●2004/11/28

まずは台風の被害にあわれた方、新潟中越地震で被災された方々にお見舞い申しあげます。何も力になりませんが「がんばって」と励ましの言葉を掛けるしかありません。
全国にたくさんのアタック製品取扱店がありますが全て興味を抱いて電話でお話をして一度試していただき気にいって取り扱い開始した店ばかりです。早いもので発売直後から10数年の歳月が経過しましたがお互いに一度も顔も見たことがありません。そこで、一度は全国の販売店に顔出しをして、ご挨拶すべく6月に西日本方面、名古屋、京都、兵庫、四国、九州、西日本、大阪と自動車で4800km走行し、ほとんどの店を回ってきました。
それから数ヵ月後、台風23号の被害で兵庫県豊岡市の協力店の工場が2M水没の被害に合われました。当然ながらリフトや工具は水びたしとなります。自動車も水没するとエンジン内や室内に泥水が浸入するので後の修理は莫大な金額となり買い替えを余儀なくされます。月並みですが1日も早く復旧し通常の生活が出来ることを願っております。

9月に入ると東北、北海道方面の協力店に挨拶すべく9月20日に関越道を通って長岡市の販売店に挨拶に行きました。その夜は新潟市に宿泊し、アタック愛用者の人とホテルで待ち合わせて愛車を見せていただきました。ポルシェ911を2台手に入れて1年間かけて1台仕上げる「にこいち」という手法で憧れの車を安く手に入れたという人です。その熱意と技術と努力に同じ車好きということで感動しました。アタックX1が出会いのきっかけを作ってくれた訳です。このように全国の多くの人との出会いを作ってくれることは私にとって何よりの幸せと感じております。良く21日に新潟港からフェーリーで小樽まで渡って北海道の販売店を回り苫小牧からフェーリーで八戸に到着。秋田、岩手、山形、宮城県の販売店に挨拶し帰ってきました。それから1ヶ月後に新潟中越地震が発生した訳ですから、もうビックリで、他人ごととは思えません。

話は変わりますが新製品開発に向け何かと試してみたり遊んだりしています。本当に良い物は苦労して苦労して生まれる場合と、ハチャメチャ試して遊んでいる最中にパッと閃いたり、突然完成したりします。もちろんほどほどの物は幾つでも出来ます。ご承知のようにほどほどではestremo(究極)の名前を付けて販売できません。今までのアタック製品に期待して購入される人を裏切ることになります。オイルは追求すればするほど奥が深い物です。一番重要なポイントは何かと言うと粘度と車(使用条件)とのマッチングです。どんなに良いオイルを作ってもミスマッチングな粘度選択をされると最高の結果は得られません。例えばアクセルあまり踏まない走り方をする人で排気量が小さい新車(例えばスマートや軽四輪)にBRX1 10W-50を使用したとしたらアタックオイルの潤滑性の高さゆえ油温上昇は抑制され冷間時の発進では重く感じたとしても不思議ではありません。粘度は油温と密接に関係しているからです。後側粘度は100℃という一定条件で表示される規格粘度です。例えばプロ野球のピッチャーが登板前に何十球と投げ込んで肩を作るようにエンジンも冷間時より暖機が終わって丁度調子良くなる水温・油温があるわけです。あまりアクセルを踏まない人が固い粘度を選択してしまえば、水温・油温上昇は抑制されるので重い走りとなってしまいます。このような人はAZX1の10W-40かGPX1の10W-30が向いているのです。選択に迷ったら購入前に、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。

疾風を新発売してMTギヤー入りの悪いお客様からお礼の電話やお便りを頂くことが多くなりました。ギヤーオイルの表示は80W-90とか75W-90が多いのですが80Wと75Wとたった5W違うだけで粘度は大きく変わります。エンジンオイルの70番と40番ほどに大きく違ってくるのです。だから疾風の72.5W−82.5はエンジンオイルの30番と見た目粘度はたいして変わりません。スポーツ走行を目的にFF車で機械式LSDを組み込んだ場合はLSD対応オイルが適合するのでアタックギヤーオイルの80W-90となってしまいます。サーキットの長距離レースにも耐えるように設計しているので街乗りで冬の冷間時では当然ながらギヤー入りは重くなってしまいます。このように、どこに標準を当てて設計するかがポイントですから一つの製品で全てをカバーすることは不可能で他社でも多種類な粘度を設定することになります。一般の人は自分の使用にぴったり適合する粘度を選び出すことに迷うことになります。そこで要望の強かった75W-90の開発を進めておりましたが発売のメドがようやく付きました。早ければ年内には新発売致します。名前はGEARU(ギヤーツー)となります。

