くまの日記 11月
11月○△日
今日は 小夜の中山峠に挑戦しました。この峠には車では何回か来たことがありますが、今日は日坂宿から 旧東海道を峠まで歩いてみました。
この峠は東海道の難所の一つといわれていて、さぞや昔の旅人を悩ませたのではと思われます。
西行法師が二度目の奥州下りの際 この峠でよんだのが
「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山」
このとき西行6?歳。源平の戦で 焼失した東大寺大仏の再興のため 奥州藤原氏に協力依頼に出かけたときのことだそうです。

 坂の途中で立ち止まれないほど急な坂道です。

急坂を登りきったあとは だらだらとした尾根伝いのゆるい坂道になります。両側は茶畑です。

 道の真中に 夜泣き石があったあたりです。

道沿いには句碑や歌碑がならんでいます。芭蕉の句がいくつかあります。
「命なりわずかの笠の下涼み」  西行の歌を意識したものですね。
「馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり」 (のざらし紀行)

峠の北側に望む粟が岳の山腹には お茶の木で「茶」の文字 が描かれています。 新幹線の窓からも東京方面から見えます。

 以前はもうちょっと大きな字だったような気がしますが・・・。

しばらく行くと 峠の茶屋 扇や があります。 扇屋は 江戸時代から300年以上続く茶屋で 子育て飴を売ってます。25代目の104歳の名物お婆さんがいましたが 今年亡くなったそうです。 2年位前にこのお婆さんから 子育て飴を買ったことがあります。

 後継者がおらず 市が管理することになるらしい。

この先に夜泣き石の久遠寺があり、その先は又急な下り坂で 菊川の里に下り さらに菊川の石畳の登りとなるわけです。
今日は この下り坂の途中で引き返しました。
これで 「薩埵峠」「宇津ノ谷峠」「小夜の中山峠」と 東海道で難所といわれる三つの峠を全て一応踏破しました。

11月××日
今日は森町の小国神社にもみじを見に行きました。
小国神社は遠州で最も古い神社で 遠江の国一ノ宮といわれ 1400年の歴史があります。


広大な敷地は 神代杉におおわれています。春は桜 秋はもみじに彩られます。
今日も紅葉狩りの人でにぎわっていました。車も渋滞してましたが なんといっても田舎ですから止められない程ではありません。
ここのもみじは一見の価値ありです。

もみじの写真はここにあります。

11月○×日
今日は 丸子宿と岡部宿の間にある 宇津ノ谷峠に行って見ました。
宇津ノ谷峠越えのルートは時代とともに いくつかのルートがあります。 古くは平安時代のルート「蔦の細道」。
蔦の細道は 伊勢物語で とりあげられて その名がついたそうです。
在原業平が 東下りの途中で この宇津ノ谷峠にさしかかり
「より行き行きて駿河国に至りぬ。宇津の山にいたりて、わがゆくすえの道は、いと暗う細きに、 蔦楓(つたかえで)は茂りて、物心ぼそう、すずろなるめを見ることと思ふに、 修行者あたり、かかる道にはいかでかおはするといふに、見れば、見し人なりけり。」
こんな寂しい峠道で 知り合いに遭うなんて偶然すぎる気もしますが・・・。
「京に、その人の御もとにとて、文かきてつく。」
ということで よんだのが
「駿河なる宇津の山べのうつつにも 夢にも人にあわぬなりけり」
です。京にいる彼女へのらぶれたーですね。
蔦の細道は その名の通り 人ひとりがやっとの険しい細道です。
蔦の細道。息が切れます。荒れ果てていたのを 昭和になって整備したらしい。

峠から岡部方面を望む。

鎌倉時代に 軍事上の都合で 新たに旧東海道が開かれました。
旧東海道

道のところどころに置かれているのはミツバチの巣のようです。

明治に入って トンネルが掘られたが 技術未熟で 東西から掘ったけど位置が合わず 真中でくの字に曲がっていたらしい。日本初の有料トンネルだったらしい。
明治のトンネル。今は真っ直ぐ。中はひんやり。

紅葉が美しい。

大正時代に旧国道一号のトンネルが掘られた。
大正のトンネル。今は県道。

昭和になって 現在の国道一号のトンネルが出来、つい最近 4車線化で平成のトンネルが出来ました。 宇津ノ谷峠には 明治・大正・昭和・平成と 全部で 四つのトンネルがあります。
旧東海道のつづらおりに沿って 宇津ノ谷集落があります。トンネルのおかげで静かなたたずまいです。 今でも 村人は 屋号で呼び合っているらしい。
御羽織屋には 秀吉が小田原攻めの際 ここを通った時に 秀吉から拝領の陣羽織が残っている。
宇津ノ谷集落。御羽織屋。


11月□日
今日は見付宿に行って見ました。見付は ジュビロ磐田の磐田です。 宿場としては 掛川から西に 袋井〜見付〜浜松となります。
この建物は 明治初期に建てられた 見付小学校の校舎です。
木造建築で なかなか美しい姿をしています。
真中に塔があるなんて 小学校とは思えませんね。
入り口が男女に分かれてます。


11月△日
今日は 日坂宿の西のはずれにある 事任八幡宮へ行ってみました。
事任は「ことのまま」と読みます。蝦夷征伐の坂上田村麻呂が創建したといわれてます。 願い事がそのままかなうということで有名です。
清少納言も 「社は」というところで  「ことのままの明神 いとたのもし。」*と言っています。




*このあと「『さのみ聞きけん』とやいはれ給はんと思ふぞいとほしき。」といってます。
でもさあ 何でも願いをかなえてあげるなんて 無理じゃない。かえって恨まれちゃうよ と神様に同情しているようです。

11月×日
今日は丸子宿にある 丁字屋へ とろろ汁を食べに行きました。
梅若菜まりこの宿のとろろ汁 芭蕉
東海道中膝栗毛では、弥次さん喜多さんが ここでとろろ汁を食べようとしますが、 店の夫婦がとろろのすり鉢を投げるわの大喧嘩で店中とろろだらけ。とろろの海の中で取っ組み合いの大立ち回り。 弥次さん喜多さんはほうほうのていで逃げ出し 結局 食べはぐれたようです。
丁字屋は 400年以上続いている 茶屋で 広重の版画にも描かれています。
とろろ汁はなかなか 美味です。一口食べた時は何杯でもたべられそうな気がします。
昔は 裏の横田山で取れた自然薯を旅人に食べさせていたそうですが 今は雨どいを使った栽培もののようです。
むかごの味噌あえもいけます。 
ところで売店で 生のむかごを買っている人がいましたが・・・。これが茹でられる日がくるのはいつのことやら・・・。

間口は狭いですが、奥になん部屋もあります。

広重の丸子宿。丁字屋と裏の横田山。

とろろ汁で お腹を満たした後は 静岡県立美術館まで心を満たしに行きました。 とても環境の良いところにあります。ロダンの作品展示で有名です。
心のあとは 今話題のロールケーキを求めて 清水の藤栄堂まで行きました。 藤栄堂はマップびとさんご推薦です。  行ってみてビックリ。なが〜〜〜い!!
ロールケーキしか売ってません。大きさはみな同じ。なが〜〜〜い。

切っちゃったあとで撮りました。なが〜〜〜い!!

11月○日
10月の終わりから急に寒くなりました。
今朝は 快晴。部屋の窓から 富士山がよく見えました。


近所を散歩していたら ブロッコリーの木がありました。



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