あ れ こ れ 考 え る 61 |
| 何を計算しているのか 宇宙家族ロビンソン よくやった永田 雑居時代 桜庭和志スペシャル 赤川次郎は見つけにくい 『卵のふわふわ』 『ぶたぶた日記』 店主から45度の立ち位置 刑事よろしく 君といた未来のために |
何を計算しているのか 2004/8/29(日) 某店では、店番のおばあさんがソロバンをはじく音が店内にこだましている。しかもそれが延々と続いているのだ。 いくらなんでも、おたくのお店でそれだけの売り上げはないんじゃない。不思議に思ってレジまで寄ってみると、 あっ、机の上にはソロバンしかない!おばあさんは何もないところで、鬼気迫る勢いでソロバンをはじき続けているのだが、うーん、いったい何を計算しているのでしょう? 古本購入は、 『パンドラ’Sボックス』北森鴻(2000年6月光文社カッパノベルス)100円 『快楽読書倶楽部』風間賢二(1995年創拓社)700円 『梶原一騎、そして梶原一騎』大塚祐哉(1997年風塵社)1000円 新刊購入は、 『SFマガジン 2004年10月号』(早川書房) 特集は「ジーン・ウルフ」 書店でジーン・ウルフの『ケルベロス第五の首』を立ち読みした時には、とっつきにくい作品だと思い購入を保留したのだが、本誌掲載の鼎談「『ケルベロス第五の首』に謎はない」を読んでみるとちょっと面白そう。 『人形は遠足で推理する』我孫子武丸(1995年講談社文庫)読了 この作品もノベルス刊行時に読んでおり今回は再読。やはり長編になると鞠夫の活躍が少なくなってしまうし、特に本作品のバスジャックのような事件では、鞠夫が解決する必然性が乏しい。そのうえ犯人の無実が証明されても、バスジャックそのものに関しては有罪なのだから結末の座りが悪いのだ。さらに園児が人質にとられるという大事件では、いつものような鞠夫シリーズの軽さでは終われないことにも、異質な印象が残った。 ビデオ「雑居時代」全26話を聴取終了。 記憶では緊迫感に欠けた作品だと思っていたが意外に面白く見ることができた。 昔のドラマは最近のドラマのような連続性には乏しく、1回ごとに話が完結するのが普通だが、それにしても行き当たりばったりの作品でした。特に、杉田かおるが演じる「亜麻里」の出生の謎、母親に不実があったのか、「亜麻里」の名前の由来など、様々な疑問が最後まで放り出されたままで終わってしまう。 もっとも行き当たりばったりというなら、同じ石立鉄男と大原麗子コンビで始まりながら、途中で大原麗子が突然抜けてしまう「気まぐれ天使」の方が、数段上なのだが。 最近、石立鉄男作品が数多くDVDになっているようである。当面、「パパと呼ばないで」は購入予定だが、本当に見たいのは桜田淳子と共演した「玉ねぎむいたら」なのである。ここまでDVD化は無理かな。途中挿入される石ノ森章太郎の漫画もいい雰囲気なのだが。 |
宇宙家族ロビンソン 2004/8/27(金) さっそく「パパと呼ばないで」のDVDを探しに販売店に行ってみると、ええっ、「宇宙家族ロビンソン」のDVDが出ているではないか! ファーストシーズン29話を完全収録。これは買わないわけにはいきません。 「宇宙家族ロビンソン」はLDボックスの5、6を持っているのだが、かんじんのレーザーディスクを持っていないため、今まで見ることができなかったのだ。またビデオ版の1〜3巻も持っているはずだが、それもどこに行ったかわからなくなっていたし、ようやく見ることができます。 というわけで「パパと呼ばないで」は次回に。さらに10月には池中玄太80キロのDVDボックスが3つも発売されることも判明。うーん、DVDも買いだしたらキリがなくなりそうだ。くわばら、くわばら。 |
よくやった永田 2004/8/26(木) シドニーオリンピックの銀メダル保持者で、現在新日本プロレス所属の永田克彦が予選敗けしてしまった。金メダルを期待していたので残念だが、今回はオリンピック出場もぎりぎりだったし、参加することに意義があったね。よくやった。アマレスリングはこれで十分ですね。もっともプロレスへの転向も微妙なところだとは思いますが今後の活躍を期待しています。 先日購入した「雑居時代」のビデオをぼつぼつ見ている。昔、再放送時に見たことがあるが、その時も「パパと呼ばないで」の後番組だったため、それとの比較で緊迫感に欠けた作品というイメージが残っていた。 