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独断と偏見の女の子向き川端作品

というわけで、ほんとに独断と偏見。要は私の好きな作品です。
なぜかベストテン方式で。

第1位 「かけす」昭24 『掌の小説』新潮社文庫所収
地味ですが、読むたび涙かこぼれます。今読んだ。康成様がおっしゃった日本の
美しさ、があらわれていると思う。すべてがいとおしいというか。女の子で、よかった。
第2位 「朝雲」昭16 『花のワルツ』新潮社文庫所収
とにかく文章が美しい!お教室、とか普通に言ってみたいものですわ。
第3位 「イタリアの歌」昭11 『花のワルツ』新潮社文庫所収
包帯好きの血が騒ぐ1篇。状況はどうあれ、せつない恋心。ほんとに痛い恋心。
第4位 「川のある下町の話」昭28 『川のある下町の話』新潮社文庫所収
ふさ子の描写が大好きです。きらきらって感じ。それにしても終わり方がめっちゃ気になる。
第5位 「十七歳」昭19 『掌の小説』新潮社文庫所収
感情が、少女ゆえに尊大で、美しかー。感謝に満ち満ちてるお話。
第6位 「夜のさいころ」昭15『愛する人達』新潮社文庫所収
もうずっと読み返していないので実は内容よく覚えていません。でも好きで何回も読み返した
ことは覚えています。主人公の女の子の飄々とした感じが好きだったんだと思う。読みなおそ。
第7位 「望遠鏡と電話」昭3 『掌の小説』新潮社文庫所収
「きんらんどんすの帯しめながら 花嫁御寮はなぜ泣くのだろ」という小説内の唄に集約されて
いるような。金襴緞子で、花嫁が、泣いている、なんて。なんて美しいのでせう。きらきら。
第8位 「胡頽子盗人」大14 『掌の小説』新潮社文庫所収
ほんとはこれ1位でもよかったのだけど、忘れてました。なんていうか、美しい――!古き良き
日本なんていう言い方は嫌だけど、まさに、そんな感じ。分け与えの精神と感謝の心が息づい
てる感じ。村の構造。
9位 「笹舟」昭25 『掌の小説』新潮社文庫所収
自己卑下しないけなげさは、ほんとうに美しいと思う。
第10位 「ざくろ」昭18 『掌の小説』新潮社文庫所収
ざくろは細胞みたい、で、あの味は、せつないの味。

う〜ん、『掌の小説』にかたよってますね。というわけで、私のお勧めは『掌の小説』です。
文庫にしてはかなり厚いのですが、1篇ごとはすごく短くて、長くても6〜7ページで終わってし
まうので、ちょこちょこと、あっという間に読めてしまいます。ので、お勧めで―す。

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