あ れ こ れ 考 え る 63 |
| 『池中玄太80キロ』 宗教ミステリーはかくありたい 王様と遭遇 初めて『美術手帖』を購入 『封印作品の謎』 名古屋古書会館即売会報告 |
『池中玄太80キロ』 2004/10/23(土) 高島屋の三省堂に行ったついでにDVD販売店に寄ってみると、『池中玄太80キロ』DVD-BOXのT、U、Vが揃って並んでいた。最近はテレビドラマを見ることはないし、私が見ていたドラマの最後にあたるのがおそらく『池中玄太80キロ』なのである。これは買いたいところだが全部買うだけの金はないのでとりあえずVのみ購入。 購入した新刊は、 『リピード』乾くるみ(2004年10月文藝春秋) 『ミステリ十二か月』北村薫(2004年10月中央公論新社) 『願い星、叶い星』アルフレッド・ベスター(2004年10月河出書房新社) 『安倍晴明の一千年』田中貴子(2003年講談社選書メチエ) 『霧の迷宮から君を救い出すために』黒田研二(2004年10月実業之日本社ジョイ・ノベルス)読了 犯人はすぐわかった、と思ったら違ってました。それはともかくまた新しい趣向の作品ですね。独自の試みのある作品はそれだけで惹かれます。 |
宗教ミステリーはかくありたい 2004/10/17(日) 名駅に行ったついでに新刊書店に寄ってみる。おおっ、また、くろけんさんの新刊が出てる。 『霧の迷宮から君を救い出すために』黒田研二(2004年10月実業之日本社ジョイ・ノベルス) たて続けの新刊出版ですね。 ついでに『本の雑誌 2004年11月号』(本の雑誌社)も購入。特集は、「泣く子も黙るファンタジー!」 『聖フランシスコ・ザビエルの首』柳広司(2004年10月講談社ノベルス)読了 主人公がザビエルの時代によばれて、ザビエルが遭遇した四つの事件の謎を解く。どれも宗教的な要素とザビエルの立場がよく活きたいい事件だ。宗教ミステリーはかくありたい。 続いて、鳥飼否宇の『太陽と戦慄』も読み始めてみたがこっちはだめ。宗教とテロをテーマにして、しかも近未来を舞台にしてしまうと、それをストレートに書いても、あるいは真の動機を宗教以外のものにしても、スケールの点で現実の事件にハンデがあって難しい分野だと思うのだ。 |
王様と遭遇 2004/10/16(土) 今日は名古屋古書会館即売会の2日目。11時頃会場に到着。直ちに2階に上がるとソファに寝そべっているのは...... 王様である(;_;) 先を越されたか。これじゃあ、もう何も残ってないね。 会場を1周するが、案の定、何も買うものはなし。 無理して買ったのは、 『城山三郎の昭和』佐高信(平16年6月角川書店)750円 こんな本いらんがな。 会場を出ると、そのまま王様の車に乗せられ、 「じゃあ、サンリオSFの店まで案内してもらおうか」 「いいけど、この前私が全部買っちゃったからサンリオSFは1冊もないと思いますよ」 ところが行ってみると運よく閉まってた\(^o^)/ 王様と昼食をとりながら古本屋の近況について伺う。猫又さんの店が雨漏りで本に被害が出たらしい。そうか、それじゃあそのうち見舞いにでも行かなきゃね。 王様と分かれて、矢場町の紀伊国屋書店へ。王様推薦の 『魔術師 イリュージョニスト』ジェフリー・ディヴァー(2004年10月文藝春秋)を購入。 同じく矢場町のパルコ前を通ると、おっ、「橋本真也トークショー」の看板が。次の日曜日にある愛知県体育館の「ハッスル4」の宣伝も兼ねているのだろうが、かなり人も集まっている。さらに、 「この人オリンピックに出た人なんでしょ」などという会話が交わされていたりする。オリンピックに出たのは小川直也の方なんだけどね。来週の「ハッスル4」は行く予定がないので、一応、橋本真也の顔だけ見て行くことにした。まだ肩の手術が終わってないのでまだ試合にも出られないだろうし。 石井竜生、井原まなみ『壁のない密室』を読み始めてすぐ断念。学校現場が舞台なのだが、扶桑社をモデルにした教科書問題、日教組や教科書採択の問題など、テーマの取り上げ方があまりにも表層的で、しかもステロタイプ。もう勘弁してくれという作品なのである。 『ゆめつげ』畠中恵(平16年9月角川書店)読了 安政の大地震で行方不明になった青戸屋の息子新太郎を捜索したところ、三人も候補が現れた。神官の弓月は夢告で本物の新太郎を見分けるよう依頼される。 叙述の順番がもったいぶっているところが気になるが、後半段々面白くなり、思いがけないスケールにまで話が膨らんでいく。こういう展開は好みなので、かなり楽しく読めました。 |
