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あ れ こ れ 考 え る 32
 『輪舞曲都市』 『女神』 『インディヴィジュアル・プロジェクション』 大須の古本屋存在確認 火事に遭遇 『世界線の上で一服』 「ABC戦争」 『まほろ市の殺人』 

 『輪舞曲都市』 2002/6/29(土)

 コンビニで私がお金を支払っているとき、ちょうど店員が一人しかおらず私の後ろにも3人ぐらい並んでいたのだが、そこに店内に響きわたる声が、
 「ちょっと、このコピーの使い方がわからないよ。用紙をどうやって選べばいいのかね」
 声のする方を見ると、サラリーマン風の男性がコピーの前で腕を組みながら店員の方に救いの目を向けている。もちろん店員はそれに答える余裕がないので、その男性は「ちょっとすみません」などと繰り返し声をかけている。店員が今、手がはなせない状態であることぐらいわかりそうなもんだろ。
 私もお釣りをもらうとその男性の方には目を向けないようにして急ぎ足で外に出る。だって私もそういう機械には弱いのよ(^^; しかも間違えてムダなコピーをしてしまうと、その責任を追求されるような懸念も感じられたからね。


 古本購入は、
『キング・コング』エドガー・ウォーレス(昭51年グロービジョン)800円
『荒野の対決』塩谷太郎(1974年金の星社)1000円
 『荒野の対決』は金の星社刊行ウエスタン・ノベルズ全14巻のうちの第9巻。このシリーズのことはまったく知らないが、著者はすべて日本人になっているし本書のあとがきを見たかぎりではオリジナル作品のようだ。でも、なかには翻案というべきものもあるかもしれないね。


『輪舞曲都市 Ronde-City』梅村崇(2002年7月エニックスノベルズ)読了
 輪舞曲とは辞書で調べると、ロンド(回旋)という名が示すとおり、主題が、別の副主題(エピソード)を種々に挿みながら、同一の調子で何度も繰り返す形式の楽曲のこと。
 私立探偵サエキアキラのもとに、ムツキという差出人から「助けて」というメールが送られてきた。その街では、ホテルマンからのモーニングコール、町役場での女と男の痴話げんか、アパート5階からの男の落下と、同じ一日が何度も繰り返される。しかし住民の中には、同じ一日が繰り返されていることに気付いている者もいた。
 同じことが繰り返し起こるというテーマの小説はけっこうあるが、本作品も前半の謎の提出部分については魅力十分。しかし解決部分は驚きというより拍子抜けで、もったいないけど評価としては低くなってしまう。


 『女神』 2002/6/28(金)

 帰りに寄った新刊書店で、
『怪奇幻想ミステリ150選』千街晶之(2002年7月原書房)
『輪舞曲都市 Ronde-City』梅村崇(2002年7月エニックスノベルズ)
を購入。
 千街晶之の『怪奇幻想ミステリ150選』は、怪奇幻想的な色彩と、ミステリの論理性の、両方の性格を併せ持つ作品を紹介するもの。定価もちょうど1500円なので紹介作品1件あたりの単価は10円だ。
 って、そんなこと計算しても意味はないけど(^^;)
 梅村崇の『輪舞曲都市 Ronde-City』は、その名のとおり何回も同じ1日が繰り返される街の物語のようだ。それ自体は新趣向というものではないが、それをどう展開させているのかちょっと楽しみ。


 紀伊國屋書店から注文していた本が届く。
『アブストラクトなゆーわく』阿部和重(2000年マガジンハウス)
『ニッポニアニッポン』阿部和重(2001年新潮社)
『アメリカの夜』阿部和重(2001年講談社文庫)
 『アブストラクトなゆーわく』はエッセイ集。まずは『ニッポニアニッポン』から読もうかな。


 ネット古書店から、
『横溝正史殺人事件あるいは悪魔の子守唄』岩崎正吾(1987年山梨ふるさと文庫)500円
が届く。この本は紀伊國屋書店にも注文していたのだが品切れだったので、ここで入手できてうれしい。しかもサイン、角印付きの豪華本だ\(^o^)/


