恩恵

再生した人間再生しつつある者

 

 

 

ルイザ・ピッカレータ/被造界の中の神の王国/4巻P108

 

 霊魂が私の恩恵を所有しているかどうかを知るための最初のしるしは、自分の外側に見たり聞いたりすることと、神に所属することのすべてについて、どんな人間的または地上的な感情にも比べられない、まったく神的な甘美さと穏やかさを内的に感じることである。そのとき霊魂は、息子の息づかいと声から、彼の中に慈愛の感情の発散を認める一人の母親のように、大喜びする。または二人の親友のように、共に会話を交わしながら、互いに同じ感情、同じ傾向、喜び、悲しみを感じ合い、相手の中に刻印された自分自身の事を見いだすので、お互いに離れることができないほどの楽しみ、喜び、愛を感じるのである。

 霊魂の中に占めている内的恩恵もこのように、自分自身の慈愛の感情が産まれるのを外的に見るか、または自分の本質を形成する事柄の中に自分自身を認めるので、その霊魂と共に恩恵自身を表示して、魂のうちに説明できないほどの喜びと甘美さを感じる。

 恩恵を所有している霊魂の第二のしるしは、この霊魂が話すとき、それは平和で、他の人たちにも平和を呼び覚ます、という徳をもっていることである。ところが同じことを、恩恵をもっていない霊魂が話しても、何の結果も、どのような平和ももたらすことがない。一方恩恵をもっている人が話すとき、それは素晴らしいことを行い、霊魂たちに平和を取り戻してあげる。さらに、娘よ、恩恵は霊魂すべてのことから離脱させ、人間性は、ただそれに包まれているためのヴェールとなるだけで、このヴェールがはがされると、恩恵を有しているこの霊魂のうちに天国を見つけることができる。もしこの霊魂のうちに本当の謙遜、本当の従順などを見いだしたとしても、驚くことはない。自分自身のものといえば、単なるヴェールしか残っておらず、その内部にはっきりと、全ての徳を秩序正しくととのえて行動し、この霊魂が絶え間なく神のために身構えて留まることができる恩恵の全てがあることを、はっきりと見させてくれるからである。