これからの使い分けは・・・
疾風・・従来と変わらずFRやFFのMT専用。本田車は純正MTFにX1またはHMTX添加からお試し下さい。本田純正MTFの粘度より疾風の粘度が少し固いのです。ギヤー入りは粘度によって大きく影響を受けるからベース粘度選択が重要となってくるのです。
GEAR80W-90 FR車のデフ(LSD有無) FF(LSD)でレースなどハード走行する場合に適合します。
GEARU75W-90 FF車(機械式LSD装着)に最適です。当社でプリメーラ、スカイライン、アルテッツア、インプレッサ(全てストリートがメイン)でテストしましたが、それまで疾風を使用していた車もギヤ入りに関して「しっかり感が出た」とコメントが帰ってきました。疾風は抵抗感少なく「入った感覚が少ない」と中には物足りなさを感じる贅沢な意見もあります「それだけギヤ入りに優れる」粘度が高い利点はAE86やFC&FD/RX7などの古い車や、サーキット走行するなど過酷な条件ほど油膜保護性能が高く、オイル劣化も少なくなるので持続性に優れます。ノイズ的にも当然ながら少なくなります。
こちらも選択に迷ったらお気軽にお問い合わせ下さい。

さて、来年新春に画期的なブレーキコンデショナーを発売する予定です。自動車ボディに限らず、肌でも髪の毛もトリートメントやコンデショナーなど日常のちょとしたお手入れの積み重ねが肝心です。何もケアーしない人と、習慣的にケアーしている人では1週間、1ヶ月、6ヶ月と時の経過と共に多きな違いが生じることは明らかです。パッド、ステンメッシュホース、ブレーキフルードを交換する気遣いはしていても今までブレーキをケアするといった概念も製品も何もない空白地帯でした。ポケットに入れて持ち運びでき、コンソールBOXにも簡単に仕舞い込める超小型ブレーキコンデショナーです。
品物は完成し最後の耐久試験や細かな煮詰めを行っています。業界初のブレーキコンデショナーとだけ明らかにしておきましょう。価格はアタックに珍しい?誰でも購入可能な魅力的な2000円台の価格となる予定です。2005年6月4日(土)5日(日)東京ビックサイト西1・2ホールを会場として開催される東京スペシャルインポートカーショー2005にアタックも出展致します。新製品を手に取って見ることや詳しい説明も聞けますのでご来場いただけたら嬉しいです。私も会場に行って皆様とお話しできたらと嬉しいなと今から楽しみにしています。
●2004/09/16

すっかりご無沙汰しておりました。新社屋が完成し、ようやく軌道に乗り始めた3月上旬には、新しいエアコン施工方法の開発とX1添加量の見直しを始めておりました。
従来のエアコンガス押し込み方式ではオートエアコン採用の一部車種において圧力センサーが敏感なためアイドリング及び走行時にON、OFFを繰り返すなどの不具合発生が認められたためである。またエアコンは密閉された装置ゆえに無制限に添加できない場所なので安全マージンを確保しながら最大の効果を発揮する添加量が何ccになるのかを多くの車種でテストしながら更に追求を重ねていました。このように、どのような添加剤も一番重要なことは最大効果を発揮する添加量を探し出すことであり、その結果を全国の販売協力店に伝えるメーカー責任が私にはあるのです。そこで昔のR12フロン方式でも新しいR-134a方式でも対応でき、ガスを使用しないで直接圧力で押し込める目からうろこの新注入方式を採用することに到達したのです。添加量も色々とテストした結果、新車及び新車に近い状態車の適正(最大)添加量を50ccと決定しました。もちろんスーパーアタックX1でも効果は非常に高いのですが一度添加したら3〜5年間(場合によっては10年間)の長期間に渡って高い効果を発揮することと、常に最高を追求するアタックユーザーの立場に立って考えて上級グレードであるX1FS注入がベストと改めて痛感しました。エアコン添加剤も10社近く出揃ってきましたが50ccボンベ缶方式採用が大半を占めております。50cc缶の中身は添加剤が20cc入っていて押し込むためのガスが30cc入っています。アタック製品ガが高価であると思っている皆さん、X1の20ccなら僅か税込み966円です。一番高価な製品は8400円+工賃です。一度試した人なら持続性と実感できるメリットの数々を評価して高いとは言わなくなります。最近の代替フロンR-134aは昔のR12フロンと違って漏れにくい性質を有しているため、めったなことではガス漏れはありませんので30ccのガスは不必要なのですが押し込むためには必要となります。エアコン負荷は想像以上に過大であるため、力の弱い添加剤でも、それなりの効果を感じることが可能なのです。しかし効果度の違いを比較してくだされば、あたかもエアコンOFFのような効果の違いに愕然とすることでしょう。しかし、残念ながら、エンジンオイル添加と異なり一度添加された添加剤はコンプレッサー内部に残ってしまうので、全量を簡単に交換という訳にはいきません。効果の低くい添加剤でも、そのまま使っていただくしかないのです。

