呼吸

 

最古代教会黄金時代

 

 

1.スウェーデンボルグ

2.ヴァッスーラ

 

 

 

 

1.スウェーデンボルグ

 

 

天界の秘義1120

 

へそから胸の内的領域に向って行われていたところの最古代教会の人間の内なる呼吸は、時の経過につれ、または彼らの子孫になると、変化し、更に背後の領域の方へまた腹部の方へ後退し、かくて外の方へ、また下の方へと更に後退し、ついには洪水の直前に存在したところの、その教会の最後の子孫になると、内なる呼吸は何一つ殆ど残らなくなったのである。そしてついにそれが胸の中に全く残らなくなった時、彼らは自ずから窒息してしまったが、しかし若干の者の中には、その時外なる呼吸が始まり、その呼吸とともに発音される音声が、すなわち話される言葉の言語が始まったのである。かくて洪水以前の人間のもとでは呼吸はその者らの愛と信仰の状態に順応したが、ついに愛がなくなり、信仰がなくなって誤謬の信念のみが生じた時、内なる呼吸は停止し、それとともに、天使との直接的な交流と認識も停止したのである。

 

 

 

天界の秘義1119

 

最古代人の内なる呼吸がいかようにして一種の外なる呼吸へ静かに流れ入り、かくて無声の言葉へ流れ入り、その言葉が他の者の内的な人により認められるかが、そのありのままに私に示された。彼らはこの呼吸は主に対する自分たちの愛と信仰との状態に応じて、自分たちのもとでは変化していると言った。彼らはまたその理由として以下のように言ったのである、それは自分たちは天界と交流しているため、それ以外のものはあり得ないのである、なぜなら自分たちは自分たちの交わっている天使たちと共に呼吸しているからである、と。天使たちは内なる呼吸に相応している呼吸を持っており、それも同じように彼らのもとでは変化しているのである。なぜなら主に対する愛と信仰とに相反したものが何か彼らに起ると彼らの呼吸は抑えられるが、しかし彼らが愛と信仰の幸福の中にいる時は、その呼吸が自由で満ち足りているからである。人間各々の者にもまたこれに似たものが在るが、しかしそれは彼の形体的な世的な愛にまた彼の主義に順応している。何かがこうしたものに対立するとき、呼吸は抑えつけられるが、そうしたものが支持されると、呼吸は自由で満ち足りるのである。しかしながらこれらは外なる呼吸の変化である。しかし天使たちの呼吸については主の神的慈悲の下に今後述べよう。

 

 

 

天界の秘義3892

 

 私は、天的な人間であって、他の凡ての人間にもまさって主に対する愛の中にいた最古代の人々により以下のように告げられた、即ち、彼らはその子孫が持っていたような外なる呼吸は持たないで、内なる呼吸を持っていたが、しかし彼らは天使たちとともに呼吸したのであり、天的な愛のうちにいたため、天使たちと交わったのである。私はさらに彼らの呼吸の状態は全く彼らの愛の状態と愛から派生してくる信仰の状態に順応していたことを知らされたのである(この主題については前に述べられたことを参照されたい、608、805、1118−1120番)。

 

 

 

天界の秘義3893

 

天使たちの合唱隊

 

歌うことは肺臓の務め

 

わたしはさらに、非自発的な[無意識の]呼吸の務めを任じられている者たちは自発的な意識的な呼吸の務めを任じられている者たちからは明確に区別されていることを教えられ、また非自発的な呼吸の務めを任じられている者たちは人間が眠っている間その者のもとにいると話された、なぜなら人間は眠ると直ぐに、その呼吸の自発性は停止してしまって、かれは非自発的な呼吸を受けるからである。

 

 

 

天界の秘義3894

 

 前に以下のことを言っておいた、即ち、天使たちと霊たちの呼吸は彼らの愛の状態とそこから派生してくる信仰の状態に全く順応しているのである(3892番)。そこから一つの社会は他の社会と同じようには呼吸はしないのであり、自己への愛と世への愛の中におり、そのことにより誤ったものの中にいる悪い者らは善い者と共になって住むことは出来ないで、彼らに近づくと、呼吸が出来ないで、いわば彼ら自身には窒息してしまうかのように思われ、その結果地獄へまでも半死半生の者のようになって、または石のようになって落ち込んでしまい、そこへ落ちると、再び呼吸を受けるが、それは彼らがそこにいる者らと共通して持っているものである。このことから私たちは、悪と誤謬の中にいる者らは巨大人の中に、または天界の中にいることは出来ないことを認めることが出来るのである、なぜなら彼らはそこに近づくと、その呼吸は停止しはじめ、その観察と思考もまたことごとく停止し、同じように悪いことを行い、誤ったことを説きつけようとするその努力もことごとく停止し、その努力と共に彼らの活動と生命の運動もことごとく消滅し、かくて彼らは自分自身をそこから真逆様に投げ下ろさないわけにはいかないのである。

