-3-
6/12
一本を二本に増やし、その中でうごめかせる。それとともに真雪の中心を握り込む指の動きも活発にさせる。
真雪は前と後ろの両方からの攻めにどうにもできず、瞳を潤ませていた。
肩を砕かれた痛みにすら耐え、こぼさなかった涙が、簡単に頬を伝う。
「…あ…もう…ああ…」
いやいやと首を振る真雪に気づいて、弘毅は体勢を変えると、その唇に自分の唇を重ねる。見上げてくる瞳がこれまでと違ってひどく儚げで、それでいて艶やかな色を帯びていた。
その瞳にゾクリとしたものを感じる。
もう止められなかった。
弘毅は真雪の足を抱え上げ、押し広げたそこに己のものを突き立てる。それに気づいて真雪は瞼をぎゅっと閉じる。
その真雪に口付けて、弘毅はゆっくり真雪の中へ入っていった。
「――――っ」
真雪は入り込んでくるその痛みに、身体をのけ反らせる。その背を抱いて、弘毅は更に奥へと身を沈めていく。
熱い塊は子どもの、まだ十分に慣らされていない身体には負担が大きいだろう。その表情からそれを知り得るものの、途中でやめられる筈もなく、弘毅はそのまま奥へと進んでいった。
根元まで挿入して、弘毅は息をつく。
それから自身をゆっくりと動かし始めた。真雪の苦痛を少しでも和らげさせようと、片手に握りこんだままのその中心を揉みしだきながら。
「目を、開けろよ」
口づけて、囁くように言うと真雪はゆっくり瞼を開く。窓から差し込む夕まぐれの光に、その瞳は金色に光って見えた。それはまるで失ったあの子そのもののようで。
「苦しかったら、爪を立てていいぞ」
そう言って弘毅は真雪の右腕を自分の背に回させ、ゆっくり腰を動かす。
「あ…ああ…んっ」
真雪は不自由な身体で弘毅に縋り付いてくる。その小さな身体を優しく抱き締めて。
――峻…峻…！
口に出せない名前を呟く。
弘毅は目の前の小さな存在に、失ったものを重ねた。
切ない思いをぶつけた。
それしか、できなくて。
「…ごめんな…」
呟く言葉はひどく苦しかった。
弘毅は真雪を抱き締めたまま、己の欲望を吐き出した。
＊ ＊ ＊