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あ れ こ れ 考 え る 58
 駒子って誰だっけ 『シェルター』 『各務原氏の逆説』 『アリア系銀河鉄道』 『誰も私を倒せない』 解説文の注意点 『模倣密室』 『あなたは古本がやめられる』 ちくさ正文館で纏め買い やはりおもしろい曾我佳城シリーズ 『いつか、ふたりは二匹』

 駒子って誰だっけ 2004/5/31(月)

 新刊購入は、
『スペース』加納朋子(2004年5月東京創元社クライムクラブ)
 駒子シリーズ第三作というが、『ななつのこ』も『魔法飛行』も読んでいるはずだがストーリーはおろか駒子のことすらまったく覚えておりません(^_^;

 古本屋にも寄ってみたがあいかわらずほしい本はなし。マンガでも買ってみる。
『風雲児たち 5』、『6』、『11』みなもと太郎(昭58、59、61潮出版社)各250円

 横溝正史ミステリ大賞の『風の歌、星の口笛』を読み始める。SFミステリーなのだろうが、150ページほど読んだところではSFの設定が安易で軽すぎる気がするのだけれど。


 『シェルター』 2004/5/29(土)

 古本屋では、
『マンガ平賀源内 一 天下御免』脚本早坂暁/画ほんまりう(平凡社)300円を購入
 『二』は持っていると思うが何巻まで出てるのか。原作はおもしろいけれどマンガ版はどうなのか。

『シェルター 終末の殺人』三津田信三(2004年5月東京創元社ミステリ・フロンティア)読了
 結末で明らかになる真相は、その可能性にはすぐ気がつくものの、それだとより大きな難問が生じるため不可能に感じていたのである。ところがそこはさすがは三津田信三、そこを強引に突き抜けて、力技で収束させてしまう。賛否はありそうだが、私には面白かった。


 『各務原氏の逆説』 2004/5/23(日)

 古本はあいかわらず買うものなし。
 それに比べると新刊は次々と買いたいものが出てくるからいい。昔は「新刊でもう読むものがなくなってしまったから古本に手を出した」というような台詞も聞いたことがあるけれど、これだけ新刊が氾濫する時代では様相は全く違いますね。

『シェルター 終末の殺人』三津田信三(2004年5月東京創元社ミステリ・フロンティア)
 三津田信三の新作。本作はホラーではなくミステリーのようだが読むのが楽しみ。
『ドアの向こう側』二階堂黎人(2004年5月双葉社)
 渋柿探偵シリーズ第三弾。またシンちゃんに会える。
『活字倶楽部 04'春号』(雑草社)
 特集は、「ミステリー、好きですか?」

『各務原氏の逆説』氷川透(2004年5月徳間ノベルス)読了
 氷川透は今まで読んだことがないが、「チェスタトンも真っ青の各務原氏の逆説」と書かれた帯に惹かれて読んでみた。でも、全然たいしたもんじゃありませんでした。こりゃ逆説じゃなくてただの推理だな。
 また登場人物表に、(重要な人物が一人だけ抜けていますのでご注意ください)とあるのにも期待させられたが、その収束も期待はずれ。たいした仕掛けではないのにおおげさすぎるよ。


 『アリア系銀河鉄道』 2004/5/16(日)

 今日は別にどこに行く予定もなかったのだが、知人から、すでに東野圭吾の『ちゃれんじ?』を入手したことを教えてもらい、さらに葵さんのサイトで天城一の作品集が刊行されたことまで知ってしまっては、あわてて書店に駆けつけるしかない。

 購入したのは、
『ちゃれんじ?』東野圭吾(2004年5月実業之日本社)
 東野圭吾のスノーボード挑戦記。
 あっ、くろけんさんも写真入りで登場している。「好青年に見えるが、後にとんでもない奴だと判明する」などと書かれてるぞ。
『天城一の密室犯罪学教程』日下三蔵編(2004年5月日本評論社)
 実践編、理論編、及び摩耶正シリーズを収録。
『IN POCKET 2004年5月号』
 特集は「初めての真保裕一&東野圭吾」
 さらに綾辻行人の「暗黒館の殺人」が完結。私が読むのは本になってからなんだけど。


『アリア系銀河鉄道 三月宇佐見のお茶の会』柄刀一(2004年4月光文社文庫)読了
 宇佐見譲博士が主人公のファンタジーミステリー連作集。
 佳多山大地、二階堂黎人、福井健太、巽昌章、太田忠司の5人が解説、絶賛しているのだが、これは読者に求めるレベルが高い作品群だなあ。
 一番わかりやすい作品が「探偵の匣」だということからだけでも全体のレベルの高さがわかるというもの。この「探偵の匣」にしたって十分長編になるネタなんだから。
 柄刀一の作品を読むのはこれが初めてなんだけど、他の作品も読んでみなきゃ。


