不幸
サンダー・シング/聖なる導きインド永遠の書P240/神との対話
2.苦しみは、人間の強情な反逆的性質から生じるものである。それは、熱帯の炎熱が寒帯に住む者にとっては煩わしく苦痛なものとなり、寒冷が熱帯に住む者にとって苦痛を生むのと同様である。寒さも暑さも、太陽に対する地球の位置関係によって決まるものである。そのように、人は自由意志の使い方によって、神と一致もすれば不和も起す。神の法は人の霊的健康と幸せのためにあるのだから、それに対立すれば霊的苦悩を生むのは当然である。神はこうした神の意志への対立と反逆の状態を一掃してしまうことなく、この世が人間の住処(すみか)として創造されたものではなく、人間にとって異邦の地であることを人にわからせるために、それをお使いになっている。
この世は、人を完全な不滅の内へと準備させるためのものにすぎない。また、打ち続く不幸も、人が不注意になり、真理から外れてこの滅ぶべき世と運命を共にしたりせぬよう、霊魂を目覚めさせるために与えられているのである。人は創造主との聖き交わりに入り、現(うつ)し世の悲哀から逃れたのちに、永遠の幸福と平和の天界に入るべく意図されている。