『女神 Venus』明野照葉(2002年6月光文社)読了
 同じコーポに住む真澄と有希は、美貌とスタイル、営業成績もトップクラスの君島沙和子の魅力の秘密を探るため、沙和子の日常を調べ始める。
 君島沙和子の完璧な生活が徐々に綻んでいくところの描写で読ませる作品。帯には恐怖ミステリーとあるが、恐怖というほどのなにか特別のものが登場してくるわけではなく、どちらかというとサスペンスドラマという雰囲気の小説。


 『インディヴィジュアル・プロジェクション』 2002/6/25(火)

 栄の地下鉄構内でポスターの貼り替えをしているところに遭遇。ところが作業中の係りの人たちが大モメ!?
「なんでそんなの貼ってるんだよ。それは、今、はがしたばかりのポスターだろうが」
「いや、これは私が持ってきた方のポスターですよ」
「だけど、今からはがす、こっちのポスターと同じだろ」
「違いますよ。それも私が今、貼ったばかりなんですから」
「それは古い方。新しいのはこっちのポスターなんだってば」
「違いますったら」
 双方とも決め手はないわけね(^_^)
 どちらも同じメーカーのポスターなので新旧がわからなくなったようなのだが、いくら見ていてもきりがないので立ち去ることにする。

 今日の古本購入は、
『地下十七階の亡霊』飯田雪子(1999年プランニングハウス)200円
 これは「ファンタジーの森」という、早見さんの『世界線の上で一服』と同じシリーズの本ではありませんか。ひょっとしたら、これもレア本かもと思い購入。でも、ただレア本かもというだけで買ってたらきりがないので、そういう買い方はやめた方がいいよね(^^;)
『所ジョージのハレハレ青春口座』(昭59年講談社X文庫)100円
 以前、講談社X文庫の収集がはやった頃、レア本として知られていた1冊。今頃買っても何の意味もないんだけどレア本というだけで購入。だから、そういう買い方はやめなさいって(^^;)
『風と共に去るぜよ』吉岡平(平7年角川ノベルズ)100円

 新刊購入は、
『光の旅人』ジーン・ブルーワー(平14年4月角川文庫)
 1995年角川書店刊行の『K−パックス』を改題、文庫化。
『ミステリマガジン 2002年8月号』(早川書房)
 ヘンリイ・スレッサー追悼特集


『インディヴィジュアル・プロジェクション』阿部和重(平12年新潮文庫)読了
 5年間にわたってスパイの訓練生だったオヌマは、半年前にその塾をやめ、渋谷で映写技師をしている。しかし、以前の訓練生の仲間が事故に遭い、時期を同じくして再会した他の仲間に不信をいだく。また、様々な敵が生まれ、彼を取り巻いてもいる。
 「インディヴィジュアル・プロジェクション(individual projection)」とは、解説の訳では「個人的な投影」
 小説全体が仕掛けになっているということはわかるのだが、その仕掛けが何だったのか、特にエンディングの意味については、作者の友人、東浩紀氏の解説を読むまで、私にはよくわからなかった(^^;)
 だから、かなり鋭い読解力のある方を除いて本書の謎解きは解説にあるという稀有な作品ともいえる。もちろんその謎解きから読み始めるべきではないことは言うまでもないが。


 大須の古本屋存在確認 2002/6/24(月)

 昨日の火事の模様が朝刊に載っていたので報告しておきます。昨日午後4時すぎ、家具製造業宅から出火。木造2階建ての住宅、倉庫、及び敷地内の木造2階建て空きアパートの3棟計約800uが全焼、なお、けが人はなかったとのことです。

 今日はまた大須によってみる。N書店が夜逃げしたとの情報が流れてきたからだが、行ってみると、なんだ、開業してるがな。やはりガセねただったかと思っているとF書店から電話がかかってきた。
 「ああ、ずーっとヒマ。月末に家賃が払えそうもなくてどうしようかと思ってんだわ」
 うーん、全くのガセねたでもないのか?(^^;)

 何かのたしに買ってあげようと戸板康二の『目黒の狂女』を手にとって、「これ、いくら?」と尋ねると、「1500円」との返事。さほど美本でもないのにそんな値段では買うわけにはいきません。
 結局、『孫悟空の誕生』中野美代子(1980年玉川大学出版部)500円だけ買って、これがこの店で買う最後の本になるかも知れぬとの思いを胸に、店を出る。

