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あ れ こ れ 考 え る 26
 『十二階の柩』 『小泉八雲探偵帖』 うどんラーメン論争 『『クロック城』殺人事件』 名古屋で大市 続々閉店報告 『タイムトラベルの哲学』 名古屋古書即売会報告

『十二階の柩』 2002/3/15(金)

 今日は、千種区の新刊書店にふるほん文庫やさんが出店するというので、夕方行ってみました。
でも、しょぼい。本棚2つ分しかないんだから。しかも、ちょっと珍しい本は軒並み1280円!手も足も出ません。ちぇっ(-_-)

 そのまま帰る気もしないのでブックオフに寄る。購入した本は、
『パソ婚ネットワーク』矢崎麓夜(1994年太田出版)100円
『夢を盗む女』吉野昌之(1991年早川書房)100円
『明治必殺』楠木誠一郎(平13祥伝社ノベルズ)100円

 古書店に注文していた本が届きました。
『シロは死なない』北方謙三/絵 浦沢直樹(1991年小学館)700円
『くらやみに星をひろえ』北方謙三/絵 東元(1991年小学館)900円
 北方謙三の童話。北方謙三に限らず、こういう子供向けの本がどれだけ出てるのか、さっぱり把握できません。ただしこの2冊はまだ現役本かもしれないけどね。

『十二階の柩』楠木誠一郎(1996年講談社ノベルズ)読了
 明治43年12月16日、浅草の凌雲閣が、<亜細亜の曙>と名乗る者たちによって占拠された。「24時間以内に幸徳秋水始め26名を釈放しなければ、人質もろとも凌雲閣を爆破する」と書かれた声明文が警察、各新聞社に配布される。
 犯人像もその動機もはっきりしないし、主人公役の新聞記者の行動にもあまり必然性は感じられない。また、人質となっている石川啄木や北原白秋、中国人の2人などに案外活躍の場を与えられないのは誤算だったのではないだろうか。
 裏表紙にある「山田風太郎の奇想、南洋一郎の熱血、国枝史郎の虚実、それを一つに捏ね合わせたらどんな物語になるだろう」との、高橋克彦の賛辞はちょっとほめすぎのようだけどね。


 『小泉八雲探偵帖』 2002/3/13(水)

 NHKテレビ「おかあさんといっしょ」放送40周年記念として、
『歌のおねえさんグラフィティ』(平11講談社)という本が出版されていました。
 「おかあさんといっしょ」だったら、きっとなつかしい顔ぶれのグラフィティかと思いきや...
「歴代 歌のおねえさん」のページを見ても、だれ一人としておぼえておらんがな。
だはは... (^^;)

 その他の新刊購入は、
『書斎曼荼羅 本と闘う人々1』磯田和一 絵と文(2002年3月東京創元社)
 磯田和一氏が作家や評論家の書斎、書庫の現状を取材し、イラストで紹介したもの。
 1巻では、関口苑生、京極夏彦、佐野洋、大沢在昌、山田風太郎、井上夢人など17人分を収録。

『推理小説の源流 ガボリオからルブランへ』小倉孝誠(2002年3月淡交社)
 ガボリオの先見性を明らかにし、ルコック探偵から、ホームズ、ルパン、ポアロへの継承を跡付けることによって、ガボリオの復権を果たす。


『小泉八雲<へるん先生>探偵帖』楠木誠一郎(2002年3月双葉ノベルズ)読了
 ミステリを楽しめるかどうかは、テーマにもよるが、それが大人の読み物になっているか否かの点が大きい。この作品はその点で文句なし。登場人物の描写もうまいし、安心して読書にのめりこむことができる作品です。主人公のラフカディオ・ハーンの片言の日本語と、真っ直ぐな性格には、誰でもすぐに好印象を持つことでしょう。ミステリーとして大きな仕掛けがあるわけではありませんが、これはこれで十分。作品世界をこわすようなトリックは必ずしも必要ではないからね。


 うどんラーメン論争 2002/3/12(火)

