あ れ こ れ 考 え る 56 |
| ミステリー関連スクラップブック サイトをリニューアル 『ヴィーナスの命題』の真相はこれであってる? マナハウスがリニューアル 『清談佛々堂先生』 サラダの歌 不公平なお替り自由 『だサル』から『いしかわ式』へ デジタル類語辞典 放送時間短縮 『修羅の夏』 閉店時間まぎわの古本屋 吉野家の納豆定食 |
ミステリー関連スクラップブック 2004/3/24(水) B堂から目録が届く。入手困難のミステリ本が目白押しの目録だが、その中でもとりわけ目を引き付けられるのは、 ミステリー関連スクラップブック 57冊 昭30年代 十五万 57冊とはすごいなあ。推理雑誌からの切り抜きだったらあまり魅力は感じないが、写真で見る限りでは新聞記事らしきものもかなりのウエイトを占めているように見える。それだったらかなり貴重な資料ではないだろうか。どんなものかわからないのに15万円を賭けることはできないけれど、これこそ現物を見てみたいものだ。 楽しく読ませてもらっている折原一の『七つの館』も、あと残すところ2編となってしまったので、続けて『模倣密室 黒星警部と七つの密室』(2003年光文社)を購入。これでまたしばらく、このシリーズで楽しめそう。 その他の新刊購入は、 『『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画』樋口尚文(2004年3月筑摩書房) 70年代に作られた『砂の器』『日本沈没』『犬上家の一族』『八甲田山』などの「超大作」映画のほとんどが派手な見せ場や冗長な展開などの「大作の病い」に罹っており、これまでまともな批評対象とされてこなかった。そこで著者は逆にこの本では「大作映画はどこでどうつまづいてつまらなくなっていくのか」を問題にしたのだという。 『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水(2004年3月原書房ミステリーリーグ) 1994年、95年に講談社少女小説文庫に書き下ろした二話を全面改稿し、さらに第三話を書き加えたものとのこと。 |
サイトをリニューアル 2004/3/22(月) 今日は本サイトをリニューアルしました。 えっ?どこも変わってないじゃないかって。いや、サイト名を「春山ぽかぽかのミステリー教室」に変えたのよ。「山崎ぶたぶた」の真似をして、適当な苗字をつけてみただけですが。 なぜか職場に、どこかの警察が作成した小倉優子のビデオが置いてあった。 「小倉優子なら知ってるぞ。ボンバイエガールでしょ」と知識をひけらかしたが、 皆、「なんなの、それ?」と冷たい反応。 「猪木ボンバイエだよ。ほら大晦日にやってたでしょ。あれで小倉優子がボンバイエガールをやってたんだよ。でもなぜかラウンドガールをやるわけでもなく、貴花田や掛布としゃべくってただけなんだけど。みんな見てないの?」 「見てなーい!」 ちぇっ、さすが視聴率5%だけのことはあるぜ>猪木ボンバイエ (-_-) あいかわらず古本屋では収穫なし。それで読みたい本を買ってみた。 『七つの館』折原一(1992年創元推理文庫)350円 葵さんが『模倣密室』(折原一)の感想の中で、「『七つの棺』を読んで、すっかりハマってしまった」と書かれておられていたので気になっていたのだ。 ちょっと読んでみたが、「いや、変わりすぎている。推理小説でなければ、まずありえない設定だ」などとあって楽しそう。 新刊購入は、 『文学賞メッタ斬り!』大森望/豊ア由美(2004年3月PARCO出版) 国内の文学賞の総数はおそらく500を超える。それら無数の文学賞について稀代の読書家二人が縦横無尽に放談しているらしい。 |
『ヴィーナスの命題』の真相はこれであってる? 2004/3/19(木) 先日古書会館で唯一購入し、直後ダブらせてしまった「リヴィン春日井即売会目録」だが、嫌気がさしてか、まだチェックしていないことに気付いた。それで探してみたのだが2冊とも見つからないではないか。捨てちゃったか? 今日は購入本なし。がっかり。 『ヴィーナスの命題』真木武志(平12年角川書店)読了 うーん、この構想にはうなった。 帯に「答えがある、とは限らない」とあったり、綾辻行人の賛辞にも「最後まで読みとおしても事件の犯人や真相がよく分からないという人がいない保証はできない」と書かれていたりするだけあって真相が明確に書かれているわけではない。