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裏町スタジアム:俗称裏町。中ノ町にそって、南町とは逆の川側を東西に走るひっそりとした通りである。米倉が多かったので、近郊からの年貢米が届く秋を除いては人通りも殆どなかった。ふさわしい俗称だが、「浜の町(ハマンチョ)」と云うれっきとした名称もあった。町内にはこんな所が幾つかあって、神社の境内と共に道路は子供達にとっては格好の遊び場でもあった。野球好きの仲間が集ると石と電柱をベースに決めて、忽ち三角ベースのスタジアムとなった。両側の壁に当るとファール。いきおいヒットはセンターの前丈というわけである。用具が揃うと野球、皆に行き渡らないとピーターを楽しんだ。結構裏町ファインプレーが生まれたりしてうまくなったものが沢山いた。
 塩田の義一つぁん、村井、山田の寛さんも裏町の名選手達だった。たまに大きなフライを打つと四、五軒先の家の中まで飛び込むことがあったが、大した小言も云われない良い時代だった。
 武田の達ちゃんがこの辺の倉をうまく版画にほったのを見て感心した想い出もある。
(この通りの西の方、「オイベッサン」と三木の精米所の向う側に「楠長」と云う仕出し家があって多度津としてはピカ一の料理を作っていた。)




 
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