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 ぐったりとする身体をベッドに降ろすと、ふと、真雪は目を開けた。

「あ…」

 目を合わせると言葉が出てこなかった。

 真雪はその弘毅の首に抱き着いてくる。何も言わずに。その背を優しく抱いた。

「ごめん」

 最初に出てきた言葉は謝罪だった。自分でも最低だと思う。

「謝らないで」

 それなのに、見上げてくる瞳は切なげに揺れていた。

「悲しくなるから」

 その唇に自分のそれを重ねる。しかし出る言葉は同じものだけだった。

「ごめんな…」

 そのまま真雪の腕をほどく。

 シーツを肩までかけてやると、その腕を真雪に捕まえられた。

「これは僕が望んだんだから。誰にも何も言わせないから」

 その真っすぐで真剣な目に引き付けられる。

「ああ…分かった」

 うなずくと、ふわりと笑う。その笑みに一瞬、弘毅は胸を締め付けられそうになって、慌てて顔を逸らした。そんな弘毅に真雪は起き上がって身体を預けてくる。

 何も言わずじっと弘毅を見上げる真雪。

「お前、変なヤツだな」

 ベッドの端に腰を降ろしながら、弘毅は呟くように言った。その弘毅に少しだけ眉をしかめる真雪。

「変なヤツって…ちょっと酷いよ」

 言われて、真雪の頭を軽くなでる。すると更に不満そうな目を向ける。

「子ども扱いしないでよ」

 あどけない唇、真っすぐな瞳。それはいとおしい存在に余りにも酷似して見えた。外見はこんなにも違うのに。

 弘毅は真雪を抱き締める。

「そうだな、悪かった」

 口付けて、抱き締めて。

「こんなこと知れたらお前のオヤジ、怒り出すよな、きっと」

 弘毅は自嘲気味に言う。真雪はその言葉に首を傾げて見せる。

「さっきも言ってたよね、それ。誰に聞いたの?」

「誰って、本人に」

「本人? 司令官に?」


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