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あ れ こ れ 考 え る 24
 『戦争論争戦』 ラーメンとラーメンズ 『愛のひだりがわ』 名古屋即売会報告 『マックス・マウスと仲間たち』 『QED 式の密室』 『UMAハンター馬子(1)』 本場のビーフカレー 『立花隆「嘘八百」の研究』 付録つき雑誌 『ダブル』

 『戦争論争戦』 2002/1/30(水)

田中真紀子外相更迭のニュースが流れる中、
『戦争論争戦』田原総一朗/小林よしのり(1999年ぶんか社)読了
 小林よしのり『戦争論』は読む気がなかったので、この本も同様に買ってませんでした。
 このたび読んでみる気になったのは、古本屋で何も買う本がないので、この本でもいいやと200円で買ったからというだけ(^^;)
 終始、田原総一朗が小林よしのりをおだてながら、田原ペースで議論が展開する。小林よしのりからみたら、そのペースから最後まで抜け出せず、してやられたという感じを持ったのではないでしょうか(^_^)
 太平洋戦争に突入したことはやはり間違いだったと主張する田原氏に対し、あの時代では戦争に突入するしかなかったし、それを現代の観点から断罪するのはおかしいとする小林氏。田原氏には、戦中を生きてきて、あの時代は最悪だった、もうあのような時代にはするまいという考えが原点にあるのでしょう。それには十分共感できるし、この部分は田原氏の方にリアリティを感じます。
 しかし防衛論議になると、どういう立場からの発言でもそれにリアリティを持たせることは難しいものです。日本を守るためにはやっぱり軍備が必要じゃないのという意見には、どんな攻撃にも応戦できるためにはいったいどれだけの軍備があればいいと思ってるの、というような反論が成立してしまうのは、もともと日本が攻められるという前提自体が仮定の話だから。攻められたら降伏しちゃうのとか、じゃあ核を持ったほうがいいと思うのとか、ステロタイプな議論に終始してしまうのが常だものね。
 もちろん世界中で戦乱が続いているわけだから、それを無視した平和論も意味がないけれど、国際紛争の問題になると、今度は、国連軍による武力介入はいいのか悪いのか、その前提として国連軍の改革が必要だ、日本も常任安保理事国になってそれを主張すべきだ、などとやっぱりステロタイプな議論に向かってしまう。
 これはきっと防衛論議自体が、各論なし総論のみになりやすいテーマだからなのでしょう。いっぺん防衛問題ではどんな各論があり得るかから議論を始めてみてほしいものだね。

 

 ラーメンとラーメンズ 2002/1/28(月)

 家の近くのスーパーが先週つぶれてしまいました。いや、別にそのスーパー自体はどうでもいいのだけれど、スーパーの入り口で営業していたおばちゃんの焼きそば屋がなくなってしまったのが残念。日曜日の昼はここの「イカ焼きそばの大盛」を2つ買ってきて食べるのが楽しみだったのです。
 しかたない。昨日の昼は予定変更でラーメンをたべることにしました。実は私はここのラーメンは名古屋で一番だと思っているのです。醤油味で油っぽくてしつこいのだけれど、スープは澄んでいる。こんな説明でわかります?でもテレビや雑誌の「うまいラーメン屋」には、あげられたことがないようなのです。昨日私が店に入ったときも、客は1人もいなかったしね(^^;) もっとも私が食べている間に、かなりお客は入ってきたけど、もっとはやってもおかしくはないと思っています。ここに書いておけばこの店が有名になったときに目利きということになるのではないかと思い店の名前をあげておくことにしますが、瑞穂区の「ラーメン専科」だ!つぶれるなよ!

 ラーメンつながりでなんだけど、今日の新刊購入は、
『小林賢太朗戯曲集』(2002年2月幻冬社)
 ラーメンズの初戯曲集だそうです。
 今読み終えたばかりですが、不条理なテイストもある微妙なおもしろさを持った作品集ですね。帯で各社から発売されているビデオをCMしているのもかわってます。ビデオも買ってみようかな。


 『愛のひだりがわ』 2002/1/27(日)

