第 7 章
勾玉の結ぶ記憶
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結局夜半までかかって、結論は当たって砕けろ的な作戦しか思いつかなかった。
メンバーがメンバーだけに、仕方がないと聖輝がため息をついた。
なんだかここ2―3日の間に、気のせいか老け込んできたのではないかと、寛也は聖輝を見ながら思った。
そして、カードキーを持って、自分もため息をついた。
「怒ってるぞ、絶対に」
「だよなー」
もう一度ため息の寛也に、聖輝が諭すように言う。
「とっとと部屋へ帰って寝ろよ。明日こそは本番だからな」
「だったら部屋を変わってくれよ」
「甘えるな」
そのまま聖輝にたたき出された。その横で、苦笑している露が見えた。
ドアを閉められ、寛也は仕方なく隣の部屋へ向かった。カードキーを差し込んでそっと開けると、テレビの音が聞こえた。黙って入ると、二つあるベッドのうちの一つに、浴衣に着替えて座っている杳の後ろ姿が見えた。
「な、何だ。まだ起きていたのか」
控えめに声をかけた。と、ゆっくり振り返って寛也をにらんできた。
「オレ、夜は平気だから」
夜は平気で朝が苦手だとは、いつも言っていた。それくらいなら、早く寝ればいいのにと思う寛也。
「風呂…」
浴衣姿から、もう済ませたことは知れていた。
「先に入った。湯は自分ではれよ」
「あ、ああ…」
答えてバスルームに入る。面倒なので、そのままシャワーだけ浴びることにした。
一人になって、ひどく疲れていることに初めて気づいた。と言うよりも、毎日毎日が目まぐるしかった。ゆっくり考える間もないくらいに。
何でこんなことになってしまったのだろうか。あの日、雪乃が現れなかったら、今も変わらず学校に行って、テストを受けて、部活をサボって、潤也の作ったご飯を食べて。
それで良かったのに。
普通の日常がひどく懐かしく思えた。
「…」
ぶるっと頭を振る。
「いや」
こんな後ろ向きでマイナスな思考、自分ではないように思った。
きっと身体も疲れているせいだからだと思った。やはりもう寝た方がいいのだろう。
寛也は手早くシャワーを終えると、さっさと身体を拭いて、バスルームから出た。