したがって、ここから先は私の解釈であり、真相には触れていないかもしれないが、一応未読の方はご注意ください。 ここから(もし私の解釈が当たっていたら)ネタバレ すべては犯人を見逃すための蓑田しのぶの構想だった。動機は「ささやかだけれど綺麗な物語」を守るため。結末で、「主人公」と「ヒロイン」が確定し、「ささやかで小さな物語」が誕生する。発見者が「高槻でギリギリ」で、それを指示した者では「説得力に欠ける」という意味もここでようやく、犯人(少女A 主要登場人物ではない)に対する説得力のためであったことが判明する。「むかいの校舎からでも唇の動きが読める」しのぶが読みとったものは、「主人公」から「ヒロイン」への告白だったのだ。 ここまで。これであってる? まあ、あってることにして。 いやあ、こういう実験的な小説は大好きだ。動機と真相がすばらしいね。 しかし難を言うと、登場人物の書き分けがまるでできていない。登場人物たちがお互いに「天才」とか「美少女」とか、はたまた「精緻な未来予測図を描くことができる図抜けた構想力」とか、かってに称えあっているだけで、その印象を読者が共有できないため、誰が誰だがわからなくなってしまうのだ。これではせっかくの切れ味が台無しになってしまうので、もし文庫化されるようなことがあれば加筆修正は必須だと思う。 |
マナハウスがリニューアル 2004/3/17(水) 栄の新刊書店、マナハウス内の喫茶店が先月突然閉店してしまったことで残念な思いをした方はおられるのだろうか。私も何枚か割引券を持っていたので理不尽な気はしたのだが、考えてみると私はほとんどその店を利用したことがなかったので、たいした影響はなかったのだった。 ところが今般、店内の書棚までリニューアルしてしまった。今まで硬い本はみんな4階にあったのに、それを自然科学系の棚は2階に、人文・社会科学系の棚は3階に分けてしまったのだ。もともとこの書店は自然科学と人文科学の分類がアバウトで、どちらの棚に並ぶかは運しだいということもあったので、フロアーが分かれてしまってとても不便だ。 今日も現代科学の本を買おうと2階の棚を見たけれどない。設置してあるパソコンで検索すると3階に並んでいるとの表示。3階で確認すると該当場所は「現代日本思想」の棚だ。現代科学の本だよ。こんなところにほんとに並べるのか?と思ったら案の定ない。こうなるといったいどこに並べているのか見当もつかないよな。 店員に尋ねてみたら、同じように検索して、やはり「現代日本思想」の棚を何度もさがしてくれました。似た言葉がついた本を見つけては「あっ!」と声を出したりもしておられましたが、結局見つからずじまい。でも親切に探していただいてありがとうございました。 結局購入したのは文芸書のみ。 『エロチカ』e-NOVELS編(2004年3月講談社) 『IN POCKET 2004年3月号』 『『新青年』趣味]T』(『新青年』研究会)が届く。 特集は、中井英夫/森下雨村 「中井英夫渡辺啓助往復書簡」のことは初めて知りました。掲載されているのはほとんど渡辺啓介の書簡であり、往復書簡が再現されているわけではありませんが、詳しい注釈付きの貴重な資料です。 真木武志『ヴィーナスの命題』(角川書店)を読み始めて、今100ページ位のところ。綾辻行人絶賛ということだが、淡々としていて、のめりこめるような物語ではなさそう。 |
『清談佛々堂先生』 2004/3/13(土) 今日は名古屋古書会館即売会の2日目。期待はしてなかったけど1冊もほしい本がない。3月下旬にあるリヴィン春日井の即売会目録が100円で売っていたので、しかたなくそれだけ購入したのだが、家に帰ったらその目録は今日郵送されて来ていた。とほほ。 新刊書店では、 『本の雑誌 2004年4月号』(本の雑誌社)を購入。 特集は「闘志メラメラ野望の一冊!」 まだ王様の文章しか読んでいないが古本者としてやってみたいことが盛り沢山。 『清談佛々堂先生』服部真澄(2004年3月講談社)読了 多士済々の芸術家から感謝されている稀代の蒐集家、佛々堂先生が主人公の連作集。4編収録。 これは傑作。壁にぶつかっている芸術家たちが佛々堂先生の一計によって飛躍を遂げるのだが、どの話もどんでん返し的な趣向によって感銘を受ける。今から続編が楽しみだ。初出が「小説現代」ということなので、今後は雑誌掲載もチャックしてリアルタイムでも読むつもり。 |
