物理量保存則と不確定性原理

物理量保存則は、ある物理量について、個々には変化しても、
全体の合計値は変化しないという法則である。
保存する物理量には次のものがある。
  ・質量+エネルギー
  ・運動量
  ・角運動量(スピン)
  ・電荷
  ・色荷
  ・レプトン数
  ・クォーク数
詳しくは、「物理量の保存則」のページで説明した。

不確定性原理は、以下の2つの値について同時には決められない、
不確定さが出るというものである。
・位置と運動量は同時に決められない。
  ・位置の不確定さ × 運動量の不確定さ ≧ h/4π
  ・位置を確定しようとすると、運動量の不確定さが大きくなる。
  ・運動量を確定しようとすると、位置の不確定さが大きくなる。
・エネルギーと時間は同時に決められない。
  ・エネルギの不確定さ × 時間の不確定さ ≧ h/4π
  ・エネルギーを確定しようとすると、時間の不確定さが大きくなる。
  ・時間を確定しようとすると、エネルギーの不確定さが大きくなる。
hはプランク定数といって、値は6.6×10^-34 J∙s である。

hの値の意味は次の3つになる。
・不確かさの単位
  上記で説明したとおり、これ以上細かい精度の観測ができない。
・物理量の最低単位
  物理量が、これ以下の細かい値をとる場合、0になる。
  たとえば、振動数νの光のエネルギーの最低量はhνである。
・保存則を破ってもいい上限
  不確かさの範囲であれば、保存則を破って物理量が発生できる。
  たとえば、時間tの範囲であれば、h/tのエネルギーが
  発生し、消滅することが可能である。
  tの値が小さければ小さいほど、大きなエネルギーが発生する。

保存則と光速の有限性を保つため、不確定性は必要になる。
有る場所の物理量が高くなったとき、保存則を保つため、
別の場所の物理量が低くなる。
しかし、場所が離れているので、伝わるのに時間がかかる。
光速を超えて伝えることができないからである。
だから、一時的に保存則が崩れざるを得ない。
崩れが許される範囲がhである。
そうでなければ、物事の変化が起こらなくなる。

自然は無変化を嫌う。光速の有限性と不確定性が変化を規定する。
変化はhcであらわされる。

波の干渉によって、一時的に波が消えるが、
エネルギーが消滅したように見えるのは一瞬。
1波長の時間だけエネルギーが消えるのが許される。
仮想粒子の発生時間は、仮想粒子が現れる時間というより、
変化が消える時間、物質波の1波長の時間と一致する。

素粒子の重なりについて。
力の粒子の重なりが許されるのは、常に移動する波だから。
波の干渉により、一瞬エネルギーが消滅しても、
一時的なものだから、t = h / E の式に表される時間許される。
物質の粒子の重なりが許されないのは、常在波だから。
波の干渉により、エネルギーの消滅が固定化され、
エネルギーの保存の法則がこれを許さない。

hこそが運動の源泉である。運動から時間が生じる。
時間が光速の値を決める。
hがつくる揺らぎこそが、空間をゆがめ重力を生む。
cによって時間と空間がつながっている。
時間と空間を同じ尺度で測れる。

素粒子が粒と波の両方の性質を持つことについて。
素粒子は発生時と消滅時は点、その間は波として広がっている。
点になったとき粒として認識される。
観測すると消滅するので、粒として観測される。
他の粒子と相互作用したときは、変化するが、
これは消滅後に発生したと考える。
なので、相互作用時には粒として認識される。
素粒子は波の状態と粒の状態を行ったり来たりする。

量子もつれは、2つの粒子が混ざって波になり、
消滅時に正反対の場所で、正反対の状態で粒になる
という現象である。波の状態では2つは一体である。
粒になっても一体であることには変わりはない。

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