 

 

 

天界の秘義3895[2]

 

 人間が悪い生命の中にいるときに真理を確信することは、その者が自分自身に、真理は真理であると説得はするが、それは善を目的としているためではなくて、悪を目的としており、即ち、その者がそのことによって名誉、名声、富を得ることが出来るためであるといった性質を持っているのである。凡ての者の中で最悪の者自身でさえもこのような確信の中にいることが出来、また真理の中にいない者たちをことごとく、たとえその者たちはいかほど善の中にいようとも、地獄までも弾劾するほどにも外面的な熱意の中にいることが出来るのである(この確信については、2869、3865番を参照)。このような人物は最初他生へ入って来ると、自分自身が天使であると信じはするが、しかし彼らはいかような天使の社会にも近づくことは出来ないで、そこへ近づくや否や彼ら自身の確信のためにいわば窒息してしまうのである。これらの者が主からマタイ伝に以下のように言われている者たちである―

 

 かの日多くの者は、わたしに向って言うであろう、主よ、主よ、わたしあっちはあなたの御名において予言したではありませんか、あなたの御名において悪鬼を追い出したではありませんか、あなたの御名において多くの驚くべき業を行ったではありませんか、と。しかしそのときわたしは彼らに明らかに告げよう、わたしは決してあなたたちを知らなかった、不法を行う者よ、わたしから離れて去りなさい(マタイ7・22、23)。

 

 

 

天界の秘義9281[]

 

人間は外なる呼吸と内なる呼吸とを持っている。外なる呼吸は世から発しているが、内なる呼吸は天界から発している。人間は死ぬと、外なる呼吸は止むが、しかし内なる呼吸は―それは人間が世で生きている間は無音であり、知覚されはしないが―継続しているのである。この呼吸は全く真理に対する情愛に順応しており、かくてその信仰の生命に順応している。しかし地獄にいる者らのように、何ら信仰の中にいない者らは内から呼吸しないで、外から呼吸し、かくて反対の方法で呼吸しており、それで彼らは内から呼吸している天使たちの社会へ近づくと、窒息し初めて、死の像のようになってしまうのである(3894番)。

 

 

 

天界の秘義9281[]

 

呼吸は信仰の生命に相応しているため、それで信仰の生命もまた、呼吸を意味しているアニメーションから、『アニマ[霊魂]』により意味され(9050番)、それでまた呼吸は『息(スピリット)を吸う』『息(スピリット)を吐く』の表現のように『スピリット』と呼ばれている。ここからまた原語では『スピリット[]』は風からそのように呼ばれ、聖言では『風』にたとえられている、例えばヨハネ伝には―

 

 風はその好むところに吹く、あなたはその声を聞くが、それが何処から来て、何処へ行くかを知らない、霊から生まれる者もことごとくそうである(3・8)。

 

このことからまた、主が復活後その弟子たちと話されたとき『かれらに息を吹きかけられて、聖霊を受けなさい』と言われたと言われていることにより意味されていることが明白である(20・22)。

 

 

 

天界と地獄449

 

 私は身体の感覚の方面では無感覚の状態へ入れられ、かくて死んで行く者の状態へ殆ど入れられたが、思考とともに内的な生命は完全に存続していたため、その時起った事柄と、また死から甦る者に起る事柄とを認め、記憶に留めたのである。私は、身体の呼吸が殆ど取り去られ、霊の内的な呼吸が存続しており、それに身体のかすかな音のしない呼吸が連っているのを認めた。

 

 

 

霊界日記3320

 

例えば、わたしは子供の頃、皆が朝晩祈っているとき、故意に息をつめようとしたさい、また呼吸の時〔度数〕を心臓の(鼓動の)時〔度数〕と一致させようとしたさい、理解がいわばほとんど消え去り始めるのを観察したのである・・・

 

 

 

霊界日記3464

 

わたしは先ずわたしの初期の子供時代にこのように呼吸することに慣れたのであり、すなわち、朝晩の祈りを言うときに、時として後に、肺臓と心臓とのハーモニ〔諧調、調和〕を点検していたとき、特に、出版された著作を書くことに深くたずさわっていたときに(そのような呼吸に慣れたのである)。数年間わたしは、ほとんど認知されはしない、無音の呼吸が在ることを絶えず観察したが、そのことについて後にわたしは反省し、書くことを与えられたのである。わたしは、子供時代から、このように数年間こうした呼吸へ入れられ、特に思索に没頭することにより入れられたが、そのさい呼吸は静止しているように見えるのであり、もしそうでないと、真理に対する苛烈な研究はほとんど不可能なのである。

 

 

 

 

2.ヴァッスーラ

 

 

ヴァッスーラ・神のうちの真のいのち・8巻P179

‘96・4・15

 

来なさい、今私に近づいて来なさい そうするならあなたの幕屋の中で私は呼吸し あなたはいのちを吸い込む。