2002年11月13日(水)
朝5時、暗い中ホテルを出て前日に頼んでおいたタクシーに乗りヒースロー空港へ。
ロンドンのヒースロー空港カウンター
通常空港には搭乗する航空会社毎のカウンタがある筈だがサベナベルギ航空
専用のカウンタは無かった。
英語の話せるAさんがカウンタに問い合わせ、手続きをやってくれた。
(SN Brussels Airlines)7時15分発のサベナベルギー航空の飛行機に乗り
ブリュッセル経由でいよいよアフリカへ出発する。
イギリスとベルギーは時差が1時間あり、飛行時間は約1時間となっている。
9時30分ベルギーのブリュッセルに到着。乗換えていよいよアフリカだ。
空港の待合室を見渡すとやはり黒人が圧倒的に多い。白人もほとんどいない。
おみやげだろうか「バトミントン」のセットを持っている女性とか「ラジカセ」をそのまま手にした若者もいる。
サベナベルギー航空
サベナベルギーの飛行機は予想外に綺麗だった。
11時40分ブリュッセルを出発した。
これからガンビアのバンジュール空港まで約6時間だ。
ブリュッセルからスペイン、モロッコ上空を経てアフリカ大陸へ入る。
サハラ砂漠の上空。高度11900m。あと一時間ほどでガンビアだ。
機内で入国カードと一緒に始めてアフリカ入国する人に注意書きが配られた。

その内容は
「マラリアはアフリカの各国で流行している。感染されたエリアを去った後も30〜40日
の間マラリアの予防薬の服用を薦める。もし何か疑問を感じたら医者に相談しろ」

↑たぶんこういう意味だと思う。
さすが、アフリカだ。
アフリカの大地が見えてきた アフリカに着陸
高度を下げてきた。アフリカの赤っぽい大地が見え
てきた。
なぜか緊張する。
夕方5時半ごろガンビアのバンジュール空港へ到着。
バンジュールへ到着
機内でそれまで着ていたセータを脱ぎシャツ一枚になり袖を捲り上げる。
タラップで地上に降りると生暖かい空気が体を包む。
リムジンバスでターミナルへ。

税関を通る前にリーダのAさんから全員に注意される。
「荷物から絶対に目を離さないこと」
「声をかけられて荷物を持つと言われても必ず断ること」
「ここは日本じゃない、アフリカです」

全員に緊張感が走る。

改札口のような税関でパスポートをAさんが7人分をまとめて見せる。
何もなく通過する。ほっとした。
ところが通過してすぐ空港職員らしき男(胸に札をつけていた)が私に「パスポートプリーズ」と話し掛けてきた。
一瞬Aさんの注意が頭をよぎり、Aさんに「パソポートを見せろ」って言われているが・・と相談。
Aさんの一言「パスポートを見せると返すとき金を要求してくるから無視して!」言われたとおり無視する。
良かった!それ以上何も言って来ない。

税関を通って手荷物を受け取りにコンベアへ向かう。(といっても数mのところにある)荷物がなかなか出て来ない。
コンベアの上に乗っている空港職員がしきりに荷物はどれだと聞いてくる。
(これも無視する。金を要求されるとのこと)
カートを横に荷物が出てくるのを待っていると「来た。あ、ベルトがない!」とKさんが叫ぶ。
手にとると巻いていたベルトが無くなり鍵が半分壊れて隙間があいていた。
鍵穴に傷がついている。
結局もう一方の鍵が開かなかったので中身は無事だったらしい。
次々と荷物が出てきた。私の荷物も無事だ。ほっとする。

それぞれカートに乗せるといつの間にか男が現れて「No problem」と言いながら勝手にカートをどんどん押していく。
「No, thanks」「No, thanks」と必死でカートを奪い返す。
騒ぎ声が聞こえるので振り返ると荷物の受け取り場所で5,6人が職員を取り囲み騒いでいる。「荷物が無いとか騒いでいる・・・」
回りを見てもアジア系の人間は私達だけだ。白人もほとんどいない。

さあ今度は荷物の検査だ。
その荷物の検査もスーツケースを開けさせ、黒人達が取り囲み中身をかき回すという表現がぴったりというか手
を突っ込んでひっくり返して見ている。
中身を取られないかと不安がよぎる。
まだこのエリアは空港職員と旅客だけしか入れないはずだのに、黒人でごったがえしている。
まるでバーゲン売り場のような混雑だ
客引きか職員か区別がつかない。
リーダのAさんに先頭に並んでいると、横から職員がこっちへ持ってこいと指示する。
Aさんの荷物が開けられている。
横で私もスーツケースのベルトを外そうと手間取っていると、後ろから誰かが何か言っている。
するとその職員は「OK」といいまだ開けていないスーツケースにチョークで×印をつけ行ってよいと言う。
ほっとする。一緒に同行した仲間の荷物も検査をパスしてくれた。
(なぜか不明。ボランティアだからと誰かが言ってくれたのかも?)
ほっとしたのもつかの間、カートに黒人が次から次へと群がってきて俺にまかせろと言う。
「No, thanks」「No, thanks」の連呼である。
そうこうしているうちにAさんが迎えの人を見つけ抱き合っている。
ボランティアの現地事務所の人らしい。誰かわからないが、取りあえず握手を交わした。 (笑)