 雨もやんだので床屋へ行くことにしました。
 床屋の定番の質問として「眉毛の下は剃りますか?」というものがありますが、いまだにこれにはどう答えたらいいのかよくわからない。そこで今日は、「剃る人と剃らない人のどちらの方が多いのですか?」と逆に尋ねてみました。
「えっ?どうでしょうね......剃る人の方が若干多いですかねえ......」というようなお答えでしたが、一般的にはどっちが多いんでしょうね。
 この店の壁には水槽がはめ込まれていて、熱帯魚が泳いでいます。
「餌は裏側からやるのですか?」
「ええ、そうじも裏からします。今はウチの若いもんに世話をしてもらってますけど、ひとりでやったら半日がかりですよ」
「最近は熱帯魚のビデオディスプレイなんかを設置しているお店も多いですよね。手間いらずだし」
「けっこうはやってますね。でも、私は小さい頃から生き物が好きだったんですよ。子どもの頃は鳥を飼ってましてね。20種類ぐらい飼ってました。ふくろうなんかも飼ってたんですよ」
「ふくろう!それは珍しい。餌なんかはどうするんですか」
「コガネムシとかミミズとかをとってくるんですよ」
 それだけ手間をかけた経験があれば、熱帯魚の世話ぐらい、たいしたことではないのでしょうね。

『愛のひだりがわ』筒井康隆(2002年1月岩波書店)読了
 主人公の愛は小学6年生の少女。母を亡くし財産を奪われ、蒸発した父親をさがす旅に出る。愛は幼い頃犬にかまれたため左腕が不自由なのだが、旅の間中、なぜか愛のひだりがわに、かわるがわる愛を守る人物(または犬)が登場する。
 舞台は今よりもちょっと世情が悪化した近未来。主人公の少女は犬の言葉がわかるし、少年は空中浮遊までできてしまうのだけれど、作者は意図的に超能力ものとはせずに、次々とまきこまれる事件を味方に助けられながらのりこえてゆく勧善懲悪の痛快な物語として仕上げました。
 どっちみち筒井ファンなら、どんな新作でも読むしかないんだけどね(^_^)


 名古屋即売会報告 2002/1/26(土)

 今日は、また名古屋古書会館の即売会2日目でしたが、やっぱり買うものがない。講談社コミックスのコミックノベルシリーズが何冊か並んでいたので、厳選して2冊だけ購入。
『青い宇宙の冒険』小松左京/画・愛川哲也(1985年講談社コミックス)700円
『刺青殺人事件』高木彬光/画・中城健(1984年講談社コミックス)700円
 レジ横に、リヴィン春日井古書籍即売会の目録が置いてありましたが、200円。確か、送ってもらってないなあと思い購入したのですが、家に帰ると郵便箱に届いてたぁ、ちぇっ(;_;)

 久しぶりにH21さんの店に行ってみると、
「植田近くに、古本屋ができたの知ってます?」と声をかけられました。
 お話をうかがってみると、最近、千種区にあった天心堂書店がいつのまにか店を閉め、今度こちらで開店したというのです。
「今から、いっしょにのぞきに行ってみましょうか」と誘われ、H21さんの車に同乗させていただきました。(もちろん、スプーキーさんが店番ね(^_^) )
「たぶんたいしたものはないと思いますけど、万にひとつは、とんでもない本が2括り、3括りころがってることがありますからねえ」
 結局そのお店は、ビデオと写真集しかないような店で、これがほんとに天心堂さん?と思うようなお店でしたが、それはともかく、こういうはずれがあったとしても、やはり日頃の地道な努力が大切なのでしょうね。

 新刊購入は、
『愛のひだりがわ』筒井康隆(2002年1月岩波書店)
 筒井康隆の、久しぶりの小説の新作\(^o^)/

『死んでも治らない −大道寺圭の事件簿』若竹七海(2002年1月光文社ノベルズ)読了
 大道寺圭の警察官としての最後の事件と、警察官をやめて著述家になってからまきこまれる5つの事件とが交互に語られていきますが、これがジグゾーパズルのようにきっちりかみ合っていくところは見事!
 趣向の勝利といえる作品だと思います。


 『マックス・マウスと仲間たち』 2002/1/24(木)

 今日は露天風呂のある銭湯に行ってみる。露天風呂といっても天井がなくて空が見えるというだけなんだけど、これがけっこう気持ちがいい。2階のガラス戸の外なのだけど、冬で寒いせいかあまりみんな外に出てこず、こりゃ貸し切り状態であります。うーん、ぜいたく \(^o^)/