サラダの歌 2004/3/12(金) 今日も今日とて、早朝、ベルヘラルドでサンドイッチを食べる。店内にBGMで流れる「サラダの歌」の「サラダ、イズ、ジョリー、ジョリー、ジョリー」のリズムが耳に心地よい。ほんとは何と言ってるかよくわからないけれど。 そこで職場でこの歌について聞いたところ、知っている人がほとんどいないようなのだ。もっとも私の知っている歌詞はこの部分だけであり、さらに正確な歌詞でもないのだからそれも無理ないのかもしれない。 昔、「ソニーのCMで最後に、『えっさっさ』と言うのがどういう意味かが理解できない」と不思議がっていた人がいたが(ただの本人の聞き違え。『えっさっさ』ではなく『イッツ ア ソニー』)、私の場合もそれと同レベルのものかもしれないのだから。 『いしかわ式』いしかわじゅん(2004年3月アスキー)読了 『だサル』シリーズの第10作目。私は全巻読んでいるが、本書ではついに現代に追いついた。 と言うのは、このシリーズは単行本になるのが恒常的に遅れていて、しかもパソコンネタであるため単行本になった時にはいつでも内容が時代遅れになっていたのだ。例えばWindows95の時代に出た単行本でMS-DOSの悪戦苦闘ネタが掲載されていたり、それから何年もたってから出た単行本でようやくWindows95のお祭り騒ぎが掲載されていたりしていた。アスキーがこれほど時代遅れにならないように、もう少し速いペースで刊行を続けていたら、もっと売れていたシリーズのはずだ。 しかし情報の新しさではなく面白さだけで評価するなら、いしかわじゅんと歴代の個性的な担当者たちとのやり取りを綴ったこのシリーズは文句なく面白い。もちろん本書も面白かったよ。 なお本書では、『漫画の時間2』執筆のため缶詰になったとの記載もある。するともうすぐ、あの名著『漫画の時間』の続編が読めるのだろうか。楽しみである。 |
不公平なお替り自由 2004/3/11(木) ベルヘラルドというケーキ&カフェのチェーン店では、モーニングサービスの時間帯はドリンク代だけでパン・ゆで卵が食べ放題なのだが、私がよく寄る名駅店では最近パンが置かれているコーナーにコーヒーポットが置かれていて、ホットコーヒーだけがお替り自由状態になった。さらにお得感が増したわけだが、紅茶やアイスコーヒーと同じ値段でありながら、なぜホットコーヒーだけがお替り自由なのかは謎である。 新刊購入は、 『麦撃機の飛ぶ空』神林長平(2004年3月ヒヨコ社) 1980年代に書かれたショートショート13編。 『ミステリーズ! vol.04』(2004年3月東京創元社) 北村薫の連載を読みたくて買ってるんだけど、まだ読み始めてもいないうちに、もう4冊目。しかもこの前買った「vol.03」が見つからない状態だったりする。 『白昼蟲』黒田研二(2004年3月講談社ノベルス) このシリーズは、ハーフリース保育園を舞台にして起こる事件を横糸に、木箱の中に埋もれている次郎丸の夢の再生を縦糸にして物語が展開していくのだと思うが、前作の『笑殺魔』で伏線のまま残された「木箱の中の夢」、「過去の封印」、「母の死」などの真相が、本作でほぼ明らかになる。 以前くろけんさんから、このシリーズは5作ぐらいの予定と聞いたことがあるので、すると3作目以後は物語はいよいよ夢の実現に向かって展開していくことになるのだろうか。それなら早く読みたいぞ。 |
『だサル』から『いしかわ式』へ 2004/3/8(月) 新刊書店で、 『いしかわ式』いしかわじゅん(2004年3月アスキー)を購入。 タイトルがだいぶ違うのでこのまえ見かけた時は手にとらなかったが、今日は念のために確認してみたら、アスキー連載「だってサルなんだもん」の10冊目ではないか!あやうく買い損なうところだったぜ。タイトルを変更したのは、パソコン書籍の棚だけでなく一般書籍コーナーへも進出しようとの狙い?でも、今までの読者にもわかるように「だサル」の副題ぐらいは付けてくれてもよかったよね。 くろけんさんの『白昼蟲』は読み終えたのだけれど、感想は前作の『笑殺魔』を確認してからにします。ただ問題は『笑殺魔』がどこにあるのか皆目見当がつかないことだが...... |
