百四十四
啓示による黙示録解説909
「彼はその壁を測ると百四十四キュビットあった」は、その教会では聖言の性質はいかようなものであったかが示され、彼らは聖言からその真理と善との凡てを得ていることを意味している。『彼は測った』により、前のように(907番)、その性質が示されたことが意味され、『壁』により文字の意義における聖言〔聖言の文字の意義〕が意味され(898番)、『百四十四』により聖言から発した教会の真理と善との凡てが意味され(348番)、『キュビット』により、『寸法』により意味されていることと同じことが、即ち、性質が意味されている、なぜなら十二に十二を掛けると百四十四の数字が生まれ、十二を倍にしてもその意義が変らないため、『百四十四』により、『十二』とおなじことが意味されるからである。
啓示による黙示録解説348
黙示録7・4
「私は封印された者たちの数を聞いた、十四万四千人」は、主が天と地との神であられることを承認し、主から聖言を通して愛の善から教義の諸真理の中にいる者たち凡てを意味している。これらの者が『イスラエルの十二の種族から(封印された)十四万四千人』により意味されているのは、『イスラエルの十二の種族』が、主から善と真理との中にいて、主を天地の神として承認している者たちから発した教会を意味しているためである。『十四万四千』の数字により、これらの者の凡てが意味されている、なぜならこの数は『十二』に『十二』を掛け、それから百を掛け、千(十の誤り?)を掛けて出来ており、どんな数でもその数自身を倍化して、それから『十』、『百』、『千』を掛けて出来たものは、元の数と同じ意味を持っているため、その数により十二の意味と同じことが意味されているからである。それで『十四万四千』は『百四十四』と同じことを意味し、この百四十四も『十二』と同じことを意味している、なぜなら『十二』に『十二』を掛けると百四十四になり、同じく『各種族から封印された一万二千』も、『十二』を掛けられると、『十四万四千』となるからである。『十二』の数字は凡てのものを意味し、善から発した諸真理について述べられているのは、『十二』は『三』と『四』とを相互に掛け合わせて出来たものであって、『三』の数字は真理の方面の凡ゆる物を、『四』の数字は善の方面の凡ゆる物を意味しているためであり、そこから今の場合、『十二』は愛の善から発した真理の方面の凡ゆる物を意味している。数字は凡ての物の添性を意味して、その物の性質または量を決定していることは、黙示録の数字から明らかになるであろう、なぜならその数字にもし何か特殊な意義が無いなら、多くの所でそれには何らの意味も無いからである。以上述べたことから、『封印された十四万四千』により、また『各種族から(封印された)一万二千』により、それだけの数の者たちがイスラエルの種族から封印され、選ばれたということを理解してはならないのであり、主から発した愛の善から教義の諸真理の中にいる凡ての者を理解しなくてはならないことを認めることが出来よう。これが『イスラエルの十二の種族』により、また『主の十二の使徒』により全般的に意味されていることであるが、しかし、個別的には、各種族により、また各使徒により善から発した何らかの真理が意味されているのである。しかし各々個々の種族の意義はやがて説明しよう。十二の種族は主から発した愛の善から来ている教義の諸真理の凡てを意味しているため、それはまた教会の凡ゆる事柄を意味しており、そのためイスラエルの十二の種族は、十二人の使徒と同じく、教会を表象したのである。