 そのそばのブックオフでは次のものを購入。
『シロは死なない』北方謙三 作/浦沢直樹 絵(1991年小学館)100円
『ハッスル』スティーブ・シェーガン(昭51年講談社)100円

 新刊購入は、
『女神』明野照葉(2002年6月光文社)
『煙の中の肖像』ビル・S・バリンジャー(2002年6月小学館)
 読みたい本の在庫もかなりたまって、うれしいやら、つらいやら(^^;)


 火事に遭遇 2002/6/23(日)

 自転車で古本屋巡りをしている途中、消防車のサイレンと人の群れに遭遇。経路をはずれて集団の後について行くと、あっ、かなりの大火事!
 長期にわたって消火活動が続けられているようで、すでにテレビ局も到着しており、私のすぐ隣で近所の方らしき人にインタビューしています。木造2階建てという悪条件のため消火にはかなり時間がかかっているようで、いまだに2階の部屋の炎がはっきり見えています。犠牲者の存否などについては聞くわけにもいかずその場を立ち去りました。時間的に夕刊には間に合わない時刻だったはずなので、明日の朝刊で確かめてみます。


 ブックオフでは、若いカップルが池田大作の著作を熱心に見ている。
 「でも、この人って、創価学会の人なんだろ」
 「うん、この前、『笑っていいとも』に出てたよ」
 「へえー」
  おい、ほんとかよ。池田大作を友だちとして誰が紹介したんだよ?


 今日の購入本は、
『新八犬伝 (上)(中)(下)』石山透(昭49〜50年 日本放送出版協会)3冊 300円
『愛だけじゃたいくつ』矢崎麗夜(1992年大和出版)100円
『素敵な恋をしてみたい』矢崎麗夜(1992年大和出版)100円
『この人に聞きたい青春時代』筒井康隆/清水義範/落合恵子/立松和平/中村敦夫(2000年鹿砦社)100円


「公爵夫人邸午後のパーティー」「ヴェロニカ・ハートの幻影」阿部和重(『ABC戦争 plus 2 stories』(平14年6月新潮文庫)所収)読了
 ストーリーよりそれがどう描かれているかという方に関心が向く。その異様に長い1文は、例えば「公爵夫人邸午後のパーティー」の165ページ15行目から始まる1文は、様々な修飾語や接続語を加えながら168ページの1行目まで続くのだ。

 続いて、一緒に買った『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮文庫)を読み始めているのだけど、他に阿部和重の本が出版されていないかと思って紀伊國屋書店で検索したら、『アブストラクトなゆーわく』(マガジンハウス)、『アメリカの夜』( 講談社)、『ニッポニアニッポン』(新潮社)、『無情の世界』(講談社)と、けっこう出版されていました\(^o^)/ もちろん4冊とも注文。検索してすぐ注文できるので、こういうときネット注文は楽ですね。


 『世界線の上で一服』 2002/6/21(金)

 今日は知立市周辺の古本屋を廻ってみました。
『ミャーロックホームズ 1パスカビル家の大』津田直美(1997年カワイ出版)
 猫の名探偵ミャーロックが犬の助手犬ワントソ君とともに遺言状の謎を解く推理絵本なのだが、これけっこうおもしろいです。続編も出てるのか確認してみよっと。
『恐竜博画棺』ヒサクニヒコ(昭59年新潮文庫)240円
 全ページカラーイラストの贅沢な1冊。
『千葉ちゃんのスポーツ特訓』千葉真一(昭44年初版、昭63年9刷 広済堂豆たぬきの本)100円
 あっ、千葉真一だ!かなり長期にわたって増刷されてきた本のようですが、それでもやはり外道だわな(^_^)
『やなせたかし幻想短編小説集 3分間劇場』(1989年サンリオ)300円
『SONOSONO(ソノソノ)』滝大作/赤塚不二夫/タモリ/高平哲郎(1981年山手書房)600円
『ご家庭でできる手軽な殺人』那須正幹(1997年偕成社)100円
『髑髏菩薩』加納一朗(1991年双葉社)350円
『お嫁にゆけない』笹沢佐保(昭39年第1刷、昭41年第4刷 春陽文庫)150円
『聖者ニューヨークに現わる』レスリイ・チャータリス(1957年初版、1995年3版 早川ポケットミステリ)400円
『明治探偵風雲録 焔と氷』岩下俊作(昭34年五月書房)500円


