リンボ(古聖所)

低地煉獄

 

 

エゼキエル37・11−14

主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。

 

 

マタイ27・50−53

 

しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起り、岩が裂け、墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。そして、イエスの復活の後、墓から出て来て、聖なる都に入り、多くの人々に現れた。

 

 

天界の秘義6858

 

主が世に来られる以前では、霊的な者たちがその後挙げられたところの天界のかの領域をことごとく悪い魔鬼と霊とが占めていたのである。なぜなら主が来られる以前にはそうした多くの者は自由に徘徊して善良な者たちを、特に低地にいる霊的な者たちに取り憑いてこれを悩ませたが、しかし主が来られた後は彼らは凡てその地獄に突き落とされて、その領域は解放され、霊的な教会に属した者たちに嗣業として与えられたのである。

 

 

 

マリア・ワルトルタ/聖母マリアの詩下P37

 

(ヘロデによる虐殺で、妻子を殺されたエリヤが主にこう質問します。)

「では、私の子供たちはどうなりますか」

「エリヤ、おまえの子供たちは天使と同じです。子供たちは救い主が冠を授けられるとき“栄唱”を何度も歌う」

「王の冠ですか」

「いえ、贖い主の冠です。義人と聖人たちとの行列の前を殉教者の幼な子たちの血に染まった白い軍団が行く。そしてリンボの門が開かれ、一緒に死ぬことのない王国へ昇ります。やがておまえたちが来て、父と母と子供たちとまた会えます。このことを固く信じよ」

「はい、主よ」

 

 

マリア・ワルトルタ/イエズスに出会った人々2/P167

 

マルジアムは、幼な子イエズスを見た、あの羊飼いたちに強く関心を寄せ、マリアが快く辛抱強く、様々な質問に一つ一つ答える。

「でも、どうしてあの人たちが罰せられたのですか。いつも良いことだけしていたのに!」

子供は、その人たちに降りかかった災いの話を聞いて、合点がいかないらしい。

「いろいろと間違いを犯した人間が、その災いの責任を罪のない人になすりつけるのはよくあることだからよ。でもね、あの羊飼いたちはとっても心の善い人たちで、ゆるすことを知ったから、イエズスにたいへん愛されているわ。いつでも、ゆるすということを知らなければいけないわ」

 

「でも、殺された子供たちは、どうやってヘロデをゆるせたの?」

「あの子たちは、小さな殉教者なの、マルジアム。そして、殉教者は聖人だわ。あの殉教者は自分を殺した人をゆるすだけでなく、天の国の門を開いてくれるから愛しているのよ」

「じゃ、あの子たちは天国にいるの?」

 

「いいえ、今のところ、そうではありません。でもリンボで太祖や義人たちの喜びになっています」

「どうして?」

「あの子たちが血まみれの霊魂でリンボに着いたとき“私たちは救い主キリストの到来を告げるものです。待ち焦がれているあなたちよ、喜びなさい。キリストはもう地上におられます”というよい便りを持って行ったので、皆から愛されているわ」

 

 

 

アグレダのマリア/神の都市/P208

 

 主は御聖体と聖血を拝領し、永遠の御父を讃え、人間の救いのための犠牲として秘蹟にこもる御自身を捧げました。残っているパンの切れ端を大天使ガブリエルに渡し、御母の所に持って行かせました。大天使に大勢の天使が随行しました。御母は涙を流し、御聖体を恭しく拝領しました。その後で主はパンを使徒たちに手渡し、分け、配るように命じました。使徒たちも涙ながらに御聖体を拝領しました。使徒たちは司祭の権限を与えられ、聖なる教会の創立者となり、他の誰にもまして優先権を与えられたのです。主イエズス・キリストの御命令により、聖ぺトロは御聖体とエノクとエリアに授けました。二人は大喜びして、将来、天国に入り、主なる神に御目にかかることを世の終わりまで待つよう改めて決意しました。心からいと高き御方に感謝した後、天使たちにより二人の住居である古聖所に連れ戻されました。