 紀伊國屋書店から、『ぶたぶた2』安武わたる/原作矢崎在美(2002年2月宙出版)が届いていました。あっさり読み終えてしまいましたが、かなり原作に忠実だったのですね。そういえば1作目も買っただけでまだ読んでなかったなあと思い、今、取り出してきました。今から読もっと(^_^)

 その他の新刊購入は、
『死んでも治らない −大道寺圭の事件簿』若竹七海(2002年1月光文社ノベルズ)

『マックス・マウスと仲間たち』松尾由美(1997年朝日新聞社)読了
 美加は叔父夫婦から相談を持ちかけられる。叔父夫婦の息子の学が見合いすることを拒んでいるのだという。しかもその理由は、「自分は誰とも結婚したくない。なぜなら自分はマックス・マウスだから」だと言うのだ。
 良質なディズニー論にもなっており、学が美加にプロポーズした理由には驚かされるところもありましたが、全体としては思ったよりシリアスな話でした。読後感はそれほど快いとはいえないけどね。

 

 『QED 式の密室』 2002/1/22(火)

 紀伊國屋書店から『きれいな猟奇』滝本誠(2001年平凡社)が届きました。
 『本の雑誌』2月号で風間賢二氏が、『社会派くんがゆく!』と同じ穴のムジナの鬼畜本である、と紹介しているのを読んで注文していた本です。その第1章は「ツイン・ピークス再訪」 なんで今ごろ「ツイン・ピークス」と言う気もしないではないけれど、そういえばおもしろかったな>「ツイン・ピークス」
 25年後 「あなたの好きなガムが、また、はやる」 とか、よくわからない不思議な魅力があったよね。


『QED 式の密室』高田崇史(2002年1月講談社ノベルズ)読了
 いったいどうして、こんなまわりくどい形式をとったのか不思議。
 昭和31年に起きた密室事件について、その子孫の弓削が昭和61年に桑原崇と小松崎良平に語り、桑原崇がその謎を解く。その思い出話を、現在になって、桑原崇が棚旗奈々に話して聞かせるという話なのです。
 読者はもちろん事件については全く知らないので、棚旗奈々と同じ視点に立つわけですが、この小説の問題点は、この時点ですでに探偵がすべての真実を知っていることです。これってなんかアンフェアに感じない?
 もちろん、探偵が謎を解く昭和61年を基準に考えれば、アンフェアはないともいえるわけですが、それなら最初から、現時点で謎を解くことにしてしまい、昭和61年という中間時点など置かなければ、問題は生じなかったと思うのです。
 それなのに、わざわざ探偵の思い出話という形式をとったものだから、聞く方もそれにつきあわされてるという感じはいなめず、ましてや探偵役が聞き手に対して、「そうじゃない。これだけ説明したのに、きみはまだ何も解っていない」などと言うにいたっては、まったくのひとりよがりと思われてもしかたありません。もともと最初から探偵が勝手に思い出話をしているだけの話なんだからさ。
 しかも、結局は昭和61年当時の探偵の推理が真相で、現在、こうして話をしている中で、新たな真相が浮かび上がってくるという趣向があるわけでもないので、こんな形式をとる必要なんか全くなかったんじゃないの?
 また、本作の眼目である「安倍晴明伝説」の謎解きについても、とてもじゃないけど得心がいくものではないよね。なんで登場人物たちはあんなふうに納得できるのかな。
 QEDシリーズを読んだのはこれが初めてだと思うけれど、今後は読まないと思います
m(__)m


 『UMAハンター馬子(1)』 2002/1/21(月)

 今朝入った喫茶店で、渡された即席くじをコインでこすってみたら、1等!
 おー、1等なんて見るのも初めてだよ。いったいどんな賞品がもらえるんだと、どきどきしていたら......1等の賞品は入浴剤でした(^^;)
 おーい、そんな賞品でおおげさに1等なんてつけるなよ。それともなにか、1等を当てさせといてから賞品を知らせて、そのときの反応を観察しようとでも思っているのか(-_-)


