かくれた名作9 2001/2/3

消えたおじさん
 仁木悦子(昭36 東都書房)
 


 こどもたちのための推理小説

 作者は言う。
 今日の日本の児童文学は、良心的児童文学と冒険活劇の2つの流れにわかれている。良心的児童文学は子どもたちから歓迎されておらず、一方、冒険活劇の方は、紙芝居の説明文程度で小説の体をなしていない。
 そこで、本作は、子どもたちに歓迎されるような、痛快で健康的な、子どもたちのための推理小説をめざして書かれたのだ。

 この本に限らず、こういった試みの歴史が、現在、この分野で活躍している、はやみねかおる氏のような洗練した作品として結実しているのだろう。

 と、それはさておき、現在この本は古本屋でしか買えません。読むことに意義があるとしたら、おれは読んだぞ、えへへ
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