「パパと呼ばないで」と同様、石立鉄男、杉田かおるコンビが登場するものの、この作品では杉田かおるが脇役なために、まったく違う雰囲気のドラマになったのだろう。当時はその緊迫感が薄いところがものたりなく感じたのだが、今回みてみると、そのほんわかしたムードが貴重なメリットに思えてくる。 もっとも、近いうちに「パパと呼ばないで」のDVDも買ってしまうことになるのかもしれないが。 新刊購入は、 『黄金孔雀』島田一男(2004年8月ゆまに書房少女小説傑作選カラサワコレクション4) 唐沢俊一監修のカラサワコレクション最新刊。底本は『黄金孔雀』(昭和26年光文社)とのこと。 『天のろくろ』アーシュラ・K・ル=グイン(1979年サンリオSF文庫)読了 主人公が夢を見ると、現実が遡って夢のとおりに改変されてしまう。それを知った精神医は、彼に世の中をよくするための夢を見させようとする。 人口過剰を解決する夢を見させると、10年前に遡って、疫病の発生によって70億人の世界人口のうちの60億人が死滅していた。 地球人どおしの戦争をやめる夢を見させると、月に異星人が出現し、地球人と月面で争っていることになった。 月には異星人がいないという夢を見させると、異星人は月から離れ、地球に降り立った。 というように何度も世界をやり直そうとし、そのたびに混乱が増していく物語。 作品自体は単調な話だが、想像力を掻き立てるような設定。もう少しうまく使える素材ではなかろうかと感じてしまうのだ。 |
雑居時代 2004/8/21(土) オリンピックもそろそろレスリングが始まる頃かと思い新聞のテレビ欄を見てみた。もっとも興味があるのはアニマル浜口の娘浜口京子と、プロレスデビューはしていないが新日本プロレス所属の永田克彦(永田裕志の弟)の二人だけなのだが。 しかし今日もまだレスリングは始まらないようだ。それとは別に今週は24時間テレビもあるんですね。今年は杉田かおるが走ると書いてある。その番組は見る気はないが、杉田かおると言えば、鶴舞の古本屋に「雑居時代」のビデオが売ってたよなあ。全巻で3万円位だったか。 わざわざ確認に行ったら9巻で1万8千円でした。で、買っちゃった(^_^; 1973年10月から1974年3月まで26話。今、見始めているのだが、杉田かおるは小学3年の役。ところどころ「バカでも××でも」とか「××みたいな格好やめてよね」などとセリフが消されているところも時代を感じさせる。ちょい役だが島田淳子(本作品時では、浅野真弓に改名)が出演しているのもうれしい。時期的にはNHKのタイムトラベラーの放送後にあたるようだ(タイムトラベラーは1972年1月、続タイムトラベラーは1972年11月に放送)島田淳子は、夏木陽介主演のNHKドラマ「明智探偵事務所」(1972年4月〜10月)にもアシスタント役で出演していた記憶があるが、違うか? 古本購入は、 『背徳のレクイエム』田中啓文(1993年集英社スーパーファンタジー)100円 田中啓文の初期本は1,2冊持っていないものがあったはずだが、それが何なのかわからない。この本はどうだっただろうか。 『方舟は冬の国へ』西澤保彦(2004年8月光文社カッパノベルス)読了 見知らぬ3人が、「夫」「妻」「娘」の役割を演じて夏の1か月間を別荘で暮らすことになった。その別荘にはいたるところに監視カメラと盗聴器が仕掛けられているという。ところが、そこで暮らしているうちにお互いがテレパシーで話せるようになり、さらに別の現象まで現れてくる。 この設定自体はさほど目新しいものではないが、その真相は心底あきれるものだ。すばらしい!こういうのが好きなんだよね。結末も強引だけど、この物語にふさわしい決着のつけ方はこれしかないんだから文句は言わないこと。 |
桜庭和志スペシャル 2004/8/18(水) 小川直也がエメリヤーエンコ・ヒョードルに秒殺敗け(54秒)という衝撃から3日、げん直しにレンタルビデオ店で『桜庭和志スペシャル プロレスラー最強伝説』を借りてきた。全試合について桜庭和志と山口日昇の解説付きという豪華版。今、ホイス・グレーシー戦をやってるところだけど、勝つことがわかってるから心安らかに見れるなあ。桜庭もホイコーロ飯を食べながら解説してるし。このDVDを中古で売ってるところがあるから、今度買ってくるか。 お盆が終わったので、新刊がごっそり出版されているのではないかと思い新刊書店へ。でも、買いたい本はあまりない。 