『UMAハンター馬子(1)』田中啓文(2002年1月学研M文庫)読了
 「おんびき祭文」の語り部、蘇我家馬子と弟子のイルカが、全国を行脚し、UMA(未知生物)と不老不死の伝説を追い求める連作短編集、3編収録。
 蘇我家馬子は関西弁の最悪なおばはん。しかし神話、伝説に関する知識に精通しており、芸も一流。しかも推理もするし、UMAの謎まで解いてしまうのだ。
 おんびき祭文上演のくだりは、
 「おおん……おん……おん……おんびきびっき……びっきおんびき……おんびっき……どすんどすっ、どすっ、どすっ」と、圧倒させられるような描写でグッド。
 もちろん田中啓文だからダジャレだってある。「ネス湖のネッシー、屈斜路湖のクッシー、池田湖のイッシー、宅間湖のタクシー、出茂倉湖のデモクラシー、プラハ湖のプラッシー ………なんぼでもおるで」
 謎解きの要素もあるし、物語の縦軸として不老不死と世界の<ヨミカエリ>という伝奇的テーマも用意されているしで、今後も期待できそうです。

 本場のビーフカレー 2002/1/20(日)

 久しぶりに「文庫本30円の店」に寄ってみると、レジ横に、講談社X文庫の『メーキング・オブ・東映ヒーロー』やら、宇宙船文庫のキカイダー、仮面ライダーなどが積み重なっていました。
 「これも売り物なんですか?」と尋ねてみると、
 「ああ、これみんな、一人の方から買ったばかりなのです。まとめて業者の市に出そうと思ってね、ほら、まだこんなにあるよ」と、嬉しそうに、わざわざ別の山まで見せてくれました。
 なんだ、30円だったら買おうと思ったのに(^^;)

 カレーでも食べようかとカレーチェーン店に行ってみたのだけれど、昼時だったせいもあるのか店の外まで並んでいるのを見て断念。やっぱりカレーは根強い人気がありますね。
 そういえば、あるファミリーレストランでは定期的にカレーフェアをやっていて、そのメニューの中に「本場のビーフカレー」というのがあるのですが、そのメニューに関して、あるとき外国人らしいお客さんがウェイトレスに向かって注意しているところに遭遇したことがあります。
「本場のビーフカレーとおっしゃってますけど、インドでは牛肉は食べませんよ
ウェイトレスの女の子たちは「そういえば、そうよね」と、キャッキャッと大笑いしてましたけどね。

 田中啓文『UMAハンター馬子(1)』を読み始めました。3編収録されているうち、第1話を読み終えたところです。UMAというのはUNIDENTIFIED MYSTERIOUS ANIMAL 未知生物というような意味らしいのですが、第1話のネッシー類、第2話のツチノコはいいとして、なぜか第3話はキツネ。キツネはただの動物じゃないの?

 

 『立花隆「嘘八百」の研究』 2002/1/19(土)

『立花隆「嘘八百」の研究』別冊宝島Real 027(2002年2月宝島社)読了
 立花隆で私がもっとも好きだったのは、朝日ジャーナルに連載されていた「ロッキード裁判批判を斬る」でした。連載当時はこれを読むために毎週買ってました>朝日ジャーナル この連載は『論駁』という書名のソフトカバー3冊にまとまり、その後、書名を『ロッキード裁判批判を斬る』と連載中のタイトルに戻して文庫化もされてます(朝日文庫)
 本書は、浅羽通明、宮崎哲也、大月隆寛、斎藤環などの論客による多面的な立花隆の批判本ですが、この『ロッキード裁判批判を斬る』は批判の対象にはなっておらず、また宮崎哲也氏などは「立花氏の著作の中で、私がまず最良の部類に入ると評価できる」と賞賛までしているので一安心。
 立花隆批判としては、古くは、ロッキード裁判に関しては田中角栄擁護論者から法解釈上の論争(これは立花隆の方に分があったと思われる)、また『日本共産党の研究』に関しては日本共産党から「特高史観」との批判(これは共産党の方に理があるだろう)がありましたが、今回の批判は、佐藤進『立花隆の無知蒙昧を衝く―遺伝子問題から宇宙論まで』(2000年社会評論社 その後、増補改訂版が刊行)、谷田和一郎の『立花隆先生、かなりヘンですよ』(2001年12月洋泉社)によって火がついたといえます。
 ちなみに私は、佐藤進氏の著作は読みましたが、読み物としてはあまりおもしろくなかったな。谷田氏の本も買ってはあるのですが、こちらはまだ1ページも読んでない(^^;)
 本書では各論者が、立花隆が論じている環境ホルモンや脳死、精神医学、量子力学、IT革命、オカルティズムなどに関して、多岐にわたって批判していますが、これだけ多くの論客の批判が集まって本が1冊できあがってしまうというだけで「知の巨人」の面目躍如というところですね。