 『誰も私を倒せない』 2004/5/15(土)

 今日は久しぶりに安城市に行ってみると、途中、お二人組のご婦人に声をかけられました。案の定、地図が出てくる。道を聞きたいんでしょうけど、無理だよ、私も名古屋から来てるんだから。
 ところが探しているのは「ギャラリーがらんどう」なのだという。
 つい、「それなら私もそちらの方向に行くところなので、途中までご一緒しましょう」と答えてしまいましたが、そこってどうみても、私がいま行こうとしている「古本屋がらんどう」と同じところだよなあ?確か二階がギャラリーだったか。上がったことないけど。
 でもいまさら、実は私もそこに行くところだったとは言いずらくなって、店の前までお送りして自分はそこを通り過ぎてしまいました。しかたないので近くの喫茶店に入って待機することにしたのだが、まったく時間の無駄だよな。

 時間を見計らって店に引き返すが、それだけ苦労したのに買いたい本はなし、がっかり。
『劇画力道山』原作:山田隆/桜井康雄 画:田丸ようすけ(昭58年東京スポーツ新聞社)600円
『日曜日ラビは家にいた』『月曜日ラビは旅立った』ハリイ・ケメルマン(ハヤカワポケットミステリ)500円


 名古屋に戻って、この前の『初期創元推理文庫 作品&書影 目録』がどうなっているかを確認に某店へ。やはりその本は店に残ったままだったが、店主が留守で、即売会の貼紙がしてある。そうか、今日は名古屋古書会館の即売会だったか。それで店主もそこに行ってるわけね。

 おかげで9000円を出さずに済んだので、その代わりに近くの別の店で、
『SFXポスター・コレクション since1950』小松左京監修(1986年実業乃日本社)3800円を購入。高いようだが定価だ。いい本だし。
 その後古書会館にも行ってみたが、案の定買うものはなし。即売会はあいかわらずだ。

『誰も私を倒せない』伯方雪日(2004年5月東京創元社ミステリ・フロンティア)読了
 これはおもしろかった。現在のプロレスの状況を反映した上で、プロットもそれに密接に関連した、まごうことなきプロレスミステリーである。プロレスと総合格闘技の両方をこなせるマスクマンを登場させるための手段を呈示した第1作目など、現実には難しいだろうがその着想にはわくわくさせられた。
 意外な結末ではないけれど、いくつもの事件の最終的な解決が、「プロレスとは、最強とは何か」という本作のテーマに収束していくところにも好感が持てた。作者のプロレスへの愛が感じられるのがいい。
 それにしても巻末の笹川吉晴の解説も、小説の解説を大きく超えて熱いプロレス論になってしまってるよなあ。もっとも、解説者がプロレスとミステリーをアナロジーとして併置させて論じている部分にはかなり無理が感じられるのだが。
 なお、解説者が昨年の乱歩賞受賞作『マッチメーク』に対して、「そこで描かれるプロレス界がひと昔からふた昔前のイメージであること、ディテールのほとんどが、新日本プロレスのレフェリーだったミスター高橋による一連の暴露本そのままであることから、プロレスファンにとっては満足のいく出来とは言い難かった」と評価している点には全面的に同意だ。


 解説文の注意点 2004/5/14(金)

 今日の飲み会の場所は名駅なので、そこに行く前に新刊書店へ。
 まずは、帯の「こういうのを神業っていうんですよね」という太田忠司さんの推薦文に惹かれて、
『アリア系銀河鉄道 三月宇佐見のお茶の会』柄刀一(2004年4月光文社文庫)を購入。
 2000年に講談社から刊行されたノベルスに、ボーナストラックと太田忠司さんの解説を加えて文庫化したもの。元版から付いている4名の解説文もそのまま掲載されているため、5編の解説文が付いているという特異な本です。元版は未見なのですがこれは期待できそう。

 他に購入したのは
『本の雑誌 2004年6月号』(本の雑誌社)
 特集は、本の解説。解説文を読む上での注意点というのがおもしろい。
 解説に「ミステリーを読み慣れた読者には」とあれば、すぐに先が読めてしまう作品。
 断定を避けて疑問形で書いているときは何かある。
 「問題作」と書いてあったら、一般読者は読まないほうがいい。
 「労作」は無駄に長い作品に使う。
 「ファンにとって見逃せない作品」は、つまらない可能性が高い。