「この人たちはボランティアの人たちだからカートを預けてもいいわよ」Aさんの言葉に安心してその人たちに
カートを任せる。
ただ、誰が誰だかわからない。黒人の顔が皆同じように見える。
Kさんが、親しそうにその中の一人と挨拶を交わしていた。
Kさんは、今度が2度目なのだ。

ターミナルビルを出たところにボロボロの車が何台も並んでいた。
Aさんがボランティアの人と何か話し私達を3・2・2と3グループに振り分けそれぞれ車に乗るよう指示。
荷物をカートから車のトランクに移そうとすると、それまでカートを押してくれてたボランティア(?)
の人が手を出してくる。
「は?」ひょっとしてこの人ボランティアの人じゃ無いのか・・・・
なんてこった。
誰も頼んでないんだと「no money」と言いながら荷物をトランクに乗せる。
まだ渡すチップ(現地の通貨)も無いので渡すに渡せない。
男はブツブツ怒りながら去っていった。
訳もわからず指示されたボロボロの車(ベンツ)の後部席に乗り込んだ。
その間もあどけない小さい少女が花を持って買ってくれと近寄ってくる。
可哀想だが断る。
今度は男が窓に近寄ってきて手に何か書く真似をしながら「ペン・ペン」と叫ぶ。
ペンならもっているが、これも無視した。一人だけやるわけにもいかないからだ。
早くこの場所から去りたい。

そうこうしているうちに、運転席と助手席に黒人が乗り込んできて動き出しほっとした。
空港の駐車場を出るとき、前の車が止められて何か言われている。
私達の運転手は窓から手を振りながら何か叫んだ。
停車を命じた黒人と運転手がまるで怒号の応酬である。
そしてNON STOPで突っ走る。
海外旅行に行って空港からタクシーに乗った時のような楽しいイメージはまったく無く、まるで誘拐されて、どっかへ連れて行かれてるような感じである。
タクシーで走る
道路に出ると赤土の砂ぼこりの中をどんどん飛ばす。
80〜100kmぐらいだが、車がボロボロなので怖い。
信号も無い。人が横断してても徐行もせずぶっ飛ばす。
対向車が追い抜きをかけてきていてもかスピードを落とさずぶっ飛ばす。窓は全開。
声も出ずただ黙ったままでひたすら無事に着くのを待った。
でも、一体どこへ連れていかれるんだろう・・・皆、無言である
ハウスの玄関 ハウスの入り口
数十分たってメイン道路からガタガタの脇道に入った。
住宅街の白い塀の前に止まった。
家の中から現地の人が笑顔で迎えてくれた。
「nice to meet you」と挨拶を交わす。それぞれ自分の名前を言ってくれる
が、黒人は誰もかれも皆一緒の顔に見える。
建物は白い一階建てのハウスで中もゆったりしていた。
食事風景 グレープフルーツの絞りたて
中でジュース(変な味)を出され一息つく。
ハウスは空港から20キロほど離れたセレクンダ
(Serrekunda)という住宅街にあった。
実は、この地名も後でわかったのだが・・・
迎えにきてくれた人や事務所の人の自己紹介が始まった。

事務所にはエブライマ・ジャダマという名の32歳のガンビア人とモーリン・アダムスというナイジェリア
人の奥さん。
それに小さなレストランをやっているピータ・サンボとその14歳の娘アミ、難民の子ジョン、そして18歳
のパティ・ジャオ、30代のマイケル・ジャダの計7人が住んでいた。


そこへ私達7人が住む事となった。
私達の分として割り当てられた男女二部屋は、彼らが寝ていた部屋だが、今回私達のために開けてくれたも
のである。
そして彼らは庭に立っている離れ(小屋のようなところ)へ移ってくれていた。
私達の部屋は、きちんとベッドメーキングがされていて1人用の蚊帳もある。また机の上には新鮮なバナナも
用意してくれてあった。
水の写真 庭のココナツを飲ませてくれた
飲み水も私達のためにわざわざ買ってきて用意してくれてあった。
←マイケルは庭にあったヤシの実を切ってくれた。
質素で狭いが、綺麗な部屋だ。
女性達4人の部屋はシャワー付きで1つのベッドに2人づつ寝ることになったらしい。
バストイレ メイドさん(ジャリとハジ)"
ハウスには水道や電気、電話、シャワー室、水洗トイ
レもあり普通の生活が出来るようになっている。
このあたりは高級住宅街らしい。
トイレにはペーパも備えられている。
(現地の人は使わないようだが・・・)
魚を売りにくる メイドさんが料理してくれる
時々魚を売りに来る。メイドさんが料理をしてくれる。
でも皿に入れてる魚にはおびただしいハエがたかっていた・・・・ (笑)
庭
庭は広く大きなグレープフルーツの木が何本かと、シャワシャブという甘酸っぱい
実をつける木、バナナ、ココナツヤシ、レモンの木などが植えられており、中でも庭のグ
レープフルーツの木は鈴なりのようになっていた。

庭のバナナの木 グレープフルーツ

夕食はマカロニピラフに鶏肉が入った料理だった。
ま、ケチャップ味でなかなか美味い。
スイカも切ってくれた。
誰かが持ってきたアサリの味噌汁とお茶を飲む。
一息ついた感じ。
T君が持ち込んだノートパソコンを電話回線につなぎ、インターネットが出来るようにセッティング。
会社と自宅へメールを出す。
シャワーを浴びたあと一人用の蚊帳の四隅をベッドとマットの隙間に挟み込み蚊が入ってこないようにして寝た。


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