 古本購入は、
『日破殺連続殺人事件』高嶋泉妙(1998年KKロングセラーズ)240円
 著者は易学で有名ということですが、私は聞いたこともありません m(__)m >高嶋泉妙
著書をみると、九星方位、日破殺、四柱推命、風水、姓名判断などを雑多に解説されているようです。
 本書はタイトルから日破殺にちなんだ小説なのだとは思いますが、日破殺というのも知らないなあ。
どうも、犯人が方位術を駆使して逃亡する小説らしいんだけどね(^_^)


 丸善から目録が送られてきたのですが、備前焼展の目録でした。主催者も「ギャラリーなんとか」というところなんだけれど、なんでこんな目録が私のところにおくられてきたんでしょうね?


 付録つき雑誌 2002/1/18(金)

 最近は女性雑誌にブレスレットやストッキング、化粧品などの付録がついてくるというような話をよくききます。もっとも自分にはまったく関係がないことだと思っていたのですが、今日買ってしまいました>付録つき雑誌(^^;)
買った雑誌は『サライ 2002.2.7号』 ショルダーバックがついているのです。もちろんこの付録がほしかったわけではなく、目当ては「特集 篤志の明治人 星一」だったのですが。
 それにしても、以前は付録は雑誌にはさみこまなければならないというルールがあったと思うけど、これは本に紐で結んでいるだけ。今はこれでもよくなったのかな?

 その他の新刊購入は、
『殺す・集める・読む』高山宏(2002年1月創元ライブラリ)
 高山宏の推理小説論です。

 家に帰ると、別冊シャレード59号『仁木悦子』、63号『西澤保彦2』が届いていました。1号につき1人のみを特集するという試みが成功した雑誌です。
 また、週刊金曜日の見本誌(2002.1.11号)も送られてきていました。おそらく、以前、定期購読していた読者に送っているのでしょう。この号は新春特集として宮崎駿と筑紫哲也の対談が掲載されていたので書店でみかけた時に買うか買わないか迷った本なのですが、ああ、買わなくてよかった\(^o^)/


 『ダブル』 2002/1/16(水)

 久しぶりに新刊書店に寄ってみたら、高田崇史『QED 式の密室』(2002年1月講談社ノベルズ)が発売されていました。いや、とりたてて発売を楽しみにしていたわけではないのです。QEDシリーズもたぶんこれまで1冊も読んだことはないはずだと思うのですが、今年発売される「密室本」についている応募券を5枚集めると、『編集部ホンネ座談会』という非売品のノベルズをもらえるということなのです。それにしても、この本140ページ弱で700円もするんだよ。ちょっと高すぎない?
 ほんとは森博嗣の「密室本」も同時に発売されていたのですが、そっちはパス。どうしても応募券は5枚集めたいので、いざとなったら他の方の本を2冊買ってでも集めるつもりではあるけどね。

 その他の新刊購入は、
『カイン』中島義道(2002年1月講談社)
 「正しいことに」に怒ることは「不正なこと」に怒ることと同じほど自然である。
哲学者、中島義道の最新作です。

『ダブル』久綱さざれ(2002年1月学研)読了
 第1回ムー伝奇ノベル大賞最優秀賞受賞作。
 弁護士倉崎が捜索していた、遺産相続人の14歳の少年、純一は殺人未遂容疑で逮捕されていた。少年は、犯人は自分のドッペルゲンガーだ、と主張する...
 弁護士の倉崎は、伝聞だけであっけなくドッペルゲンガーという現象を信じてしまう。彼だけでなく、彼の事務所の後輩弁護士やスタッフまで簡単に信じてしまうのはなんとも不自然。
 また、殺人未遂の相手が別の被相続人であったため、少年の殺人未遂の罪が確定すると相続の権利がなくなってしまうという設定は、緊迫感があってとてもいいのに、序盤早々でその疑いが晴れてしまうのは興ざめ。これは後半まで引っ張るべきだったのでは。そうしていれば弁護士の主人公が謎を解こうと努力することにも、もっと説得力がでたはずだと思うのだけれど。
 さらに、せっかく生き神信仰に支配された村に調査に行ったのに具体的な村民も登場しないし、謎解きもすっきりしないし、選考委員は夢枕獏、皆川博子、菊地秀行というそうそうたる顔ぶれなので間違いないとは思うけど、ほんとにこれが最優秀賞?


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