愛するということ≪IV≫


 「レイヴ・・・。」
ラビエルとクライヴがフロリンダから聞いた場所に行くと、そこにはアシュタロテ
とレイヴの姿があった。
 「レイヴ、どうしてあなたがこの世界にいるの。」
不安そうにレイヴの顔を見るラビエルに最初に口を開いたのは彼ではなく、アシュタロテだった。
 「私が生きかえしたのよ。」
と、言い不敵に笑う彼女に対して、ラビエルは彼女を睨み上げ、
 「アシュタロテ。死者は生きかえしてはならない。それが自然の掟です。忘れたのですか!」
怒りをあらわにした。アシュタロテはそんなラビエルに対して、
 「ああ、怖い。天使と言う者がこういう顔をするとはね。」
と、笑い返した。それに対してラビエルの怒りは増すばかり、
 「アシュタロテ!!あなたと言う者は!!」
ラビエルが、今にも悪魔に切りかかって行きそうな勢いで話しているので、クライヴは
ラビエルの手を引っ張った。
 「落ち着け。お前が取り乱してどうする。」
と、クライヴが言うと、ラビエルは黙り、唇を噛み締めた。
 「おやぁ、もう新しい男が出来たのかい?可哀想にね。レイヴ、お前はもう用無しらしいよ。」
 「・・・・。」
まるで人形のようなレイヴにアシュタロテは後ろからレイヴの肩に腕をまわし抱き
ついた。そして、耳元へ唇を近づけて、こう言った。「可哀想に。でも、あの子を殺
してくれれば、私があの子をお前以外誰も愛さない人形に作り変えてあげるわよ。
さぁ、殺してしまいなさい・・・。」ゆっくりとアシュタロテの手がレイヴから離れ
ると、レイヴは走り、ラビエルに近づくとラビエル目掛けて剣を振り下ろした。しか
し寸前のところでクライヴがレイヴの攻撃を剣で受け止めた。
 「クッ。」
と、クライヴは一瞬、苦しい表情になった。しかし、レイヴは無表情のまま、一生
懸命レイヴの攻撃に耐えているクライヴを力一杯、蹴り飛ばした。するとクライヴの
体は宙を舞い地面に叩きつけられた。クライヴはその時の激痛に耐え切れず悲鳴をあげた。
 「クライヴ!!」
ラビエルがクライヴに駆け寄ろうとすると、アシュタロテがラビエルに向けて雷撃
を打ち放っと、ラビエルの体も宙に舞っい、地面へと叩きつけられた。ラビエル達が
痛みにもがき苦しんでいる姿を見て、アシュタロテは、
 「レイヴ、気が変わったよ。先にその男を殺しな。この女、どうもその男に死なれ
 ては困るようだよ。あんたがその男を殺るまでこの女は、私が面倒見ていてやるよ。」
と言い、不敵な笑みを浮かべた。その言葉を聞き、ラビエルはこれではクライヴが
危ないとさとり、痛みをこらえ立ち上がった。
 「アシュタロテ!!私に恨みがあるのではないのですか。殺すなら、私にしてください!!」
ラビエルは今にも消えてしましそうな声を無理矢理出し、アシュタロテに向けて叫んだ。
すると、アシュタロテは急に険しい表情になり、レイヴの方を向いていたがラビエルの
ほうに向き直った。そしてラビエルに近づいて胸倉を掴み片手で持ち上げた。
 「恨み・・・。そうね、この顔の傷の恨み返さないとね。」
と、もう一方の手で傷を押さえた。
 「この傷は、お前が天界で力を暴走させたせいで付いた傷だからね。」
と、怒りをあらわにした。



