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あ れ こ れ 考 え る 60
 午後5時は、「こんばんわ」 サイコものの叙述トリック 誰が依頼者? いつのまに韓国ドラマブーム 猪狩文助シリーズ 名鉄パレ古書即売会報告

 午後5時は、「こんばんわ」 2004/7/24(土)

 午後5時頃、ブックオフの店内に。
男性店員からは「いらっしゃいませ、こんにちは」
女性店員からは「いらっしゃいませ、こんばんわ」
と、奇妙なハーモニー。
 男性店員は「そうか、もう5時ですからね」と照れたように話すと、
女性店員も「いえ、まだこんなに明るいので、こんにちはの方がいいかもしれませんものね」
 お互いに譲り合うのはいいけれど、客のことはそっちのけだよ。それでも意見を調整したらしく、次の客からは「いらっしゃいませ、こんばんわ」に統一されていた。
 肝心の収穫本はなし。

 新刊購入は、
『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』エドワード・D・ホック(2004年7月ハヤカワ文庫HM)
 怪盗ニックシリーズのうち、サンドラが登場する短編10作を収録
『小説探偵GEDO』桐生祐狩(2004年7月ハヤカワSFシリーズJコレクション)
 小説世界に入って探偵活動を行う、小説探偵連作集。7編収録。試しに1作目を読んでみたが成功作とは思えなかった。あと1、2作読んでもこの調子だったら読むのをやめてしまうかも。
『SFマガジン2004年9月号』(早川書房)
 特集は、「時空間の彼方に」。
 おーい、今確認したら、ここに掲載されている2つの文は、ともに『時空の歩き方』という本から転載しているだけではないの。そんなので特集なんて言わないでよ。
 ところで、『小説探偵GEDO』に関しての、桐生祐狩のインタビューも掲載されているので、このインタビューを読んでから、2作目以降の作品を読むかどうか考えるとしよう。

『パルテノン アクロポリスを巡る三つの物語』柳広司(2004年7月実業之日本社)読了
 2500年前のギリシャを守った英雄たちの物語。
 「巫女」は、自分自身は超常現象を全く信じていない巫女アリストニケが、ペルシャとの戦いの際に、託宣によってギリシャに勝利をもたらした奇跡の話。アリストニケの託宣はほんとうに奇跡だったのか。
 「テミクレス案」は、ペルシャの大艦隊をサラミス海戦で破り、ギリシャを守ったテミストクレスが裁判にかけられる。その裁判でテミストクレスは、一方では英雄として語られ、また一方では裏切り者として語られる。真実はどちらか。ここで民主制は英雄を欲しないというテーマが語られる。
 「パルテノン」は、総帥ペリクレスが、親友の工房主フェイディアスに神殿の復興を任せる。フェイデイアスはその神殿を、もともとは巨大なアテナ像をおさめる部屋の名前として考えていた、「パルテノン(乙女の間)」と名づける。そして着工からわずか15年でパルテノン神殿は完成する。しかしそのペリクレスとフェイディアスが裁判にかけられる。ここでもまた民主制は英雄は欲しないというテーマが再現されることになる。

 各作品ともに、真実が二重に解釈できる構成になっているため、作品世界に深みを与え、かえってリアリティのある物語に仕上がっている。
 何度も繰り返される「民主制は英雄は欲しない」というテーマは、現在の民主主義にまで射程が届いている。いいかえれば、民主主義が絶対的のものではないことは古代ギリシャ時代から見通されていたことだったともいえるのか。


 サイコものの叙述トリック 2004/7/21(水)

 そろそろクロケンさんの新刊が出版されるというので新刊書店へ。あっ、もう売ってた!今回はまた二階堂さんとの合作だったんですね。
『永遠の館の殺人』黒田研二/二階堂黎人(2004年7月光文社カッパノベルス)
 二階堂さんがサイコものの叙述トリックと明記しているけれど、「サイコものの叙述トリック」という趣向自体はそれほど珍しいものではないし、そこまで宣言したうえで驚かすことなどできるのでしょうか。

 もう1冊、『ねこのばば』畠中恵(2004年7月新潮社)も購入。「しゃばけ」シリーズの連作集、5編収録。このシリーズは短編の方が合っていると思うので本書も期待できそう。

 読み始めているのは柳広司の『パルテノン』。古代ギリシャを舞台にした歴史小説3編を収録したものだが、これはおもしろそう。


 誰が依頼者? 2004/7/20(火)

 帰りに鶴舞の古本屋に寄る。目に付いたのは、
『シャーロック・ホームズの恩人』長沼弘毅(1974年家の光社)1500円
 以前800円で買った本だが、その後ある人にこの本の探索を依頼されていたのだ。1500円という値段は微妙なところだが、帯付だし勘弁してもらえるんじゃないかと思い購入することにした。
 今、依頼者を確認するためメールソフトを立ち上げてみたが見つからない。そうか、パソコンを買い替えてるのだった。依頼者のメールが保存されてるのは、1つ前か、ひょっとしたら2つ前のパソコンかも知れんなあ。そのうち調べますね。

 続くはいつもスルーしている大嫌いなD堂なのだが、今日は均一棚に
『ぼんくら社員と令嬢』三橋一夫(昭46年春陽文庫)100円
が置いてあったため、やむなく手に取り店内へ。あいかわらず、おざなりな対応だが、100円の客だし、しかたないわな。

