7.5 二次元スペクトル解析

7.5 二次元スペクトル解析
7.5.1 はじめに
 ランニングスペクトラムは,経過時間軸にそってスペクトラムを疑似立体的に表示したもので,スペクトルの時間変動の様子を見るのに適しています.しかし,この図からピークスペクトルの発生した時刻や振動数を正確に読みとるのは困難です.そこで,経過時間と振動数を座標軸に取り,スペクトルの大きさを色分けして二次元的にスペクトルを表示すれば,時刻や振動数を正確に読みとることができるようになります.
 このように,座標軸に経過時間と振動数を取って,スペクトルの大きさを色分けで示したものを二次元スペクトラムと呼びます.二次元スペクトラムも,ランニングスペクトラムの一種ですから,操作手順はランニングスペクトラムの場合に類似しています.

7.5.2 使い方
 解析チャンネルを選択し,「Run」ボタンをクリックすれば,「ランニングスペクトラム」のスピードボタンが有効になります.

 その隣の「2D」にチェックを入れ,「ランニングスペクトラム」のスピードボタンをクリックすれば,下の「2D Spectrum Plot」ウインドウが開き,自動的に二次元スペクトラムを表示します.

「Run」ボタンでスペクトルの計算を開始し,最大経過時間に達すれば表示を停止します.また,
「Stop」ボタンをクリックすればどの位置でもで中止することができます.

二次元スペクトラムの表示設定は周辺のパラメータ設定用のボックスを使用します.

(1)振動数範囲の設定
 横軸に取られる振動数範囲を設定する.下限振動数は0でなくてもよい.


           ↑     ↑     ↑
         下限振動数 分割数  上限振動数
振動数軸の最大値および最小値を設定し「Set」ボタンをクリックします.

(2)経過時間最大時間の設定
 縦軸に取られる経過時間の最大時間を設定します.
 時間軸の最大値をMaxに設定し,「Set」ボタンをクリックします.

 
 
 
←最大時間
 
←分割数
 

(3)カラースケールの設定
カラースケールは,最小値0と設定した最大値の間で連続的な色変化として表されます.
     
     ↑                           ↑
    最小値(常に0)                    最大値

           ↑       ↑         ↑
          自動設定   分割数      最大値

「Auto」にチェックを入れて実行すると,最初のt=0に対するスペクトルの最大値をカラースケールの最大値として表示します.時間経過に従って,この最大値を越える値になった場合は範囲外で黒点で表示されます.
最大値を手動で設定する場合は,「Auto」のチェックをはずして「Set」ボタンをクリックします.

(4)分割数 Grid
 上記の各種設定に用意されているアップダウンボタンは,座標軸の目盛りに適切な数値を与えるための分割数を表しており,このボタンをクリックれば,設定値がグラフ上に反映されます.
 エディットボックスの数値を設定した場合は,必ず「Set」ボタンをクリックしなければなりません.

(5)クロスカーソル
 二次元スペクトラム上でマウスをクリックしてドラッグすれば,クロスカーソルが表示され,カーソル交点の振動数と経過時間が表示されます.


(6)その他のボタン

←スペクトラム書式を変更したときクリックする
← 開始点データを先頭に戻す
← 解析を開始する(「Running Spectrum」の「Run」に同じ)
← 解析を中止する(「Running Spectrum」の「Stop」に同じ)
← 二次元スペクトラムをPNGファイルとして保存する
← 二次元スペクトラムをクリップボードにコピーする