『小説すばる 2004年9月号』(集英社) 目当ては井上夢人の霊導師あや子シリーズ。さっそく読んでみたが、今回は今までと違ってネタが明かされず、あや子が本当の霊能者と思わせるような内容になっている。この後の展開が気になる。 『本格推理委員会』日向まさみち(2004年7月第1刷、2004年8月第2刷shc) すでに第2刷ということは結構売れてる小説なのか。それならと試しに買ってみる。それにしても、帯の滝本竜彦の「これほど居心地のよいミステリは初めてだ。」という賛辞は何とかならなかったのか。ホームズの頃から現在に至るまで、ミステリには居心地がいい作品が古今東西に充満しているのに、いまさら何を言ってるのでしょう>滝本竜彦 また、ネット書店に注文していた、 『コミック星新一 午後の恐竜』(平15年7月初版、平16年5月5版 秋田書店)が届いていた。このシリーズも今後はきちんと購入していくつもり。 『喧嘩御家人 勝小吉事件帖』風野真知雄(平16年祥伝社文庫)読了 勝海舟の父、勝小吉は20代の頃、その父の平蔵により3年間座敷牢に入れられる。本書は、小吉が、幼少の息子麟太郎(後の勝海舟)のしぐさにヒントを与えられながら、座敷牢の中で自分の損得勘定で謎を解くという連作推理もの。8編収録。 解説者の「とんでもないどんでん返し」と銘打たれた解説を鵜呑みにすると本編を読んで拍子抜けするだろう。推理ものとしては他愛のないものが並んでいるのだ。また、時代考証もあやしい。登場人物たちに「うつ病」や「ひきこもり」などの言葉を、現代と同様の意味で使わせるのもどうかと思うし。 |
赤川次郎は見つけにくい 2004/8/14(土) 新刊書店で女子高生らしき2人が赤川次郎の本を取ったり戻したりしながら議論中。 「三毛猫ホームズって、どれを読んだかわかんなくなっちゃう」「それと、どの店にもない本が多いし」「そうそう、赤川次郎ってほんと見つけにくいよね」 それはないだろ。 購入した新刊は、 『喧嘩御家人 勝小吉事件帖』風野真知雄(平16年祥伝社文庫) 喧嘩御家人勝小吉が、幼少の息子勝海舟からヒントを与えられながら、座敷牢の中で謎を解く。8編収録。 1つ目の作品を読んでみた。推理小説としては他愛ないものだが作品の雰囲気は心地よさそう。 古本購入は、 『舞姫』佐々木丸美(1981年講談社)100円 佐々木丸美は今まで1行たりとも読んだことがないし今後も読むことはないに違いない。 『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎(2004年7月講談社)読了 舞城王太郎の作品は本質的には純文学なので読み手を選ぶはずなのだが、講談社ノベルスの印象も強いため、ミステリーやSFしか読まない私なんかでも、つい買って読んでしまう。本書では小説を小説で論じる立場が鮮明に表れているが、レベルの高さは間違いないので読んで損することはないと思う。 |
『卵のふわふわ』 2004/8/12(木) 「ココ壱番」というカレーチェーン店で、8月限定という「激辛カレー」を注文してみる。「激辛」というぐらいだから相当なものだろうとおそるおそる口には運んでみたが、あれ、たいしたことないじゃない。これならバクバク食べれるぜ。 でも食べ終えてしばらくしてから胃が痛みだす。うっ、後からダメージが来るのか? 鶴舞の古本屋によって1冊だけ購入。 『黒猫 他2編』中学時代一年生 昭和34年2月号付録(旺文社)500円 閉店直前なのであわてて買ったのだが、この値段ならパスしてもよかったか。収録は「黒猫」「大渦巻」「盗まれた手紙」の3編。 新刊購入は、 『メフィスト2004年9月号』(講談社) 目当ては「暗黒館の殺人」完結記念対談 綾辻行人VS喜国雅彦 本になったときに、喜国さんの挿絵がどれだけ収録されるのか楽しみ。それにしても4日間の話で4年間の連載とはすごいですね。 『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』宇江佐真理(2004年7月講談社)読了 6編収録。1作目の「秘伝 黄身返し卵」に登場するのは、黄身と白身がひっくり返って、外側が黄身、内側が白身のゆで卵。「八丁堀喰い物草紙」という副題から毎回美味しい食べ物が登場する話だろうと思っていたので、その秘伝が明かされるところでは少しどきどきさせられたが、思っていたような内容ではなかった。 