デジタル類語辞典 2004/3/7(日) 最近、多種の電子辞書が売られているが、英語の類語辞典は含まれていても、なぜか日本語の類語辞典が含まれているものはないようだ。 そんなわけで類語辞典は書籍しかないと思っていたのだが、先日、パソコン用の「デジタル類語辞典」(株式会社言語工学研究所)という製品を見つけて購入してみた。 22万語収録という割りにはあっというまにインストールが終わってしまい不思議に思ったのだが、収録されているのは単語だけで、各単語の意味は収録されていなかったのだ。このソフトは他の辞書と連携設定ができるので、単語の意味はそちらで調べてくださいということなのである。 しかたなく私の場合はDDwin(電子ブック閲覧ソフト)に連携設定し「広辞苑第四版」で単語の意味を検索できるようにしたのだが、必ずしもすべてのパソコンに辞書が入っているとは限らないし、あまり親切な仕様ではないよな。 もっとも、パソコン用の類語辞典なんかを買う人のパソコンにはもともとデジタル版の辞書ぐらいは入ってるでしょ、ということなのかも。 本日の古本購入は、 『ハリウッドの嘘 驚嘆!アメリカ映画のエラー120』木谷高康(1995年講談社)700円 映画のミスを指摘する、よくある本。 裁判中、カットが変わるたびに洋服を替える女弁護士(「白と黒のナイフ」) 撃たれたのは右足、包帯は左足(「ワイルドパンチ」) 役名ではなく芸名を叫んでしまう(「スター・ウォーズ」) |
放送時間短縮 2004/3/6(土) 昨日のことを思い出したのだが、職場の女の子がプロレスを「きもい」と言うではないか! 「あんなのただの喧嘩でしょ」 「それは違うぞ。プロレスは喧嘩を見せてるわけじゃないんだ。見せるために喧嘩をしてるんだよ」と親切に教えてあげても、「シナリオがあるんでしょ」などと言って納得しようともしない。 シナリオがあったら八百長というなら、歌手なんかみんな八百長だぞ。しかも毎回同じ歌詞という手抜きのシナリオじゃないか。おまえらみたいなのがいるから新日本の放送時間が1時間から30分に短縮されるんだと、ぶつぶつ呟くだけのオレ。 古本屋に行くと、松岡秀治氏の海外ドラマ研究誌『BJ PRESS』が何冊か置いてあった。各1000円なので慎重に選んで買ったのは、 『BJ PRESS 3 SF編2』松岡秀治(1997年)1000円 <特集1 カルトSF> スターロスト/宇宙船アーク、電撃スパイ作戦、猿の惑星、スターマン、ドクター・フー、プリズナーNo.6、事件記者コルチャック <特集2 幻のパイロット> 複製人間クローンマスター、サルベージ・ワン、人造人間クエスター、超能力!百万ボルトの瞳、人造人間の復讐 『BJ PRESS 5 SF編3』松岡秀治(1997年)1000円 <特集 時間テーマSF>タイムトンネル、タイムマシーンにお願い、タイムトラックス、VR5、スタートレック、フラッシュ、新アウターリミッツ、ロイス&クラーク 『BJ PRESS 11 TVファンタスティック編』松岡秀治(1999年)1000円 アリー my ラブ(第一シーズン)、宇宙家族ロビンソン、新刑事コロンボ、レジェンド/ヒーローはノンフィクション、クロスオーバー解説(プラクティス&アリー my ラブ) 他には、綾辻行人、小野不由美、有栖川有栖推薦の、 『ヴィーナスの命題』真木武志(平12年角川書店)300円も購入。 新刊購入は、 『清談 佛々堂先生』服部真澄(2004年3月講談社) 『量子館殺人事件』廣真希(2004年3月暖流社) シナリオ『クラインの壷』井上夢人(e-NOVELS)読了 1996年にNHK教育テレビで放映されたジュニアドラマ『クラインの壷』の初稿台本。かなり前にe-NOVELSからダウンロードしたものだ。 登場人物はかなり異なるもののストーリー自体はほぼ原作をなぞった展開。それでも読み出したら止まらなくなり一気に読み終えてしまった。やはり井上夢人はおもしろい。e-NOVELSからは、他にも井上夢人の未読作品をダウンロードしてあるので楽しみ。 (追)2004/3/7(日) 今日e-NOVELSを確認したら、執筆陣から井上夢人が抜けていました。申し訳ありません。井上氏の公式ページ夢人.comが出来ていることと関係があるのでしょうか。 |
