマン(Seligman)あたりにくると青々とした草原が広がる。さらに東に行きウイリアムズあたりになると鬱蒼とした森林地帯に変化。わずか100マイルでこの様な変化があるもんなんだなあ。この森林地帯は、グランドキャニオンまで続く。
ちょうど周囲の景色が緑に変わったあたりにあるセリグマンで給油をかねてちょっと休憩。なかなか雰囲気のよい街だった。むかしの国道ルート66も走っているし、大陸横断鉄道も走っているし。セリグマンで降りようと思ったのは思いつきだったけど、こういう発見があって、行き当たりばったりの旅っていうのもおもしろい。
セリグマンのガススタでも他の街と同じようにコンビニが併設してる。ペットボトルの水などを買うのはもちろんだけど、ここはおみやげも充実していたので、ルート66の地図やグランドキャニオンのキーホルダーなど購入。
標識が妙にアメリカチックだったので何枚か撮影。
<ルート66>
キングマンのあたり、I-40と平行して「下道」であるroute66 が走っています。1930年代に出来た昔のアメリカのハイウエイだそうで、シカゴからロサンゼルスまで2400マイル近く続いていた道とのこと。今はインターステートが出来て、現役ではなくなり、断片的に残っている状態になってしまっている道。しかし、この"ルート66"は古き良きアメリカの面影を残している道ということで、ツーリングに人気があるらしい。知らなかったけど、映画や音楽ででもルート66って題材になっているらしい。ちょうどI-40のKingman 〜Flagstaff あたりはまだ道としてちゃんと残っていて周囲のモーテルなどの街並みも往時を彷彿とさせるということで、人気のルートらしい。再びこの辺りを走ることがあれば今度はこっちのルートを走りたいな。.
I-40に再び合流し、グランドキャニオンへの分岐の街ウイリアムズへ。ウイリアムズはグランドキャニオンまで50マイルほど南にある街。「グランドキャニオン鉄道」という鉄道があり、グランドキャニオンまで昔ながらのSLで走ってる(って、汽車の発着所は見つけられませんでした..)
I-40 Kingman付近。このあたりはまだ、赤茶けた大地です。 | 50マイルほど東に行くと徐々に草木が増えてきます。周囲一面青々とした風景。砂漠を走ってきた目にはやさしい風景です。 | セリグマンの入口。I-40とルート66の分岐。長いルート66ですが、きちんとした道として残っているのはこの付近しかないそうです。 | ウイリアムズ。鉄道の終点。 グランドキャニオン鉄道かな? |
ウイリアムズからグランドキャニオン(サウスリム)へはAZ-64(アリゾナ64号線)を一気に北へ50マイル。高原の森林地帯を抜けてゆく。緩やかな起伏が続く気持ちのいい道だった。65マイルでグランドキャニオンまで一直線。
グランドキャニオンは峡谷の南と北にそれぞれ展望台があり、南側をサウスリム、北側をノースリムと呼んでいる。ロッジなどが整備されて栄えているのはサウスリムの方。ノースリムには確か一つしかホテルが無かったと書かれていた。ちなみにノースリムとサウスリムは直線だと4kmほどしか離れていないけど、グランドキャニオンを横断する道路はないので、車で向こうに行こうとすると220マイルもかかってしまう。
<アメリカの速度制限>
この道に限らないですが、アメリカの道って日本だと大抵40km制限になりそうな片側一車線の道でも人里離れると平気で65マイル(=105km)制限に設定されるので、走っていてストレスを感じません。ただし街が道沿いにある場合には段階的にその区間だけ35〜45マイルと速度が低くなります。「歩行者がいないならいくら速くてもいいじゃないか」という考え方なんだなきっと。リーズナブル。速度制限が厳しくなる場合には手前に"REDUCED SPEED AHEAD" という速度制限予告標識が出て、その後"SPEED LIMIT 55" "SPEED LIMIT 45" と段階的に制限速度が落ちてゆく。この標識と前後して、"CITY LIMIT"(ここから街) という日本では見かけない標識がある。街以外は思いっきり原野であるアメリカ西部ならではの標識かな。
AZ-64を走ること1時間。グランドキャニオン国立公園のゲートに到着。アメリカの国立公園はどこも入場料を徴収して公園の管理にあてている。どの国立公園も大抵10ドルの入場料(グランドキャニオンは特別に20ドル)。入場料には、全米の全ての国立公園一年間入場可能のチケット(National Park Pass) もあり、こちらは50ドル。グランドキャニオン含めて4カ所以上の公園を訪れるのであれば得ですね。他にも国立公園を巡る予定があったので、こちらを購入。