『禁断の館殺人事件』和久峻三(2001年講談社文庫)読了
 このシリーズは、老弁護士猪狩文助が法廷で奇矯な態度を取り続け、検事や裁判官を煙に巻きながら、法廷を自分のペースに巻き込んでしまうところが魅力なのだが、本作では推理力があるだけのただの弁護士。そのため普通の法廷ドラマになりさがってしまっている。
 もともと法廷物は展開が予想の範囲内に収まってしまい芸のないものが多いのだが、このシリーズもそういう話に変わっていたとしたら残念だな。


 いつのまに韓国ドラマブーム 2004/7/19(月)

 いつのまにか書店には韓国ドラマの関連本が氾濫している。そんなに面白いのだろうか。もちろんいまから韓国ドラマを見る予定はない。そもそも日本のドラマにしたところでこの十何年と見ていないし、見たドラマといえば「池中玄太80キロ」位までさかのぼってしまう。「北の国から」すら1度として見たことがないのだから。
 それでもDVDで発売されるという猪狩文助シリーズは見てみたい。レンタルビデオ屋で出るなら借りたいし、そうでなければ買ってもいいな。

 そんなわけで、講談社文庫から刊行されていることを知った和久峻三の猪狩文助シリーズ、『罪を逃れて笑う奴』(2000年)、『禁断の館殺人事件』(2001年)、『二重の危険』(2002年)、『悪女の玉手箱』(2003年)の4冊をさっそく購入。
 とりあえず夏目理恵子が再登場となる『禁断の館殺人事件』から読み始めてみたのだが......うーん、ちょっと文章が冗長なのは長編だからか。もともとこのシリーズは短編向きだと思うのだが。

 そのほか、買いもらしていた新刊も購入。
『誰でもない男の裁判』A・H・Z・カー(2004年6月晶文社)
 実現した夢のミステリ短編集−山口雅也
『怪盗クイーンと魔窟王の対決』はやみねかおる/K2商会・絵(2004年5月講談社青い鳥文庫)

 また読みたい本も結構ふえたし、やはり今のところ、テレビドラマまでは見る余裕はなさそう。


 猪狩文助シリーズ 2004/7/18(日)

 猪狩文助シリーズのDVDボックスが発売されるとのこと。うーんそれは楽しみ。和久峻三の作品の中で、このシリーズは、昔、大好きだったのだ。
 それでブックオフの100円コーナーでこのシリーズをまとめ買い。全部読んでいるはずだと思ったが、『殺人者が目覚める朝』(講談社文庫)には覚えがなかった。それもそのはず、刊行が1997年。その前の作品が1985年なので10年以上も間が開いている。その時期には、猪狩文助シリーズはもう書かれることはあるまいと思い、フォローしていなかったのだ。

 今、HPで確認してみると、その後も講談社文庫から、『罪を逃れて笑う奴』(2000年)、『禁断の館殺人事件』(2001年)、『二重の危険』(2002年)、『悪女の玉手箱』(2003年)と続々と出版されていた。近いうちに全部買わなくちゃ。

 ついでに買った古本は、
『最後に死ぬ奴笑う奴』有明夏夫/高橋常政・絵(昭58年集英社文庫)100円
 全編、電話の会話だけの「テレフォン・ノベル」。しかも絵と文が五分五分と言う趣向の文庫本。
『僕が地球を救う』脚本/中園ミホ・相内美生  ノベライズ/浅野美和子(2002年音楽専科社)100円
 テレビドラマのノベライズらしい。この音楽専科社って、『メバエ』とか『ナカヨシ』とかを刊行している出版社だよね。


『百器徒然袋 風』京極夏彦(2004年7月講談社ノベルス)読了
 痛快な小説を読みたかったら薔薇十字探偵シリーズ。まだこれが2冊目の刊行だが、京極夏彦の作品中で、このシリーズが一番好きになりそうだ。


 名鉄パレ古書即売会報告 2004/7/17(土)

 今日は久しぶりに古書即売会に行ってみた。会場は丸栄スカイル。丸栄と丸栄スカイルの区別はつくのだが、どこまでが栄メルサでどこからが丸栄スカイルなのかはいまだにわからん。
 それはともかく最近はほとんど古本を買っていないので今日はリハビリの意味もこめて購入するつもり。
 購入した本は、
『怪奇大作戦解説本』思想脳労(1998年初版、2002年5版びぶりお出版)500円
 これは同人誌。
『カジノ・フォーリー』創刊号〜4号(1983年〜84年カジノ・フォーリー社)5000円


 新刊書店にも寄る。購入したのは、
『パルテノン アクロポリスを巡る三つの物語』柳広司(2004年7月実業之日本社)
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一』『巻ノ二』(2004年7月徳間書店)
『ネオ少年探偵 妖奇城の秘密』芦辺拓(2004年6月学研エンターティーン倶楽部)
『星月夜の夢がたり』光原百合/鯰江光二・絵(2004年5月文藝春秋)


『小森課長の優雅な日々』室積光(2004年7月双葉社)読了
 帯の惹句と違って、内容は社会に拡がる殺人者の輪という話。するする読める話だが中身は薄い。前作の『都立水商』、『ドスコイ警備保障』のいずれも未読だが、読む必要はないかな。


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