 昼はうどん屋にて、うどんラーメン論争。
「やっぱり、ラーメンの方がバリエーションがあるよね。みそ味、しょうゆ味までは共通だけど、塩バターうどんなんかないもんね」
「豚骨うどんというのも、聞かないな」
「やっぱり、うどんの方が単調なのかな」
「でも、カレーうどんというのがありますよ。逆に、天ぷらラーメンというのはあまり聞かないし」
「なるほど、そういや、きつねラーメンとか、たぬきラーメンとかもないな」
「おかめもないし」
「ある意味、すみわけているとも言えるのかも」
 そこまでのことはないと思うけどね(^_^)


 今日買った古本は、
『十二階の柩』楠木誠一郎(1996年講談社ノベルズ)200円
『真説・伊藤博文暗殺』楠木誠一郎(平11年祥伝社ノベルズ)200円
 先日買った、楠木誠一郎『小泉八雲<へるん先生>探偵帖』を読み始めたのだけれど、これがほのぼのとした雰囲気で心地よい。やっぱり素直な小説が一番だなあと再認識させられました。
 それにしても、こんなにおもしろかったのですね>楠木誠一郎
 というわけで、上記2冊を購入

『踊るコンピュータ』東野司(1992年ジャストシステム)400円
 SF作家のパソコン本って、けっこういろいろ出てますね。

『シュレディンガーのアヒル』林一(1998年青土社)500円
 16篇の科学的小咄。「E・A・ポオによるベイビー宇宙の予見」、「荘子と恵子の多世界理論」、「ハムレットの数学狂い」、「アインシュタインの秘密兵器」など

『板前さん、ご用心』鷹羽十九哉(1989年文芸春秋)300円
『転職して、国会議員になった』辻元清美(1997年第三書館)100円


 『『クロック城』殺人事件』 2002/3/11(月)

 今日始めて行った喫茶店でコーヒーを頼んだのですが、しばらくしてから、
ちょっと時間がかかるけどかまいませんか?」と尋ねられました。
 えっ、なんでコーヒーで時間がかかるの?ひょっとしてエスプレッソ方式かなんかの店?
 コーヒーを頼んでこんなこと言われたのは初めてですが、ほんとにかなり待たされました。でも出て来たのは普通のコーヒーだったんだけどね。

 今日の新刊購入は、
『渡辺啓助集』日下三蔵編(2002年3月ちくま文庫)
『小泉八雲<へるん先生>探偵帖』楠木誠一郎(2002年3月双葉ノベルズ)
 2冊とも読むのが楽しみ。いや、ほんとに読むかどうかはわからんけど(^^;)

『『クロック城』殺人事件』北山猛邦(2002年3月講談社ノベルズ)読了
 巻末の60ページが袋とじなのだが、印象としては袋とじの外と内が反対だよ。袋とじの外では、『クロック城』に「真夜中の鍵」は存在するのか、世界は本当に終わってしまうのか、などと大風呂敷を拡げているのに、袋とじの内で語られる真相は物理トリックなんだから。これぞまことの竜頭蛇尾! 
 帯には、「本文208頁の真相を他人に喋らないでください。」などとうたっているが、こんな真相、人に話したってしかたないよ。
 世界の終末が出てきたって一向にかまわないけれど、どうせならそちらを真相として、袋とじのなかで突然打ち出して唖然とさせてほしかったね。


 名古屋で大市 2002/3/10(日)

 鶴舞をぶらぶらしていると、映画やさん&スプーキーさん登場!
 「ホームページ見てますよ」と声をかけられ、逃げ出したい気持ちに(^^;)

 今日は全国規模の大市で、今がちょうど昼休みなのだそうです。この数日はこの大市の開催準備で、名古屋の古書店はどこも多忙をきわめていたことは知っていましたが、やっぱり映画やさんも出品しているだとのこと。もっとも我々の方から見れば、この大市もいい本が他の地域、ほとんどは東京に流出していく行事に過ぎないわけですが、東京は日本中の方が本を求めに集まってくるところなのでこれもしかたのないことなんだろうね。