『誰も私を倒せない』伯方雪日(2004年5月東京創元社ミステリ・フロンティア)
 「本格ミステリの形を通して、プロレスとは、最強とは何なのか−という問いかけに必死に向き合おうとした最初の物語」
 昨年の江戸川乱歩賞受賞作『マッチメイク』(不知火京介)もプロレスを題材としたミステリだったが、駄作でがっかりさせられた。本書はどうでしょうか。


『馬鹿★テキサス』ベン・レーダー(2004年5月ハヤカワ文庫HM)
 帯には「バカだらけ!!! 爆笑必至のコミック・ミステリ誕生」とあるが、冒頭の20ページ位を読んでみたところでは笑うほどのところは1か所もなかったので、読むのを後回しにする本に決定。


 『模倣密室』 2004/5/9(日)

 今日は久しぶりに古本まゆさんの店に行ってみました。
 最近、まゆさんが入手されたという『長編連作推理小説 殺人迷路』(昭22年)を見せてもらいました。リレー小説です。どう見ても100ページもない本なのに、著者は江戸川乱歩始め10名。1人10ページも書いてないんじゃないでしょうか。すでにHPにも掲載されていて、10000円にて売り切れとなっていますね。

 購入したのは、
『幻想小説集 四・三光年の地上で』中川裕朗(昭60年河出書房新社)1000円
 帯の説明によると、「グロテスクとファンタズムに憑かれた13の物語」
『西部劇入門』岡俊雄編(1960年荒地出版社)1000円
 執筆者は、双葉十三郎、小林久三、岡俊雄など
『悪夢としてのP・Kディック』(1986年サンリオ)1500円
 この本はおそらく持ってる気がする。

 その他の店では次のものを購入。
『大濃告 明解サイキック讀本V』北野誠/竹内義和/板井昭浩(1991年青心社)100円
『大教祖様養成講座』秋山眞人監修(1995年イーハ・トーヴ出版)100円
『エキストラ・ジョーカー JOE』『エキストラ・ジョーカー KER』原作・清涼院流水/漫画・蓮見桃衣(角川書店アスカコミックス)各100円

『模倣密室』折原一(2003年光文社)読了
 黒星警部の連作密室短編集、7編収録。お気に入りは「北斗星の密室」と「邪な館、1/3の密室」これだけ突き抜けてくれれば大満足。折原一は叙述トリックという先入観があったけれど、こんなにおもしろい小説を書いているとは知らなかった。このシリーズには何冊か長編も出ているとのことなので、それらもまた読んでみたい。

 最近はビデオ屋で、「俺たちは天使だ!」(1979年)を借りてきて、ぼつぼつ見るのを楽しみにしている。出演者は、沖雅也、多岐川裕美、渡辺篤史、柴田恭兵、神田正輝、小野寺昭、勝野洋、長谷直美、秋野太作、下川辰平という豪華メンバー。ストーリーも毎回ハッピーエンドの勧善懲悪もの。100%痛快コメディというのも楽しくていいね。


 『あなたは古本がやめられる』 2004/5/8(土)

 自転車で床屋の前を通り過ぎようとしたところで、店主と目が合ってしまう。そういえばそろそろカットしてもらうころだなあと立ち止まってしまい、催眠術にかかったように店内へ。
 誰も客がいない。なるほど店主も暇だから外を見ていて、目が合ってしまったというわけか。
 すぐに席に座らされたところではっとする。
 「ここって、おいくらでしたっけ?」
 「4300円です」
  あわてて財布を確認してみると、4200円しかない。
 「すみません、お金おろして来ます」
  しかたなく今度は銀行へと向かう。とほほ、どうにも他律的な生き方だぜ。

『あなたは古本がやめられる』kashiba@猟奇の鉄人(2004年3月本の雑誌社)読了
 1998年8月〜10月及び2002年8月〜10月の日記から本買い部分を抜粋したもの、「本の雑誌」に連載された「血風道奇譚」、「瑣末の研究」、「「猟奇の鉄人」年間購読ベスト本」を掲載。すべて本のことばかり。史料価値も高く、一気に読ませる迫力の本です。
 ただタイトルに偽りあり。この本を読んで古本の魅力に取り憑かれる人はいても、古本をやめられる人などいないでしょう。

 ゴールデンウイークも終わったので、そろそろ新刊も出ている頃だと思い、新刊書店へ。
『浜尾四郎探偵小説選』論創ミステリ叢書6(2004年4月論創社)
 あれれ、出ている本はこれだけか。
 これだけでは物足りないので、kashibaさんが本の中で絶賛していた『猫の地球儀 1・2』秋山瑞人(電撃文庫)、さらに買いもらしていたと思われる『心象世界の幸せな景色』早見裕司(平15年富士見ミステリ文庫)も購入。


 久しぶりに某店へ。奈良泰明氏の『初期創元推理文庫 作品&書影 目録』が置いてありました。
 「これって、売り物ですか?」
 「それは予約が入ってるんだけど、買いに現れないんだよ。明日までにその人が来なかったらお売りしますよ。9000円だけど」
 9000円ですか! それでも中身を見せてもらいました。いや驚いた。あんな本やこんな本にちゃんとカバーがついているじゃあありませんか。すると私が持っている本はカバ欠だったのか。ショック!

