愛するということ≪V≫


「君に聞いて欲しいことがある。」といったクライヴは、ラビエルの腕を引っ張り、
歩き始めた。

  「ちょっと、私を置いて何処にいくのよ!!」
と後ろからアイリーンの怒鳴り声が聞こえる。
  「クライヴ、何処に行くんですか!!放してください!!」
  「放してしまったら君はその翼を使って飛んでいくのだろう。」
  「・・・・・・。」
  「・・・だから、放す気は無い。」
その言葉にラビエルは黙り込んでしまった。
しばらく歩いて、先に口を開いたのは、クライヴだった。
ゆっくりと歩みを止め、ラビエルの方を向いた。
  「この間はすまない。あの時無理やりキスをしたことは謝る。天使は汚れを嫌う存在
  だとは知っていたが・・・、あの時はどうかしてたんだ。」
  「えっ。」
クライヴの口から、まさかこんな言葉が出てくるとは思ってもいなかった。
ラビエルはクライヴがずっと怒っているものだと思っていたのだ。
あの時黙って消えてしまったことを。

  「そんな、私は怒っていませんよ。ただ・・・。」
  「ただ?何なんだ。」
  「私は、自分が許せなかったんです。だから、あなたから少し離れようと思って・・・。」
  (そう、あなたを好きになってしまいそうだったから。)
悲しそうな顔をするラビエルをクライヴは抱きしめて、「良かった。」と、言って優
しく微笑んだ。



その頃、レイヴのところにも「客人」が来ていた。
  「こんにちは。レイヴ。」
あの女だった。レイヴは一目で悪魔と見抜き剣を女の首に突きつけた。
  「悪魔がオレになんのようだ。」
と、言い捨てた。が、その女は笑みを浮かべた。
  「私の名前はアシュタロテ。あなた、ラビエルに会いたいんでしょう。会わせてあげ
  てもいいわよ。」
  「悪魔なんぞの話は信用しない。」
  「あら、それならそれで良いんだけど・・・。」
  「ならば立ち去れ、俺は自力でココから出る。」
 「でも、そうすると、私が困るのよね。無理やりでもラビエルの所へ
 連れて行ったあげるわ!!」
突然女の目が光、レイヴの体を黒い影が取り押さえた。
  「くっ。」
  「手間をかけさせるんじゃないわよ。」
と、言うと、ゆっくり近づいてきた。そして、レイヴの唇を奪った。
女の唇が離れると、レイヴはドサッと地面に倒れこんだ。
  「これで、お前は私の操り人形。」
と、言い残し、怪しげな笑みを浮かべて、レイヴと共に消えていった。



  「あの、クライヴ、放して貰えませんか。」
と、その言葉でクライヴは我に帰り慌ててラビエルを放した。
  「すまん。また、やってしまった。」
と、言った、クライブの顔は真っ赤になっている。
ラビエルは、くすっと笑ったが、すぐに真面目な顔になった。
そして、「クライヴ。私もあなたに話したいことがあります。」と、言い、

レイヴのことを初め今に至るまでを全て話した。クライヴは何も言わずに静かに聞いていた。

ラビエルが話し終わる とクライヴが口を開いた。
 「堕天使をすべて消し去ることが君の夢なら、オレも力になろう。俺もような奴で力
 になるんだったらいつでも呼んでくれ。しかし・・・、君のことを諦めることは出来ない。
 それでもいいか。」
  「嬉しいお言葉ですが・・・。でも、私はあなたを好きにはなれませんわ。」
  「それでもかまわない。ただ、君の傍に居たいだけだからな。」
と、また笑顔を見せる。普通の女の子達であればこんな笑顔を見せられたらクラッと
するのだろと思い、ラビエルも笑顔を返した。しかし、ラビエルは何か忘れているこ
とに気付いた。
  「何かを忘れている気がしますわ。」
と、首をかしげるラビエルに、クライヴは、
  「さっきの女の子も勇者なのか。」
と、聞いてきた。
 「そうですわ。アイリーンと言います。・・・・・・・・、あっー、アイリーンの同行を
 してたんですわ。忘れてました。」
と、慌てて、クライヴに「また、来ます。」と告げ、飛び立った。
クライヴはそれを見送ると、近くにあった木に寄りかかり、深いため息をついた。
クライヴの顔を見ると青ざめていた。
  「やはり、昼間はきついな。俺は夜のほうが性に合ってる。」
ゆっくり体を起こして闇の中に消えていった。



一ヶ月後・・・・
フロリンダがラビエルの元へ飛んできた。ラビエルはクライヴとの面会中だったが、
フロリンダの慌てように気づき、話を聞いた。フロリンダは息を切らしながら、
 「天使様。レイヴ様をリナレスのアララスで見たんですぅ。あれは、間違いなくレイヴ様
 ですぅ。だってぇ、フロリンに気付いて、ラビエルを連れて来てくれと頼まれましたぁ。」
「レイヴ」という言葉に異常な反応をしめした。
  「えっ。どういうこと詳しく説明して!!」
ラビエルの慌てようが、クライヴには、手に取るようにわかった。見る見るうちに変
わっていくラビエルの顔色。そして、ついに震え出してしまった。クライヴはラビエル
の肩を抱きしめて、フロリンダの話の続きを聞いた。
 「それがレイヴ様の様子が変なんですぅ。冷たいというか、まるで心が無いような
 情をしてたんですぅ。何かあったんだと思います。天使様助けてあげてください。
 レイヴ様を救えるのは天使様だけですよ。」
クライヴから少し離れ、ラビエルはフロリンダに、
  「わかったわ。行って確かめてくる。」
と、力強く返事をした。
  「オレも一緒に行く。もしかしたら、堕天使が絡んでいるかもしれないからな。」
  「でも、クライヴに迷惑をかけるわけにはいきませんわ。」
  「オレは、お前に力を貸すと約束しただろう。」
  「そうですが・・・。」
  「だったら、それで良いじゃないか。」
と、真っ直ぐラビエルを見つめた。
  「わかりました。でも、あまり無理をしないでください。」
ラビエルは、ふと不安になった。レイヴと戦っていたときも、リーガルというやはり
死んだはずの人間が堕天使の手によって生き返されていたのだ。もし、レイヴもそう
であれば・・・、
  (私はレイヴと戦うことが出来きるのだろうか・・・。)


≪つづく≫


(コメント)
今回こそは、終わらせようとしていたのですが、
終わりませんでした。(涙)
感想も送っていただきました。嬉しかったです。
本当にありがとうございます。(感
謝)
挿絵を入れたかったのですが失敗しました・・・。(涙)
やっぱり、私には、パソコンを使いこなすのは無理だー。(狂)
こんな奴ですが次回も見てください。         翼人


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