 「ところでスプーキーさんのお店の方は?」
スプーキーさんの返事は、「まだまだ」ということだったけれど、
映画やさんの話だと、
 「もう目ざといお客さんは来てるみたいですよ」
スプーキーさんも、「たまたまドアの開いてる時に、お客さんが入ってくることがあるんですよ」とそれを認めておられました。興味のある方は早いうちに覗いたほうがいいみたいですよ>スプーキーさんの店
 もっとも、店の場所は教えないけど(^^;)


 新刊購入は、
『われらの時代に』宮台真司/宮崎哲弥(2002年3月朝日新聞社)
 宮崎哲弥は注目している評論家。宮台真司には興味はないが、宮崎哲弥の最近の著作には共著が多いので試しに購入してみました。


 続々閉店報告 2002/3/9(土)

 今日は久しぶりに古本屋にまわってみましたが...  あっ、堀田にあった店もつぶれてる!
まだまだ続くのでしょうか>受難の季節

 購入した古本は、
『マンガ平賀源内 天下御免』脚本早坂暁/画ほんまりう(1990年平凡社)200円
 マンガでも出版されていたんですね>『天下御免』
 これは集めたいな。まだ現役本なのでしょうか?
『もしもし』ニコルソン・ベーカー(1993年第一刷、1995年第九刷白水社)700円
 「いま何着てるの?」から始まって、「じゃあね」と電話を切るまでの、純粋に電話の会話だけで成り立っている180ページの物語。
『ドミノ』恩田陸(平13年角川書店)700円
 恩田陸の小説はあまりおもしろいと思ったことはないし新刊でも買わないことにしているのだが、この作品はけっこう評判よさそうなので試しに読んでみようと思います。

 新刊書店にもしばらく行ってなかったので、のぞいてみる。
 購入した新刊は、
『SF Japan Vol.04』2002年春季号(徳間書店)
 今号は山田正紀特集。まことに申し訳ない話ですが、正直言ってこんなに評価が高い作家だとは思っていませんでした>山田正紀 m(__)m
 こんなにおもしろそうなら、こりゃ一回、気を引き締めて読んでみようかしら>山田正紀
『左眼を忘れた男』朝暮三文(2002年3月講談社ノベルズ)
『『クロック城』殺人事件』北山猛邦(2002年3月講談社ノベルズ)
『憂国の方程式』宮崎哲弥(2000年朝日新聞社)


 『タイムトラベルの哲学』 2002/3/3(日)

 桜山にある某店が閉店するとか、あるいはすでに閉店したとか聞いていましたが、今日浄心の別の店に行ってみると「近日移転予定」の貼り紙が... どうもこの店が桜山の店舗に移転するようです。
 店の方が電話で話をしていましたが、かなり悲観的。
 「今、移転の準備で、てんてこまいです。あっいえ、移転先は桜山です。ええ最悪。ほんとは駅裏にでも行きたかったんですけど断られちゃって... 移転は4月の初め頃の予定ですね。何回か行ってみたけど、ほとんど人も通っていないし、さびれた商店街です。瑞穂じゃあ1000円以上のお客は来ないよ、なんて言われちゃって。あはは...(;_;)」
 なんか、ひどいこと言われてますよ>瑞穂区民(^^;)


 新刊購入は、
『正義の見方』宮崎哲弥(2001年3月新潮OH!文庫)
 1996年洋泉社刊行の文庫化。単行本も持ってたとは思いますが、内容については読んだ記憶がないので改めて購入。
『新世紀の美徳 ヴァーチャス・リアリティ』宮崎哲弥(2000年7月朝日新聞社)


『タイムトラベルの哲学』青山拓央(2002年1月講談社)読了
 私が本書で心に残ったのは、人造人間の比喩です。
 人間はいろいろな感覚、例えば、風の冷たさ、ビールの苦味、ギターの音色を通じて世界と接触する。ここで自分と同じ能力を持った人造人間を製作する。彼は感覚は持たないが、ビールをうまそうに飲んだり、足の小指をぶつけて叫んだりする。ある日自分が彼と入れ替わっても、誰もその事実に気づくことはない。
 ここで気づくことは、人造人間と他者との類似性だ。われわれは他者の感覚の有無を決して確かめることができない。