 続いて猫又文庫さんの店に顔を出す。ここの店主は人が本を買うたびに、
 「あいかわらずヘンなものを買うねえ」とつぶやくのだけれど、この店の棚ぞろいはかなり偏っていて、もともとそういう類の本しか置いてないでしょ(-_-)
 購入した本は、
『地方出版地方作家事始』岩崎正吾(1995年山梨ふるさと文庫)600円
 『探偵の夏あるいは悪魔の子守唄』、『探偵の秋あるいは猥の悲劇』などの著者、岩崎正吾の「山梨ふるさと文庫」設立者としての地方出版人として、かつ地方作家として綴ったエッセイ集。ふーん、出版人だったのですね>岩崎正吾
 なお、『探偵の夏あるいは悪魔の子守唄』の元版、『横溝正史殺人事件あるいは悪魔の子守唄』(山梨ふるさと文庫)も、このエッセイ集出版当時の1995年にはまだ現役本だったようです。今でも買えるのかなと思い、紀伊國屋書店で検索したら、品切れにはなっていなかったので一応注文してみました。買えたか否かの結果はまた改めてご報告いたします。
『少女探偵夜明 黒の女王との戦い』北村想作/とりみき絵(2001年小峰書店)400円
『H・G・ウエルズと日本国憲法』浜野輝(昭60年思索社)700円

『世界線の上で一服』早見裕司(1999年プランニングハウス)読了
 早見さんのサイン本。出版はわりと最近ですが、発行数が少なく、現在では入手困難本とのこと。作中、ジュニア小説家の主人公がサインの添え書きに「生涯一文無し」と書く場面ではニコリとさせられる。今から4〜5年位前に早見さんからいただいたサイン本にもこの言葉が添えられていたからだ。(なお、本書のサインに添えられている言葉は「人生の一服」 この言葉もなかなかいいでしょ)
 早見さんの小説は登場人物どおしの人間関係が類型的な形で描かれていないのが特徴だ。友人とか恋人とか師と弟子とかにありがちな類型的関係としては定立されないため、登場人物たちはお互いの距離を測りつつ対応する必要が生じ、一見ぎこちない関係という印象さえ与える。そのため、ストーリーとは別に人と人とのつながりかたというようなテーマが底流にあるようにも感じられるのだが、勝手読みかもしれないね(^^;)


 「ABC戦争」 2002/6/20(木)

 久しぶりに大須に寄ったら、N書店は臨時休業。ちぇっ(;_;)
 せっかくだから一応猫飛さんのところものぞいてみると、あっ、開店してる!この店が開店してるのを見たのは何年ぶりだろ。
 「先月から店を開けてます。またぼちぼち、やらせてもらいます」
 「ますます棚が、演劇と映画に集中してきてますね」
 「ええかなり並び替えましたが、まだ半分くらい値段がついてないんですよ」
 まあなんにしろ、専門店の復活は喜ばしいことです。とりあえず今日は次のものを購入。
『ソートン・ワイルダー一幕劇集』(昭54発行、昭59第4刷 劇書房)400円
『ブラック・コメディ』ピーター・シェーファー(1982年発行、1988年第4刷 劇書房)600円
『平成CM私観』山崎浩一(1992年講談社)400円
『オウジ』北村想(1983年北宋社)2,000円
 また寄らせていただきますね。


 新刊購入は、
『現代思想の遭難者たち』いしいひさいち(2002年6月講談社)
 うっ、フーコー、ドゥルーズ、ポパーなど、かなり内容が高度じゃないの。それもそのはず、本書は講談社刊『現代思想の冒険者たち』全31巻(1996年〜1999年)の月報に掲載されたものに書下ろしを加えたものらしい。もともと、そのあたりの読者層をターゲットにしているのね(;_;)
『館という名の楽園で』歌野晶午(2002年6月祥伝社文庫)
 この400円文庫もぼちぼち買いたしてます。これで今回刊行の400円文庫8点のうち、鯨統一郎、柄刀一を除く6点を買ったことになります。こうなったら全部買っちゃおうかな。もっとも鯨統一郎だけは買う気が起きないけどね。