エンジンオイルに気を使って、こまめに交換する人でもエアコンコンプレッサーにオイルが入っているのを知らない人は意外と多いのではないでしょうか。コンプレッサーのヘタリは想像以上に大きいのですが、そもそもコンプレッサーオイルを交換するという発想には至りません。なぜなら交換用ドレンプラグなど最初から設けていないのですから。意外と忘れ去られていた重要な部分だと、最近にわかに注目を浴び始
めたということになります。古い車のエアコンコンプレッサーを分解すると内部は悲惨な状態(磨耗損傷、汚れ)となっており、忘れ去られた可哀想な部分です。古い車ほど劇的に効果を発揮しますが、走行距離が5万kmを過ぎてくると精密部品のエキスパンションバルブ(エキパンと省略)が詰まり気味となっています。また内部に発生した微妙な湿度をレシーバー&ドライヤーの中のセラミックボールが吸湿して満杯状態、または満杯に近い状態が多くなりエキパンが凍結、エアコンが効かなくなるトラブルが急増しているそうです。(カーボーイ10月号参照)実際には外部から内部が見えないため交換判断が難しいメカニズムです。理想的にはエキパン、レシーバー&ドライヤーを交換して真空引きをしてから正規量の冷媒ガスを充填してX1を充填するのが理想的方法となります。

4月に入るとX1エアコン施工店の全国展開を構築するため弊社販売協力店に新方式注入方式を説明した結果、8月中旬現在で78店舗の施工店が全国に誕生しました。まだまだ近くにない地域もありますので今後も施工店構築を図ってまいります。 

長期間書かなかったので話題は豊富にあります。

私が日産でメカニックとして活躍していた頃(1970年頃)B110TSサニーの開発にたづさわっていました。当時のドライバーは鈴木誠一、黒沢元治、都平健二、長谷見昌弘、辻本征一郎、星野一義選手達でした。それから約33年後の今年からTSレースが筑波サーキットで復活開催されたのをご存知でしょうか?アタック本社の近くにKPファクトリーの秘密ガレージ?(カーボーイ誌で紹介された)があるのです。昔は箱根七曲で名を馳せていましたが正常進化で戦いの場所をサーキットに移し、蓄積した長年の技術を発揮しようとTS復活レースに1300ccスターレットで参戦しました。参加台数は少ないとはいえ1300cc(正確には1290cc)は他にB310サニーが1台、他は全て1470~1608ccのHB310サニーが相手となる。戦いの場所は、筑波サーキット。JCCAクラシックカーフェステバル。主催者が日本クラシック協会(JCCA)ということで旧車主体の楽しいレースばかりです。
以前から書いているように競技をしている人はアタック製品使用を人に話しませんが、今回はスポンサーなので公開してしまいましょう。何事もオイルのみで結果が決まる訳ではなく、メカチューンだけで結果が決まる訳ではありません。良いチューニングと良いオイルを組合せ、良いセッティングを見つけ出し、アライメント、タイヤ、ドライバーなど、全ての要素のバランス良いハーモニーを奏でて、始めて最高の結果が得られるのです。第1戦は4月29日開催。ドライバーは田中信夫氏、オイルはAZX1極とGEAR極使用。