『修羅の夏』 2004/3/5(金) 今日の新刊購入は、 『白昼蟲 ハーフリース保育園推理日記』黒田研二(2004年3月講談社ノベルス) おっ、くろけんさんの新作だ! 忘年会でお会いしたときには「次作は出版のめどがついてないです」と仰っていたので、3月早々に新刊が出るとは思いませんでした。このペースなら今年も5,6冊は出せるんじゃない? 『修羅の夏 江戸冴富蔵捕者暦』新庄節美(2004年1月東京創元社)読了 帯の、「長いこと思ってきた。謎解きミステリとしても優れた捕物帳があってもいいんじゃないか。その望みがついに叶った」という若竹七海の推薦文につられて買った本。3編収録。 ところどころに、「ま、こんなこと手がかりになりはしないが。」とか、「少し気にかかったが、殺しとは関係のないことだ」などと、ここが伏線だよと言わんばかりの台詞が散りばめられているところが本格らしくて楽しい。 「江戸冴富蔵捕者暦」は「えどにさえしとみぞうとりものごよみ」と読むが、内容は、富蔵がお冴に謎を解いてもらう捕物帖といったところか。なお「捕者」という書き方はあまりみかけないが「捕物」と同じ意味らしい。 二作目は、若竹七海がわたしをうならせたと解説している作品。ミステリーとしては「犯人」がそこまで計算するかなあとの疑問はあるが、リドルストーリーとしては傑作。探偵役のお冴の人物像をひっくり返すような結末の峻烈さが心に残る。 |
閉店時間まぎわの古本屋 2004/3/3(水) 古本屋に寄るも、あいかわらずほしい本はなし。 棚に、『舞踏會事件』貴司山治(昭22年弘文社)1000円という本が、ビニール袋に包まれた状態で並んでいた。貴司山治という名前は聞いたことがあるような、ないような。「事件」と書いてあるんだから多少はミステリ要素もあるのかと長考の構えに入ったが、あいにく閉店時間まぎわのため、店主が何か言いたそう。わかりました、これ買います。 今、内容を確認してみると...... うーん、これはプロレタリア文学だったね(^_^; 新刊購入は、 『絹靴下殺人事件』アントニイ・バークリー(2004年2月晶文社) 今読んでいるのは新庄節美『修羅の夏』。一作目を読み、それなりに面白くはあるものの、帯に書かれている「謎解きミステリ」には正直疑問を持った。そこで巻末の若竹七海の解説を読んでみたところ、「(一作目の)真相にはやや拍子抜けの感があった。」「わたしをうならせてくれたのは二作目」とあり納得。じゃあ安心して二作目も読んでみましょう。 |
吉野家の納豆定食 2004/3/1(月) 吉野屋の納豆定食370円という値段が納得いかない。バラバラで計算すると、ご飯が130円、味噌汁50円、卵50円、納豆70円、海苔50円で、〆て350円にしかならないからだ。 もっとも納豆定食にはわずかばかりの大根の漬物が付くので、これを20円相当と考えればようやくトントン。だが今は新しくカレー丼がメニューに加わったことに伴い、店内には福神漬が置かれているのでこれで代用することも可能なのだ。 しかし国民の多くは、バラバラに注文する勇気を出せず、不本意ながら今日も納豆定食を注文しているのであろう。 新刊購入は、 『推理作家になりたくて 第五巻 鍵』日本推理作家協会編(2004年2月文藝春秋) 今巻の執筆陣は北村薫、北森鴻、東野圭吾、山口雅也など、ほとんどが私の大好きな作家のため、今までこのシリーズは買ったことがないが初めて買ってみた。 『京極夏彦『巷説百物語』の世界』(2004年4月洋泉社) 京極夏彦がらみのムック本。執筆陣は多田克己、村上健司、千街晶之など。 『麻原を死刑にして、それで済むのか?』渡辺脩(2004年2月三五館)読了 麻原弁護団長による捜査当局への批判の書。判決日には著者の顔をテレビで何度か見たが、本書は弁護側から見た麻原裁判という、他では知ることのできない内容のものだった。 弁護団も麻原被告に「教祖としての責任」があることは認めているのだという。争ったのは「刑法上の『共謀』の責任(謀議責任)」だった。被告人は実行犯としてではなく、実行計画を決める相談をした謀議責任について罪を問われている。したがって検察官は各事件について謀議が行われたことを証拠に基づいて立証する責任があるが、その責任を全く怠っている。したがって最終弁論でも、公訴された「謀議責任」すべてに証拠による証明がないことを理由に無罪を主張したのだという。 弁護士は被告人が法律を知っていたら主張するであろうことを代わってすることが仕事なのだから、弁護団が無罪を主張すること自体はおかしなことではないだろう。同じ理由で即時に控訴したこともおかしくはない。 内容は初めて聞く話ばかりで興味深かった。捜査当局のずさんさが本当のことならば看過できない問題でもある。 弁護団に対しては「裁判の引き延ばし」や「膨大な費用の浪費」などとの非難もあるが、批判するにしてもまず本書を読んでからにするべきではないだろうか。 |
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