順列の導入時に行うあるゲーム

 ある教科書では、以下のような出だしで順列の説明に入っています。

      順列   

   5人の人が1列に並ぶとき、並び方は何通りあるだろうか。

   1番目に並ぶ人の決め方は5通り、そのいずれの場合についても2番目

   に並ぶ人の決め方は4通り、・・・と考えていくと、積の法則により、

    5・4・3・2・1=120(通り) である。

  この、「5人が1列に並ぶ」という部分を膨らませて行った教材を紹介したいと思います。まず、以下のような「おはなし」をプリントして渡し、説明しま す。この話は私がだいぶ前に聞いたものなので、ちょっと忘れてしまった部分もあり、私なりに適当にアレンジしたものです。                  

  リリィさんとマイケル君

☆1☆ 

 昔々のお話です。ある村にリリィさんとマイケル君がいました。2人は結婚の約束をしていました。リリィさんの家からマイケル君の家まではかなりの距離があり、行くのは大変です。でも、リリィさんはマイケル君を愛しているゆえ、千里の道も遠しとせず、毎日のようにマイケル君の家に通っていました。

☆2☆

 ある日、村に突然大雨が襲い、その雨が1ヶ月も続きました。この雨により、リリィさんとマイケル君の家の間に、大きな川ができてしまいました。この川があるために、リリィさんはマイケル君の家にいくことができません。リリィさんは途方に暮れてしまいました。

☆3☆

 くる日もくる日も川を眺めてはため息をついていたリリィさんでしたが、マイケル君に逢いたいという気持ちが日に日に募り、なんともしがたくなりました。そこで、リリィさんは、近所にいる大変物知りで手先の器用な木こりのビリィ君の家を訪ねることにしました。

☆4☆

 リリィさんは、ビリィ君に川を渡ることができる舟をつくってほしいと頼みました。ビリィ君はよしわかったと、りっぱな舟をつくってくれました。さて、舟はできたものの川は大変急流であり、リリィさん1人ではとても渡ることなどできません。そこで、ビリィ君に一緒に舟をこいでくれないかと頼みました。しかし、ビリィ君は、「こんな急流じゃあ誰も舟を漕ぐことなんかできやしない。俺だって死にたくない」といいました。リリィさんはそれを聞いてショックで涙を流しました。それを見ていたビリィ君はしばらく考えた後、「よしわかった。俺は舟は漕げないが、隣村のサイモンならできるはずだ。やつは命知らずの冒険野郎なんだ。彼を紹介しよう」といい、彼をリリィさんに紹介しました。

☆5☆

 リリィさんは、サイモン君に会いに行きました。サイモン君は、「いってやってもいいけれど命がけだぜ。俺だって命は惜しい。タダってわけにはいかねえぜ」といいました。リリィさんはお金はいくらでも出すといいましたが、サイモン君は結局このようにいいました。「ようしわかった。舟を出そう。ただし条件がある。金はいらねえ。そのかわり、俺と一夜をともにしてくれ。何、煮て食おうってんじゃあねえ。一晩だけ俺と一緒ならそれでいいんだ。そのことはだれにもしゃべらねえ。今俺は寂しいんだ」リリィさんは悩みました。悩みに悩んだ末自分はマイケル君に逢いたい気持ちを抑えきれず、サイモン君と一夜をともにする決心をしました。

(続く)

 

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