予選は1分06秒352で見事に総合1位。2位は1分07秒807田辺選手のスターレット、3位は1分08秒543の柳本選手のB310サニー。本番はポールポジションからのスタート。ここからはKPファクトリーの状況説明をリアルに伝えましょう。ポールポジションからのスタートで、タイム的にも余裕が有り、スタートでフライングに注意してと、ドライバーに伝えました。一周のフォーメーションを終え再びグリッドに付きスタートを待ちます。シグナルスタート。ここで痛恨のスタートミス!排気量の違いから後続のサニー勢にはゼロスタートでは離されます。1コーナーには4位で進入。立ち上がりで接触を避けて1台にパスを許す。第一ヘアピンで1台を刺し、オープニングラップは4位での通過に。タイム差は2秒近くあるので、ピットもドライバーも慌てる事無く15周後のゴールでのトップを狙い走行。4周を終わる頃には3位にアップし、前車に付きながら走行。流石に決勝では易々と抜かせて貰えず、6周を迎えました。9周を迎え2位にアップ。9周目の1コーナーでインを刺し1位にアップ。そのまま快調に15周の走行を重ね2位の柳本選手B310サニーに6秒997の大差を付けてチェッカーを受ける。続いて第2戦が7月11日に行われる。オイルは前回のエンジンAZX1極とMT&デフのGEAR極は無交換でそのまま使用。日程的にテスト走行が出来ていないので不安要素が有りつつもコースイン。キャブレーションが合わずに、立ち上がりの加速が鈍くタイムが上がらない。時間的に交換する余裕が無いのでそのまま走行。結果、1分06秒903でクラス1位、総合2位となりました。総合1位は佐野選手HB310(1508cc)ピットロードサニー。3位は黒部選手PB310.早速、ジェットを変更。インダクションボックスがテスト不足でデーターが無いため取り外し。タイヤもバイブレーションが出ているとの事で新品に交換。初戦時に近いセッティングに戻し、決勝に向け準備。予選からの変更に手ごたえを感じ決勝グリッドに付きます。初戦のスタートミスを反省し、ドライバーの練習の成果を期待しつつシグナルを待ちます。1周のフォーメーションを終え再びグリッドに付きスタートを待ちます。シグナルスタート。最高のスタートにて排気量の違いも感じさせず1コーナーを1位で進入。立ち上がりでもしっかりとキープして1ヘアピンに進入。ここで痛恨のスピン!!エンジンスタートに60秒以上かかり、リタイヤを覚悟したときにエンジン始動。最下位まで落ち込みましたが、ここから炎の追い上げを見せます。毎周6秒台の予選を上回るタイムにて追走。(レース中のファーストラップタイム1分06秒175をマークする)場内放送でも驚異的な追い上げに実況がヒートアップ。まさか????の期待に誰もが胸躍ります。追走むなしく4位までのアップで終了。車の調子は予選時より良くなった分、残念が残ります。

このように勝負事は何が起こるか分からないが1300ccの古い車でも1分06秒175という立派なタイムをマークすることは素晴らしい。車好きが集まってチューニングとレースを和気藹々で楽しんでいるKPファクトリーを応援してゆきたいと心から思いました。長くなるので今回はここまで・・・。
●2004/03/23

新社屋立ち上げで忙しい日々を過ごしている間に季節は春爛漫でサクラの便りもちらほら聞こえてくる。新社屋と平行して新製品の開発も精力的に実施している。

車の構造は年々複雑になり制御も複雑となるにつれ特殊なオイルやフルードを使用する車種も増加傾向にある。そんな難しい構造や制御でも安心して使用できるのがスーパーアタックX1の特徴である。オイルで一番難しいのは粘度選定とオイルライフサイクルではなかろうか?ホンダ車のMTはオイルと言うよりフルードと呼ぶ専用のMTFを使用している。このMTFの粘度は一般的に明らかにされていないが当社調査によると5W-30のエンジンオイル相当とミッションにしては柔らかい粘度を使用している。ホンダ車を始めて購入しMTを経験するユーザーやショップは従来の観念から迷わずにギヤオイルを入れてしまうケースが多く見受けられる。夏場はともかく冬季の朝の寒冷時では2速ギヤの入りは当然ながら渋くなってしまう車も出てくる。もちろんサーキット重視の車で機械式LSD組み込みの場合はアタックギヤオイル(80W−90)を使用することになるが一般走行では当社のエンジンオイルAZX1を使用する人が多い。エンジンにAZX1FSを使用している人はMTオイルも同じAZX1FSを使用するケースが多い。エンジンオイルが極グレードであればMTオイルも当然のごとく極グレードを使用する。MT専用の疾風を新発売して大好評であるがホンダMTFと比較すると疾風のほうが少し硬い粘度と言える。多くの人が純正MTFにX1を添加するのが良いのか、AZX1を使用するのが良いのか疾風を使用するのが良いのか迷うことになる。このあたりの選択は、その車のギヤ入り具合、使用条件、走りのレベル、MTシンクロのヘタリ具合などによって変わってくるので一度試してみて比較しないと解らない部分もある。そんな複雑な事情を考慮し、それだったらホンダ純正MTFにぴったり合致するホンダMTF専用添加剤があれば簡単に解決できるという結論に到達し「
HMTX」という名称のホンダMTF専用添加剤を新規に開発した。容量は200ccと300ccの2種類。ギヤの入りは個体差が大きいので渋くない場合はFSグレード、渋い車は極グレードが選べるように考慮した結果、合計4種類となった。ギヤの入りがいまいちだったら何のためにMTを選択したのか解らない。価格的にも安価に設定したのでギヤシフトに少しでも不満を感じる方は早めにお試して見て欲しい。(詳細はHMTX説明を参照)
ビート・ライフ・バモスはMTオイル総量1.2リットル、S2000は約1.5リットルなのでHMTX・200cc。シビック&インテグラ・タイプR、ドマ―ニは2.2リットルなのでHMTX・300cc。NSXの5速は2.7リットル、6速は2.6リットルなのでHMTX300ccがベスト。ホンダ純正MTF専用に開発したので「相性が気にかかる?」とか「効果のほどは?」とか「添加率が多いと悪さをするのでは?」と気にする必要はないのでご安心を!
 
