あなたの過去
1.ルイザ・ピッカレータ
2.聖母から司祭へ
3.アグレダのマリア
1.ルイザ・ピッカレータ
ルイザ・ピッカレータ/被造界の中の神の王国/1巻P17
こんなふうに私は、イエスに向って絶え間なく私の犯した悪について、ほとんどうるさいくらいの調子で申し上げつづけていました。するとある時、イエスは私をきびしくお叱りになっておっしゃいました。
「もうこれ以上あなたの過去について考えないでほしい。ひとつの霊魂が悪いことをしたと気づいてへりくだった時、そしてその痛悔してへりくだった霊魂がわたしの赦しの秘跡によって洗われた時には、もう一度わたしを傷つけるよりは、むしろ死んだほうがよいという覚悟が出来ているはずだということを覚えていなさい。霊魂が記憶によってその過去のどろ沼にいつも浸りつづけるということは、わたしの憐れみにたいする侮辱であると同時に、わたしへの愛の妨げになるのです。ですから過去のことを考えて、汚れた考えの中に絶えずとどまりつづけていることを望むかぎり、それはわたしの愛のうちに、天に向って飛ぶことを不可能にさせるのです。
ごらんなさい。あなたが犯した悪についてわたしは全部、すっかり忘れてしまったので、もう何も覚えていないのですよ。もしかしたらあなたはわたしに何か恨みを持っているのですか? それとも、あなた自身にたいして何か心配でもあるのですか?」そこで私は、「いいえ、主よ。それどころか、あなたは私がこれほど恩知らずであるにもかかわらずこんなにご親切なので、私にたいするあなたの善良さと優しさを考える時、私の心は裂けるほどにさえ感じられるのです。」すると主は、「さてわたしの娘よ、それではどうしてまだ過去のことにこだわるのですか? わたしたちがお互いに愛し合うことを考えたほうが、どんなによいか分かりませんか? これからはわたしを喜ばせるように努めなさい。そうすれば、いつもあなたは平和のうちにとどまることでしょう。」 事実、よくない態度で過ごした過去をどのように償えばよいかを教えて下さるように、非常にたびたび主にお願いをくり返したとはいえ、私は崇むべき私のイエスをお喜ばせしたいと決心しましたので、あの時以来、もうこのことについて考えたことはありません。
2.聖母から司祭へ
聖母から司祭へ1974.2.11
今の瞬間に信頼を生きる
ああ、子よ、一日中のどの瞬間にも私はあなたと共にいます・・・。
あなたはもう一人ぼっちではありません。あなたの手をとって導き、その汚れなき心にあなたを抱きしめる母が、いつもあなたと共にいるのですよ。
すべてあなたに起こることは、あなたのためになるようにと私が前以て用意したものなのです。ますます私にだけ信頼することをお学びなさい。
暗黒、苦しみ、誤解される時も、それはあなたが私への完全な奉献の道において成長し強くなり得るように、私が備えたものなのです。
ああ、子よ、闇の時も私をながめることを覚え、見捨てられた時にも私を感じるように習い、何事も私と共に私において行うことをお学びなさい。あらゆる時に、あなた自身をすっかり私に献げてください。
あなたの過去はもう存在しません。今、あなたは、私の心の中にだけいます。私のものです。今の瞬間を、良い心、惜しみない心で、私に捧げてください。これだけが私に大切なことです。私の計画のために用いることができるために。
ああ、私の運動の司祭たちが、皆、私がどれほど彼らを必要としているかを知ったならば・・・!
彼らがその生涯のすべての瞬間を、完全な委託をこめて私に捧げますように。それは私が望みのままに彼らを使うことができるためです!
彼らは私に奉献されているので、私に属しています。私のものです。私のものである以上、もう自分のものではなく、私のほかに何も持つことができません。ではなぜ過去のことを未だに考えるのでしょうか? なぜ未来の計画をたてるのでしょうか?・・・
聖母から司祭へ1975.4.25
本当に私だけのものとなり、何も残さずあなたがたを私に捧げてください。・・・
自分の過去のことは、もう考えないこと。
あなたがたのうちの或る人々は、自分の過去のことをまだ考え、私が直してあげた傷の痛みを未だに感じていて、私に自分を完全に捧げることが、いわば押さえられているかのようです。「弱点だらけで不忠実だったこの私が、本当に天の御母から選ばれ、特別に愛されているということがあり得るだろうか?」という考えに押し止められているのです。
ああ、私の子どもたち! あなたがたが、小さく、か弱く、度々倒れ、自分が非常にこわれやすいものだと感じていればこそ、私の心はあなたがたに対する慈しみに溢れているのですよ。
私の小さい子どもたち、あなたがたは、自分の力だけでは、あなたがたを待ち受けていることを絶対に乗り越えることはできないでしょう。そのため、私の汚れなき心に、あなたがたをかくまってあげたいと思います。こうして、私自身があなたがたの安全、あなたがたの守りとなってあげましょう。
3.アグレダのマリア
アグレダのマリア/神の都市/P111
元后の御言葉
私の親愛なる娘よ、私の胸の中に燃える愛を何度も汝に打ち明けました。幸いなるかな、いと高き御方の御旨を聞く者よ。更に幸いなるかな、御旨を遂行する者よ。人間に対し神は、福音書、聖書、秘蹟、聖なる教会の律法、諸聖人の書き物や模倣や司祭の案内を通して、永遠の幸福に至る道を教えました。「司祭の話しを聞く者は私に聞く。司祭に従う者は主に従う」と、王なる主は言われました。謙遜と従順の翼をつけ、空中を飛ぶように早く、命令を実行しなさい。
この他の指示は、いと高き御方が直接に霊魂に教えます。これには諸々の程度があります。主は秤りにかけて光を分配します(智恵11・21)。主は心の中に命令を下したり、説明、訂正、助言したり、心を動かして主に質問させたり、望みを打ち明けたり、神秘を鏡に映し出したりします。この偉大で無限の善なる主は優しい命令を出し、従順な者を力強く助け、実行に必要な情勢を設定してくださいます。
この超自然の示しを受けるため、汝は注意深くなり、義務遂行を早く勤勉にしなければなりません。汝の霊魂がこの世の汚れから清められ、主の御旨のままに生きなければなりません。神の秘密に注目しなさい(イザヤ34・16)。耳を傾け、見える物事から心を離しなさい(詩篇45・11)。愛を育てなさい。汝の心が準備すれば、愛の効果が出てきます。霊魂が子羊の血の無限の価値によって買い戻され、永遠の救いを得たことを記憶しましょう。汝自身の卑しさ、恥、無用さなど心配しないで下さい。いと高き御方は富んだ者、強力偉大で何でもおできになります。