初めて『美術手帖』を購入 2004/10/9(土) 目録注文していた本が届く。 『美術手帖1978年7月号』(美術出版社)1500円 ええっ、『美術手帖』! 目録にはそんなこと書いてなかったよなあ。 たぶん目録に載っていたのは、特集名の方の「影の宇宙史 SFイラスト考」だけだったと思う。でも、目録の掲載が『美術手帖1978年7月号』というだけだったらおそらく注文することもなかったろうし、この特集も100ページにわたる本格的なものだったので一応満足。 新刊購入は、 『聖フランシスコ・ザビエルの首』柳広司(2004年10月講談社ノベルス) 『壁のない密室』石井竜生/井原まなみ(2004年10月文藝春秋) 『太陽と戦慄』鳥飼否宇(2004年10月東京創元社) 『PLAYプレイ』山口雅也(2004年9月朝日新聞社)読了 遊びをテーマにした短編集、4編収録。 アイディアはそれほど奇抜なものではないが、書き方のうまさでぐいぐい惹きつけられ、最後にポンと突き放される小味な作品集。 「黄昏時に鬼たちは…隠れ鬼」に出てくる「マジ隠れ」と「ネタ隠れ」には、さもありなんと納得させられた。こういう細かいところをきちんと作るのが山口雅也のいいところだ。なお、この小説はは、現在e-NOVELSで連載中の『チャット隠れ鬼』とは別の小説でした。 『封印作品の謎』安藤健二(2004年10月太田出版)読了 これも面白かった。『ウルトラセブン』第12話などが封印となった経過を追ったもの。 これまで類似の出版物がなかったのは、この問題について書いただけで、執筆者は円谷関係の執筆活動ができなくなるだけでなくその出版社に対しても円谷プロからの版権がとれなくなるからだという。こういう著作を出版するところも太田出版ならでは。 |
『封印作品の謎』 2004/10/3(日) レンタルビデオ店で「弁護士猪狩文助シリーズ」を借りてきた。いかりや長介の猪狩文助も、原千晶の夏目理恵子も、小説のイメージとは違うけれど、これはこれで面白い。いかりや長介が柿の種をうまそうに食べるもんだから、私も買ってきてしまったよ。 新刊購入は、 『ゆめつげ』畠中恵(平16年9月角川書店) 他にもう1冊、 『封印作品の謎』安藤健二(2004年10月太田出版) 70年代前後に封印された作品について、封印された経過を追求したものということらしい。興味をそそられて購入。 取り上げている作品は、『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」、『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」、映画『ノストラダムスの大予言』、『ブラックジャック』第41話「植物人間」第58話「快楽の座」、”O157予防ゲーム” また巻末には「戦後の主な封印作品リスト」付 |
名古屋古書会館即売会報告 2004/10/2(土) 今日は名古屋古書会館即売会の2日目。ポスターによると10月4日の「古書の日」にあわせた催しということだが、即売会自体は10月1日(金)から3日(日)までなので、ポスターを見て「古書の日」の4日に行っても何もやってないはずだ。なんか知らんがまぎらわしいポスターだ。 通常、古書会館の即売会は2階だけで1階は倉庫代わりに使われているが、今回は1階、2階ともに会場になっている。そういえば、今回のように1階も会場になってしまう場合、補充本等のスペースはどこに確保しているのだろうか。今度、どこかの古本屋で聞いてみましょう。 会場に行ってみると、レジ当番の古本屋が歓談中。 「初日は○○新聞に掲載されてたし、今朝も○○新聞に載っていたけど、中日新聞だけは載ってないねえ」 「中日は野球の方で忙しくて、古本どころじゃないんでしょう」 「文化部は関係ないだろ」 「いや、忙しいから応援に行ってるんだそうですよ」 「でも○○新聞も、ここの番地までは書いてくれてないから、新聞社にもどこだかわからないという問い合わせが入ってるそうだよ」 でも少しわかりにくいところだから、番地が載っていても地図なしではたどりつけない人もいるのでは。実際私も、古書会館の場所を何度か尋ねられたことがあるし、それどころか道順を間違って教えてしまったことすらあるぞ。 1階2階と見てみたが、あいかわらずそれほど買いたい本はない。手ぶらで帰っても不思議ではなかった位だが、喜国さんの本に意識改革されて、「この即売会はオレのためにある」と考えるようになっているので、何かしら買うことにする。 『外宇宙の女王』A・バートラム・チャンドラー(昭53年徳間ノベルス)800円 『殺す』J・G・バラード(1998年初版、1999年再版 東京創元社)500円 でも冷静に考えると『外宇宙の女王』は800円も出して買うような本ではないよな。古書価値があるわけでなし、自分で読みたいというわけでもない。かと言って、この本を現在探している人だって、わが国で1人もいないだろうし。 『幻影のペルセポネ』黒田研二(2004年9月文藝春秋)読了 ネット上の世界と、現実で、符合した事件が連続する物語。いろいろな趣向とサプライズが用意されているのだが、私はパソコンゲームをしたことがないのでネット上の世界に引き込まれるという感覚にあまり共感できず、そのためかえって、読んでいる最中は「どういうどんでん返しがあっても、それもありだよな」という浅い部分の理解ですませてしまったかもしれません。幻影上の世界特有の本格推理を組み立てようという新しい試みに対する作者の熱意は伝わってきたので、もう一度読み返して、その「舌を巻くこのうまさ」(有栖川有栖)を理解してみたい。 |
| 以前のページ | 以後のページ | あれこれ考える | HOME |