 著者はタイムトラベルの実現可能性と認識可能性とを区別し、本書で問われるのは、タイムトラベルの実現可能性ではなく、認識可能性であると明確にする。
 本書では、まずタイムトラベルをテーマとしたSF小説一般に対し、いくつかの時間モデルを提出することにより、どのモデルから考えても論理が成り立たないことを示し、エンターテインメントの面を生かすために理論面が犠牲になっていると言う。
 また既存の哲学に関しては、例えばヴィトゲンシュタインや、大森荘蔵の「独コレ論」に対して、本当はよく知っているはずのことを知らないと自分に言い聞かせることで世界を矮小化していると論ずる。

 本書は一応時間論がテーマですが、その時間論が、終始タイムトラベルとの関連から論じられるところに特徴があります。著者は、タイムトラベルの実現可能性を論ずる前に、その地平としてタイムトラベルの認識可能性が論じられなければならないと主張しますが、逆に、タイムトラベルの実現可能性が否定されたら、本書のかなりの部分は、SF小説の論理批判という意味しか持たないことになってしまうのではないでしょうか。
 まあ、おもしろかったからいいけどね(^_^)


 名古屋古書即売会報告 2002/3/2(土)

 今日は、名古屋古書会館の即売会2日目。
しまった!送られてきた目録の封筒を持参すると100円引きだったのか。もっとも、普通、封筒まで保存している人はいないよね。

 購入本は、
『跳躍する裸女』竹田敏彦(昭23北斗出版社)1000円
 収録作は、「跳躍する裸女」「新聞記者」「眼で殺された女」「令嬢殺の犯人」の4編。タイトルからはミステリー短編集のようにも思われますが、どうなんでしょう。
『『ブラウン神父』ブック』井上ひさし編(昭61春秋社)500円
 さほど珍しい本ではありませんが帯付だったので購入。たぶん3冊目ぐらいか(^^;)

 そのほか、3冊100円棚では『八つ墓村』影丸穣也/横溝正史(1996年講談社漫画文庫)、『舞台裏の殺人』キャロリン・G・ハート(1991年ハヤカワ文庫ミステリアス・プレス)、『サタデーナイト・デッド』リチャード・ローゼン(1989年ハヤカワ文庫HM)を購入。


 お昼に、五目そばを食べていると、ガリッ!と尋常ではない歯ごたえが。 口から出してみると、長さ2センチ位の細い針金でできているバネのようなものでした。
店の人に、「これは何ですか?」と尋ねると、
あっ、また入ってましたか。どうも申し訳ありません。汚いものではないんですけどねえ」とのこと。
別に汚いものだとは思っていませんでしたが、危ないだろ。いったい何だったのよ?


 新刊購入は、
『謎のギャラリー 名作博 本館』 北村薫  (平14年2月新潮文庫)
『謎のギャラリー 謎の部屋』   北村薫編(平14年2月新潮文庫)
『謎のギャラリー こわい部屋』  北村薫編(平14年3月新潮文庫)
『謎のギャラリー 愛の部屋』   北村薫編(平14年3月新潮文庫)
 文庫版の『謎のギャラリー』を纏め買い。まずは『謎の部屋』の「遊びの時間は終わらない」を読み直す。単行本『謎のギャラリー』版に掲載されたときにも読み直しているんだけど、やっぱりおもしろい。
 この作品が小説新潮新人賞を受賞したのは今から15年位前だということですが、その当時、雑誌に掲載された時にも何度も読み直しているほど好きな作品なのです。たぶん、その号の「小説新潮」はいまだに捨てずにどこかにあるんじゃないかな。
 雑誌掲載当時は作者の都井邦彦氏の次の作品が出るのを心待ちにしていたのだけれど、解説を読むといまだに本になるだけの量の作品はお書きになっていないとのことです。すると他の作品もあることはあるわけ?あれば読んでみたいのだけど。


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