「ABC戦争」阿部和重(『ABC戦争 plus 2 stories』(平14年6月新潮文庫)所収)読了
 かなり思弁的な小説だ。「山形県」は「YAMAGATA県」に、そして「Y県」になる。筆者は「Y県」が「山形県」とはまったく異なるものとなることを、トイレの落書きを例にとって説明する。
 トイレの落書きにおいて、<Y>という文字は股間をあらわす絵文字となる。その場合、<X>は臍として<Y>のV部分にあたる中心からやや上の位置に記されることになるだろう。
 しかも<Y>の悲劇はさらにその度合いを強める。なぜなら<Y>とは「ワイ」と読まれ、「猥」を喚起し、「猥褻」のイメージがあたりを満たし、「卑猥」な顔つきをしたものたちがトイレで<Y>を描くとき、もはや<Y>は単なるアルファベットの1文字ではないのだ。
 小説内で描かれる戦争はたいしたものではない。いや、そもそも戦争などと呼べるものがあったかどうかも疑わしい。小説の眼目はそこにはない。物語はどのように描かれるべきなのか、それを探求する過程が綿々と綴られているのだ。その点でメタ的な要素は含まれているが、おそらく筆者にはメタ小説という意図はなく、あくまで探求の過程を描きたかっただけなのだろう。しばらく読んでみたい作家だ。


 『まほろ市の殺人』 2002/6/16(日)

 新刊書店に行ってみると、また買いたい本が並んでいる。ごちゃごちゃと購入。
『図説異星人 野田SFコレクション』野田昌宏(2002年5月河出書房新社)
 アメリカSF雑誌に掲載された宇宙生物を図版満載で解説
『死者を起こせ』フレッド・ヴァルガス(2002年6月創元推理文庫)
『IN POCKET 2002年6月号』(講談社)
 特集は「ロングインタビュー桐野夏生」なんだけど、これだけだったら無料で配布している『IN POCKET特別増刊 真夏のミステリーズ』という小冊子にも掲載されているので、そちらで読むという選択枝もありますね。
『秘密の手帖』いしかわじゅん(平14年5月角川書店)
 「山田詠美はかつて山田双葉という名でエロ漫画を描いていた」 作家たちの秘密を暴くコラム集。
『樹海伝説 騙しの森へ』折原一(2002年6月祥伝社文庫)
『ABC戦争 plus 2 stories』阿部和重(平14年6月新潮文庫)
 平成7年に新潮社から刊行された『ABC戦争』に、平成9年に講談社から刊行された『公爵夫人邸の午後のパーティー』を加えて文庫化したもの。阿部和重という作家の本は読んだこともありませんが、ちょっと立ち読みしてみて、なんとなく傑作の香りを感じて購入。
『インディヴィジュアル・プロジェクション』阿部和重(平12年新潮文庫)
 阿部和重の別の著作もついでに購入。


 古本購入は、
『テーマパーク殺人事件 レオマワールド編』群青洋介(1998年ガリバープロダクツ)100円
『推理小説 朱の仮説』森岡正美(1996年日本図書刊行会)400円
『大穴一直線』新橋遊吉(1995年飛天ノベルズ)100円
『禁談 前田明×天龍源一郎 ×長州力 ×アントニア猪木』佐々木徹(1997年集英社)600円
 新刊ばかりだけど、どれも新刊書店にはめったに並ばないような本。古本屋を廻らないかただったら、たぶんどの本も無縁で終わってしまうのでしょうね。もっともそれで何の支障もないだろうけど(^^;)


『まほろ市の殺人 春』倉知淳(平14年6月祥伝社文庫)読了
『まほろ市の殺人 夏』我孫子武丸(平14年6月祥伝社文庫)読了
『まほろ市の殺人 秋』麻耶雄嵩(平14年6月祥伝社文庫)読了
『まほろ市の殺人 春』有栖川有栖(平14年6月祥伝社文庫)読了
 読了後、ちょっと拍子抜け。幻想都市まほろ市を舞台にした競作だというので、てっきり登場人物も共通なのだと思い、『三人のゴーストハンター』のような競作を期待してしまいましたが、共通なのは舞台だけ。それぞれ全く独立の小説というべきものです。それならこんな設定をしたことは逆効果だったのではないかなあ。小説自体はそれなりにみなおもしろかったのだけどね。


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