天然記念物「丹那断層」



水路のズレ

昭和5年に
北伊豆地震を起こした
丹那断層を示す
水路のズレ

       

静岡県の東部、三島市と熱海市の間に函南(かんなみ)町がある。その函南町の熱海寄り、箱根の芦ノ湖からまっすぐ南に辿ったところに丹那(たんな)盆地が広がる。東海道本線の、あの丹那トンネルが通っている場所である。

昭和5年(1930年)11月26日、この丹那盆地の付近でマグニチュード7.3の北伊豆地震が起きた。そのときに動いたのが丹那断層で、天然記念物指定地に大地の横ズレの跡を鮮明に残している。上の写真で、手前から向こうへ延びている水路(今は水はない)は途中で曲がっているが、地震以前はまっすぐであった。曲がり部分の向こう側が左に、手前側が右にずれて、このように曲がってしまった。

ここでの大地の水平移動距離は約2.6メートルで、断層全体の長さは、箱根の芦ノ湖から修善寺町まで、約30キロメートルに及ぶという。

天然記念物指定地には、横ズレの跡を示す水路・石垣・石組みの円形の塵捨場が保存されているだけでなく、断層地下観察室、断層線を表示した盆地模型、トイレ付休息所などの施設や駐車場が設けられ、丹那断層公園として整備されている。

地下観察室では地下の断層の様相を目前にし、休息所では発掘調査を踏まえた説明板や地震当時の写真などを見ることができる。


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