もう何十年も昔のことだ。アシュタロテとその仲間たちが、まだ天界にいた頃。
女たちは四大天使の暗殺を企んでいた。
いち早くそれに気づいたラビエルと、その時ラビエルについてた妖精のスカイで、
彼らの企みを皆に知らせようとしていたのだったが、アシュタロテはその時位の高い
天使だったため、位の低いラビエルの言うことを誰も信じてはいなかった。しかし、
アシュタロテは身の危険を感じ、この2人を天界に背く犯罪者として殺そうとしてい
たのだった。
まず目を付けられていたのが、スカイだったのだ。アシュタロテは、スカイを殺し
ラビエルに送りつけたのだ。ラビエルは、耐え切れないほどの怒りを感じた。その事
が鍵となり、四大天使たちが封印したラビエルの魔力が爆発したのだ。その力は神の
力に等しかった。
その力をラビエルは生まれながらにして持っていたもので四大天使が危険なものと
みなし力を合わせ封印していたのだ。ラビエルは感情のままにアシュタロテの仲間を
次々に殺していったのだ。

 「助すけてくれ。命だけは。」
と、命乞いをするアシュタロテにラビエルは冷たく、
 「スカイは、お前達に何て言った。同じようなことを言ったんじゃないのか。」
と、言い捨て、アシュタロテに向かって剣を振り下ろした。
彼女は寸前のところで剣を避けたが剣の風圧で、顔に深い傷を負った。
しかし、これが逆効果となった。アシュタロテは怒り、
 「お前は天使だろう。いくら私たちが罪を犯したものでも、これ以上殺すとお前も
 タダでは済まされないよ。わかっているのかい。」
と、言い、ラビエルを睨んだ。
 「そんな事百も承知だ。それでも私は・・・。」
振り下ろしていた剣を、アシュタロテの喉の前まで持ちあげ、
 「お前たちを殺すと誓った!!」
その言葉と同時に、後ろからラファエルの怒声が聞こえた。
 「ラビエル!!お止めなさい!!これ以上やるのならば私が相手になりますよ!!」
ラビエルはその声に反応したのか、剣が手から離れ床へと落ちた。
 「ラファエル様・・・。どうして、どうして止めるのですか!」
ラファエルの方を振り向いたラビエルの目からは無数の涙が零れ落ちていた。それ
を見ると、ラファエルはラビエルに近づき、
 「ラビエル・・・、もう良いんですよ。スカイはこの様なことをあなたに望んでは
と、いつもの優しい声でラビエルに語りかけ、優しく微笑んだ。ラファエルは
ラビエルの怒りを静めると、アシュタロテの方に視線を向けた。
 「アシュタロテ。あなたは何をしようとしているのですか。」
いつもと同じだがどこかトゲがあるラファエルの口調。彼は、心なしか怒っている
ような様子だった。それに気づいたアシュタロテは、観念したかのように本当のこと
を話し始めた。
 「サタン様復活のためさ。あの方の大いなる力に私は魅了されたんだよ。天界にい
 れば少しでも復活に必要な情報が入ると思ってね。」
 「それで、情報は入りましたか。」
 「だいたい必要な情報はそろったよ。これだけあれは十分さ。だが、私はここで堕
 天使として処刑される。もう意味の無いことだ。」
と、微笑した。しかし、その瞬間頭の中で、
 「アシュタロテよ・・・。ココで死んではならん・・・。我が元へ戻れ・・・。
という声が響いた。
 「この声はサタン!!」
ラファエルは慌ててラビエルを自分の後ろに隠した。
 「ラファエルよ・・・。今回は戦いにきたのではない・・・。安心しろ・・・。
 さあ、アシュタロテ、我が元へ・・・。
と、言うと、アシュタロテの体を闇が包み込み消えていった。
そのあとラビエルの力はまた封印された。もう二度と、この力が目覚めぬように。



 「そうあの時、サタン様が居なければ私は死んでいた。しかし、お前さえいなければ、
 全ては上手くいったのだ!!」
 「くっ。」
ラビエルを持つ手に力が入る。ラビエルの体からは次第に力がなくなってくる。
 「やめろ・・・。それ以上ラビエルを苦しませるな。」
アシュタロテがその声に反応し、ゆっくりと振り返ると、そこにはアシュタロテの
首に剣を突きつけているレイヴの姿があった。

《つづく》


(コメント)
やっと、第4話が書き終わりました。
テストなどでかなりの時間が空いてしまいましたが。
しかし、本当にダメダメ小説です。
こんなのをこれ以上続けても良いのかと思うくらいです。
挿絵は最終回に入れたいと思っていますが・・・、
入れない確率のほうが高いです。
次回も、見てください。                 翼人


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