 他の店では、
『現代思想1989年12月号』特集ゲーデルの宇宙(青土社)600円を購入。
 土屋俊「ゲーデルから学んではならないもの」と、ポール・ホーウイッチ「タイム・トラベル」は読んでみるつもり。ゲーデルは、タイム・トラベルが物理的に可能であると主張していたんですね。


 ちくさ正文館で纏め買い 2004/5/5(水)

 今日は久しぶりにちくさ正文館に行ってみる。この書店は、他の新刊書店とは一味違う棚揃えで、楽しみなお店なのである。案の定、ネットで話題になっているという『あなたは古本がやめられる』kashiba@猟奇の鉄人(2004年3月本の雑誌社)を発見。収録は99年8月〜10月分だけと知ってびっくりする。すると、続編を出そうと思えば今でも10冊や20冊位はすぐ出せるということなのでしょうか。
 他には次のものを購入。
『探偵小説と日本近代』吉田司雄(2004年3月青弓社)
『世界の涯の物語』ロード・ダンセイニ(2004年5月河出文庫)
『新現実 VOL..3』大塚英志責任編集(2004年5月角川書店)
 さらに『本の雑誌増刊 本屋大賞』(2004年4月本の雑誌社)も購入。 全国書店員が選んだ「いちばん!売りたい本」は、小川洋子『博士の愛した数式』(新潮社)。確かにあの本はおもしろかったし、他の方にも安心して薦められる本だったよなあと思い、それでついでに、
『ブラフマンの埋葬』小川洋子(2004年4月講談社)もあわせて購入。
 新刊ばかりの購入だけれど、ゴールデンウイーク中のわりにはかなり買えたので満足だ。

 やはりおもしろい曾我佳城シリーズ 2004/5/3(月)

 せっかくの休みなので古本屋に廻るも、あいかわらずほしい本はない。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン尾道』大林宣彦(1987年フィルムアート社)400円
 収録されているシナリオは、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」「野ゆき山ゆき海べゆき」。どれもまったく読む気はしない。

 新刊書店にも寄ってみたが、やはりゴールデンウイーク中なので新刊は出ていない。そうなると手持ちの本を読むしかないので熟慮した結果、泡坂妻夫の曾我佳城シリーズの未読作品を読んでみることにした。以前の本では未収録だった7編のうちメフィストに一挙掲載された3編は確実に読んでいるので残りは4編。
 読み始めてみるとやはりおもしろくてすぐ読み終えてしまった。ちなみに最も感銘に残ったのは「真珠夫人」。各登場人物の思惑が作品全体を見事に織り成し、意外な結末へとなだれ込む傑作です。こういうのを読むとますますミステリーが読みたくなる。未読以外の作品も読み始めてしまった。


 『いつか、ふたりは二匹』 2004/5/1(土)

 今日は名古屋古書会館即売会の2日目。もっとも最近は、古書会館で買いたい本が並んでいたことがないので、あわてて行く気もせず、夕方になってから顔を出してみた。すると......
「ああ王様ではないですか!なにか収穫ありました?」
「値段を確認してみようと思う本すらないな」
 王様レベルだとそうかも知れんな。

 私の場合は、それでも今回は無理やり購入してみた。わざわざゴールデンウイーク中に来ているのだから多少なりとも結果を残したい気持ちだったのだろう。手ぶらだとゴールデンウイークを無駄に過ごしたような気分になるからね。
 『ボンベイ最後の日』柴田錬三郎(昭25年偕成社)1500円
 『西条八十全集12 少女小説』(1993年国書刊行会)1000円
 『空飛ぶ冷やし中華』全日本冷し中華愛好会(昭52年住宅新報社)500円


 ゴールデンウイーク中は新刊は出ないだろうから、読む本は購入済みの本から選ぶしかない。で、選んだ本は、
『いつか、ふたりは二匹』西澤保彦(2004年4月講談社ミステリーランド)読了
 タイトルからネタはみえみえ。大人向けの小説だったら、主人公たちの状況と小説中の事件が必然性で結ばれないことが小説の重大な瑕になったかもしれない。しかし、子供向けのための設定と考えれば不自然というほどではないだろう。推理部分は少年少女向けにしてはけっこうシビアだが、リアリティが感じられて十分楽しめた。


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