情報公開訴訟、差戻審 名古屋地裁結審

  (法人文書不開示処分取消訴訟)  (2004年9月27日)

 核燃(旧動燃)が1986年から87年にかけて実施した、高レベル放射性廃棄物処
分候補地選定に関わる報告書のうち、調査対象地域の公開を求める情報公開訴
訟、差戻審名古屋地裁審議は、第3回弁論が9月24日に行われ、結審しました。

  第1回弁論  2004年5月21日
  第2回弁論  2004年7月16日
  第3回弁論  2004年9月24日
  判決      2004年12月17日  13:10  1101法廷

◆核燃の不開示理由
 不開示部分が開示されると調査対象地区や調査対象地域に高レベル放射性
廃棄物が持ち込まれる等の誤解や疑念を生じ、業務の中間貯蔵施設予定地
の選定に重大な影響を及ぼすおそれがある。

情報公開訴訟では、おそれの事実認定は必要としない。経験則(常識?)で判
断すべきだ。
経験則によると、原子力に関する施設についてはその人の考え方によって、
誤報や誤解がされるものである。
現に本件に関しても新聞やテレビで誤報され、原告による誤解が、原告のHPで
拡大されている。

◆原告の反論
 被告は情報を公開すると二重の「おそれ」が発生するという。
@「誤解や誤報されるおそれ」が発生する。
A「(誤解や誤報されるおそれ)により被告の中間貯蔵施設の立地業務の適正な遂行に支障をきたすおそれ」が発生する。
被告はそれぞれのおそれを立証しなければらならない。
しかし被告が主張する「誤報」の例は誤報ではない。
被告は誤報の立証ができていない。従って「おそれ」も立証できていない。

 被告のいう「誤解」は、被告に批判的な意見をさすものであることから、情報の
公開によって反対意見が発生し、説得の負担によって被告の事業が困難にな
ることをさすことになる。しかし他の判例からも、情報公開法の目的からも、
説明責任は被告にある。

 中間貯蔵施設は高レベル放射性廃棄物の管理施設であり、高レベル放射性
廃棄物の処分場とは全く別のものである。
そもそも本件調査データは中間貯蔵施設の立地に使う予定はないと被告が公式
に表明している。従って本件情報は被告事業と直接の関連性はなく、公開しても
被告の業務に支障はない。
<被告の言う誤報や誤解に対する反論を陳述書として提出。>


◆原告の反論に対する被告の反論(2004年9月17日付)
 誤報や誤解は主張のとおりである。
 被告が指摘した誤報は経験則の補充にすぎず、事実の真偽や評価の適否は必
ずしも問題にすべきではない。
本件調査データは中間貯蔵施設の立地の初期検討をしている「現時点」では使う
予定はない。しかし立地点を抽出する段階では、「参考に供され得るものである」。

◆9月24日の口頭弁論で、原告からの指摘
 被告の準備書面では、本件データを中間貯蔵施設の立地に使うのか、使わない
のか、使うとしたらいつなのか、どの程度の可能性を持つものか、非常に不明瞭
で疑問を残したままの書面であることを強く指摘ました。

 被告は答弁する意志を示さず結審しました。


 ★原告の書面
    2004年5月21日  
    2004年7月16日
    2004年9月10日
  陳述書
    2004年9月10日
    
  陳述書に添付した資料
    私たちの主張(東濃は処分場になる可能性大)


 ★被告の書面や概要
  (1)http://www.jnc.go.jp/news/press/PE2004/PE04052101/index.html
  (2) http://www.jnc.go.jp/news/press/PE2004/PE04071601/index.html
  (3)http://www.jnc.go.jp/news/press/PE2004/PE04092402/index.html
   ・ 核燃の証拠説明書(2004年4月30日提出の目録部分)
   
  
   核燃提訴!提訴の資料へ                                                             

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