夫と舅が北町奉行所の同心なのだが捕物帖でもなく、夫との心の行き違いを舅と姑に慰められながらの夫婦生活(後半からは別居生活)を描くという内容の連作集。読みやすい小説だったが、私が読みたいジャンルでもないし、今後この著者の本を読むことはないと思います。 『人形はライブハウスで推理する』我孫子武丸(2004年8月講談社文庫)読了 ノベルスで出たときに読んでいるが、最近、『人形はこたつで推理する』『人形は眠られない』と再読していたので、その継続で本書も改めて文庫で購入したもの。 ところが内容はまったく覚えておらず、初読と変わらずに読めたのは嬉しい事なのか、情けない事か。それにしてもこのシリーズはおもしろい。まだまだ続けてほしいが。 |
『ぶたぶた日記』 2004/8/10(火) ぶたぶたの新作を求めて新刊書店へ。ラッキー!もう出版されてました。 『ぶたぶた日記(ダイアリー)』矢崎存美(2004年8月光文社文庫) 出版社が徳間書店から光文社にまた変更。徳間書店もこんなにおもしろいシリーズを手放すことないのに。でもとりあえず新作が読めるようになったのはよかった。 その他には以下のものを購入。 『夢見る人の物語』ロード・ダンセイニ(2004年8月河出文庫) 『本の雑誌2004年9月号』(本の雑誌社) 特集は、「汗と涙の本売り体験」。圧巻は堺三保氏の2万冊強の一挙売り、50万円。うう、安い。うち、サンリオ文庫は140冊60,000円、ソノラマ海外25冊15,000円、江戸川乱歩推理文庫65冊25,000円。2万冊も売る本があるなら古本屋でも始めた方がよかったのではなかろうかと、他人事ながら惜しんでしまう。よしだまさしさん、kashibaさんも登場。 『IN POCKET 2004年8月号』(講談社) 特集は「決戦対談 逢坂剛×大沢在昌 世紀の対決!"怪盗ルパンvs名探偵ホームズ"」 『人形はライブハウスで推理する』我孫子武丸(2004年8月講談社文庫) これはノベルスで出たときに読んでいるけど、最近読み返したくて家の中を探していたもの。文庫で出たんなら家の中を探すより買ったほうが早いや。 『ぶたぶた日記(ダイアリー)』矢崎存美(2004年8月光文社文庫)読了 ぶたぶたがカルチャースクールのエッセイ講座に通う。カリキュラムは月2回で全6回。各回について、ぶたぶたを除く受講者5名と講師の計6人の視点から語られ、次々と癒されていく。あいかわらずおもしろいよお。今回は登場人物の一人がぶたぶたの過酷な生活を共有するというおまけ付き。 徳間デュアル文庫はどこの書店にでも並んでいるというものではないので、今回、光文社文庫に移ったのは、かえってこのシリーズにとってはいいことなのかもしれません。これを機会にいっそうファンが増えて次々と新作を発表していただきたいものです。 |
店主から45度の立ち位置 2004/8/8(日) 今日は久しぶりに猫又さんの店へ。 店内に入ると、店主に45度の角度で立っているお客が一人。店主と本棚の両面を睨む立ち位置である。店主と話しをしながら本にもチェックを向けているわけで、おそらく古書店に通い慣れた方なのでは。と思ったら墨さんでありました。今から数年前、1度だけ三松堂さんでお会いしたことがありますが、今でもこんなところまで出張っておられていたのですね。まったく抜け目ないぜ(-_-) 猫又さんのお店にはクーラーがないため、お互い顔に玉の汗を浮かべながらの挨拶。またお会いしましょう。 購入した本は、 『いろかぶれ枕草紙』実相寺昭雄(昭56年日刊スポーツ社)1000円 『ミステリーと色彩』福田邦夫(1991年青娥書房)800円 『ザ・クライム』山野浩一(1978年冬樹社)1500円 他に読むための本として、若竹七海の『サンタクロースのせいにしよう』(集英社文庫)200円、『プレゼント』(中公文庫)300円も購入。 宇佐見真理の『卵のふわふわ』を読み始めたが、想像していた内容とはずいぶん違うようだ。 今月、光文社文庫から矢崎存美『ぶたぶた日記』が出版されるとのこと。楽しみ。 |
