Stay for You -番外-
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「んもう、こんな行程じゃ、いつまで経っても目的地に着けないじゃない」
宿を取って、真雪はまだ日の高い窓の外を眺めながらぼやいた。それなのに弘毅はのんびりとソファに寝転がってダラダラ過ごしていた。
「まー、そんなに急がなくても目的地は逃げやしないって」
「そんなこと言ってるんじゃないよ」
真雪は弘毅を振り返る。
「待っててくれてる人がいるんでしょ? それなのにっ」
弘毅はそんな真雪にニッと笑いを見せる。
「だってなー、お前と旅するなんて夢みたいだし。ましてや、こーんな可愛い真雪だしなぁ」
弘毅は言って真雪を頭ごと抱き締める。真雪は弘毅の腕の中、すっぽり収まってしまう。
「ちょっとやめてよ」
その腕から逃れようともがくが、弘毅は難無くそれを押さえ込み、不満そうに見上げてくる真雪の唇に自分のそれを重ねる。
「時間はたっぷりあるし、いいことしねぇか?」
弘毅の言葉に真雪は絶句する。街を発って3日、宿に泊まる度に同じことを言う弘毅に呆れる。が、弘毅の嬉しそうな期待いっぱいの顔に、握った拳も怒気を抜かれてすぐに緩められる。
「…もうっ、僕が怪我人だって分かってる?」
「だから毎晩優しくしてやってるだろ? な、真雪、いいだろ?」
言って弘毅は真雪に口付ける。
左肩の怪我は先のクローンとの戦いで負ったものだった。はっきり言って、重傷かつ安静療養を要する程のものであったが、弘毅はそんなことはお構いなしだった。傷口に注意は払っているものの、それ以外は――行為自体は真雪が子どもの身体であることすら失念しているのではないかと思われる程に容赦なかった。
弘毅はベッドに行く間も惜しむように、腕の中の真雪をソファに横たえさせると、首筋に唇を落としながらシャツのボタンを外していった。
「あ…弘毅…」
柔らかな白い肌。弘毅以外の者を知らない身体に、弘毅は昨夜の跡を指でなぞりながら、新しい印を刻んでいく。小さく突起する胸の飾りを口に含み、軽く吸う。
「やっ…ん…」
ピクンと跳ねる身体。日ごとに弘毅の与える刺激に反応が良くなるようで、弘毅はその身体を思う通りに育成でもするかのように自分を教え込む。
ズボンのベルトに手をかけ、外す。ジッパーを降ろすとその中へ手を忍び込ませる。
「あ…っ…」
真雪の中心をやんわりと握り込む。
「弘毅…まだ…」
真雪が逃げようとするのを弘毅は体重を使って押さえ込む。真雪の中心を指に絡ませながら、もう片方の手は真雪のズボンを下着ごと引き下げた。
弘毅の腕の太さ程もない細くて華奢な足を軽く抱え上げると、左右に開かせて両肩にかつぎ上げる。
弘毅の眼前にあらわになる自分の秘所に、真雪は思わず顔を背ける。
「声、上げていいからな」
嬉しそうに言う弘毅に、真雪は窓の方を向く。そこは大きく開けられたままだった。