ゲートから森の中をしばし行くと速度制限が15マイルとやたら低速に設定されている。おまけに速度取り締まり用のレーダーが設置され自車の速度がでっかく表示しています。なかなか15マイル以下で走行するのもむづかしい。でっかく「17mile/h」って表示されるといやでも速度を落とさざるをえない。
実はここがグランドキャニオンの展望台の一つマーサーポイント。早速この展望台に車を止め、初めてのグランドキャニオンを見物。 ちょっとガスっていたけど、峡谷が一望できた。コロラド川は遙か下を通ってる。昔から写真やテレビで見たとおりの風景。無事ここまで来れたか。
ここは世界的に見ても有名な観光地のため日本人が非常に多かったのが印象的。「アメリカの大自然」というテーマで旅行を計画すれば必ず入る場所だしな。
ちなみに、グランドキャニオンはこの様になっています。
グランドキャニオンにつづくアリゾナ64号線。対面交通ですが、65マイル制限。快適。 | これが「National Park Pass」の内容物一式。真ん中下のカードが入場パス。地図やステッカーなども一緒についています。お得。 | グランドキャニオンにたどり着いた最初の一枚。マーサポイントかな?。 ここまで無事に到着。 |
今晩の宿 Maswik Lodge. Maswik Lodgeってあまりいい宿じゃないけど、国立公園内だしな。贅沢いってられない。寝る分には問題ないし |
ホテルにチェックインしたのは午後5時。ちょっと休んで夕日を見に出発。
夕日は、峡谷西側の「ホピポイント」で見るのがきれいとのことで、ここへ移動。グランドキャニオンの公園内は無料のシャトルバスが頻繁に出ているので、このバスを利用。
このバスのドライバーが単なるドライバーではなく観光ガイドも兼ねている。やけに陽気なガイドで乗客は大爆笑していたけど、うーん。ちょっと分からなかった。グランドキャニオンに絡めたおもしろいジョークを連発してたんだろう。ホピポイントについたのは日没(7:30)の一時間前。最初、人は少なかったけど日没直前になると、柵の周りは人だらけに。私は三脚たてて一眼レフでも撮影していたのでちょっと顰蹙だったかな...?
「グランドキャニオンは太陽が上に来ている間はのっぺりとして立体感が無いけど、朝晩は太陽が斜めから差して峡谷の陰影がでてきれい」と言われているけど、その通り。奇岩の影が後ろの岩山に映り不思議な陰影を見せている。
今晩の宿は、国立公園内にある「Maswik Lodge」。国立公園内の宿は取りづらいとの情報がガイドブックに書かれているけどインターネットの予約サイトを出発3週間にアクセスしたら、なんのことない。Maswik Lodge とYabapai Lodge が空いていた。Maswik Lodgeの方が中心部に近かったのでMaswik Lodgeを2泊分予約しておきました。
この宿は、ロッジ形式で部屋の中もそれほどきれいではないですがまあいいか... ともいかない。何しろ冷房が効かない上に、部屋全体がやけに暑い。洗面所の床が異様に暖かく、冷水の蛇口をひねると最初熱湯で20秒ほどして冷水になる。どうやら熱源が床下にある模様。幸い外は涼しいので、窓を開けて過ごすことに。そういや、夜シャワーを浴びようとしたらどうしても水が出てこない。いろいろやってもだめ。しょうがないので夜11時を回っていたけどフロントに電話して係員に来てもらう。しばらくたっても来ないのでクレームの電話を。うーん。英語で抗議するなんて初めてだ。やれば出来るなあ(^^;
ちょっとして係員がきて説明。蛇口を回す前に手前に一旦強く引けばいいのか....「押してもだめなら引いてみな」ってやつですね。すいませ〜ん(はづかしい)
グランドキャニオンのロッジやホテルは一つの運営会社がまとめて経営していて(アメリカの国立公園はどこも政府から委託を受けた民間会社が経営しているとのこと)どのロッジのレストランででも食べられるのですが手頃なところでMaswik Lodgeのカフェテリアに。うーんあまり美味しくない。Maswik Lodge って読みはマズイックなんですが、思わず名前の通りだとくだらんオヤジギャグを思いついてしまいました。
翌日はグランドキャニオンに昇る朝日を見るために4時起き。さっさと寝なければ。
夕日のホピポイント | 夕日のホピポイント。全ての山々に名前がついています。 | 夕日見物の人がたくさんいます | グランドキャニオンの地平線に今沈もうとしている夕日 |
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