刑事よろしく 2004/8/6(金) 今日行こうとしている古本屋は正午にならないと開店しない。時間つぶしに、その近くにある某所にケーキを差し入れ。先週、誕生日会に呼んでもらったお礼も兼ねてるんだけど、いまだに誕生日会が継続されているのもすごいな。 着いたのは11時45分頃なのでケーキは午後からゆっくり食べてもらうつもりだったのだが、昼食直前にもかかわらず、みんなどんどん選んで食べ始める。ハーブスの大ぶりのケーキなのに、まったく元気なメンバーだぜ。 しかし収穫はさっぱり。 『吉本興業殺人事件』桂三枝(1988年扶桑社)300円 『新青年ミステリ倶楽部 幻の探偵小説』中島河太郎編(昭61年青樹社)350円 『理不尽大王の高笑い』冬木弘道(1998年フットワーク出版社)500円 『新青年ミステリ倶楽部』と『理不尽大王の高笑い』はダブりだ。とくに冬木弘道の本をほしがる人はかなり限られているはずだ。私の目から見ると貴重な本なんだけどね。 新刊購入は、 『好き好き大好き超愛してる』舞城王太郎(2004年7月講談社) 『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』宇江佐真理(2004年7月講談社) 宇江佐真理の本を買ったのは初めて。もちろんタイトルに惹かれただけ。 『改訂文庫版まるごと宮部みゆき』朝日新聞文芸編集部(2004年8月朝日文庫) 2002年に朝日新聞社から刊行された単行本の改訂文庫化 帰ってから、レンタルビデオ店で借りてきたビートたけし主演のテレビドラマ『刑事よろしく』を視聴。当時『西部警察』の裏番組だったが、共演者は岸本加代子、梅宮辰夫、ケーシー高峰、秋野陽子、安岡力也、戸川純、松尾伴内、川上麻衣子、菅井きん、藤田弓子などという錚々たる顔ぶれ。出演者では『西部警察』に勝ってたんではないか。ドラマとしてはまがうことなきD級なのだが、琴線に触れる作品なんだよな。 |
君といた未来のために 2004/8/1(日) 昨日、久しぶりに行ったビデオ店で、以前とびとびに見ていたテレビドラマ「君といた未来のために」を見つけてしまう。『リプレイ』の焼き直しのようなドラマだったのだが、当時は最終回を見逃しちゃったんだよね。それでも最近では唯一何度か見ていたテレビドラマだったので、借りてみることにした。昨日の夕方からずっと見続けて、今朝の午前4時位までかけて全巻見てしまったのだが、つじつまは合っていないし、テーマも一貫していないしで、出来としてはまあまあというところ。しかし眠いぜ。 昨日は新刊をまとめ買い。 『SF雑誌の歴史 パルプマガジンの饗宴』マイク・アシュリー(2004年7月東京創元社) 『小酒井不木探偵小説選』論創ミステリ叢書8(2004年7月創論社) 『海野十三戦争小説傑作集』長山靖生(2004年7月中公文庫) 『コミック星新一 空への門』(2004年8月秋田書店) 『まだらの紐』ドイル傑作集1(2004年7月創元推理文庫) 『スサノオ第1号』志村有弘責任編集(2004年7月勉誠出版) 『ねこのばば』畠中恵(2004年7月新潮社)読了 「しゃばけ」シリーズ第三弾、5編収録。帯には「えっ、あの若だんながグレちゃった」とあるけれど、今回のハイライトは幼なじみ菓子屋の栄吉の妹、お春の嫁入り。この後はちょっとさびしくなりそう。 『完全無欠の名探偵』西澤保彦(1995年講談社ノベルス)読了 西澤保彦未読本、読破計画の一環。探偵役の前に立つと、誰もが自分の心の奥にわだかまる不審な出来事をしゃべられずにはいられなくなり、真相まで悟らさせるという超能力の持ち主。こういう設定だったら、こんなに大勢の登場人物を出して複雑にしても、それほど効果は上がってないような。それよりシリーズものにでもしたほうがよかったような気もするが。 読みかけだった、桐生祐狩の『小説探偵GEDO』は3編読んだところで断念。小説世界に入って探偵活動を行い、その小説の行間の中から真実を探るというものだが成功作とは思えないのだ。 小説内小説は長編の設定なのだが、もともと読者にはあらすじしか示されていないのだから、もともと行間だらけなのである。その行間からいくら真実が明らかになっても、読者には驚きようがない。 作中作をオリジナルの長編に設定するなら、短編連作集では無理ではなかったか。しかし長編なら前例は数え切れないほどある。あるいは有名な作品の真実を明らかにするという方法もとれたとは思うが、そちらも前例はいくらでもある。(最近では柳広司『贋作『坊ちゃん』殺人事件』がよかった)結局、本作の一見目新しく感じられる部分は、実は本作がそこまで突き詰めておらず、たんなる未分化によるものだと思うのである。 |
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