 

 話はエンジンオイルに変わるが、オイルの評価を一般的には「良いオイルだ」「悪いオイルだ」「タレが早い」などと一言で済ましてしまう。しかし、オイルの複雑な役割が理解できてくると、オイルは単純にメカニズムの潤滑を行っているのでは無くメカニズムに複雑に作用し、機能を高めたり、連鎖反応と波及効果で他に影響を及ぼしていることに気がついてくる筈だ。
私なりにオイル性能と言う姿形がぼやけている部分を浮き彫りにできないかと試行錯誤した結果、二つの図で表す方法に到達しました。一つはオイル性能曲線図、もう一つは12項目を評価点で表すレーダーグラフです。まず、オイル性能曲線図から説明すると、「あのオイルはタレが早い」とか「初期性能は凄く良いが落ちが早い」「最初はそれほどでもないが意外と後半に粘る」とか色々と表現するわけだが、ある意味では漠然として全体の性能を表していない。これらの言葉の裏に隠された真のオイル性能(オイル持続性)を数値化できないかと考えた結果、オイル性能曲線図がオイル持続性を比較するのに都合が良いという結論になった。何を頼りにするかは更に検討の余地は残されているが縦軸に加速タイム(0-200M.または0-400M)、横軸に年月または走行距離を当てはめると「オイル持続性曲線」が明らかになってくる。

この図は持続性を比較する目的にはピッタリであるがオイル全性能を表わし比較することは出来ない。

 
 
 
 
そこでオイル全性能を表すのに最適なレーダーグラフを別に作成してみた。

  
  
 レーダーグラフは12項目(パワー、トルク、レスポンス&ピックアップ、メカニカルノイズ{振動}、フリクション、アイドリング安定性、密閉度{圧縮圧力・ブローバイガス・ガソリン希釈}、油温、持続性{オイルのライフ&車の耐久性}、オイル消費、価格、コストパフォーマンス)を評価し、どの位の評価点が付けられるかを表している。アタックオイルが全て高評価でおかしいと感じとる人もいることと思う。その理由を明らかにすると、12項目の内、価格とコストパフォーマンスを除いた残りの10項目は独立して個別に存在するのではなく、全てがお互いに連動連鎖した結果として感じ取れたり測定値として明らかになってくる項目である。その源は「良い潤滑」が出来るか出来ないか?と単純である。良い潤滑ができればメカニカルノイズは静かになって当然である。本当に悪いオイルは新品に交換してもガチャガチャと耳障りな音が出る。また、見えない内部の潤滑部分をどれだけ保護できるか(保護性能)が耐久性に大きく関わってくる。アタックオイルにはスーパーアタックX1を全て配合しているので走るほどにメタルリペアが進行する。エンジンに強く作用する「オイル潤滑+リペア」を行うことが出来ると人間の血液を活性化したと同じような「良き循環サイクル」に入り込む、更により「高次元な元気な車」に発展してゆくことを解明しつつある。車は走行距離増大に伴い性能が劣化してゆくという常識は覆され、10万km過ぎても調子は落ちるどころか上向きになることが多くなってくる。反対のケースとして悪いオイル(悪い潤滑)と知らずに長年使用していると、いつの間にかオイル消費が増大し青白い煙を噴くようになったり圧縮圧力が低下してパワーが落ちたりと「悪循環サイクル」に陥り、やがては重大な故障に発展してしまう。多くの人がその原因が悪いオイルにあるとは気づかず「車や機械は使えば消耗する」という従来の概念から抜けきれない人がほとんどである。アタックのコストパフォーマンスが高価格の割に高い点数で評価されているのも、燃費やオイルライフサイクル、車の耐久性、故障率、修理代などトータルで考慮した結果の総合評価点である。