第 7 章
勾玉の結ぶ記憶
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「凪が言ってただろう。俺達は戦うことによって目覚めると」
「…もしかして竜体でまた戦おうっての? 仲間同士で?」
「傷くらいすぐに治るだろう」
ぞっとしない事を平然と返す聖輝に、露は前言を撤回したくなった。露の呆れる側で寛也は三人分のランチを完食し、ごちそうさまと手を合わせる。
「少しは元気が出たか?」
聖輝が声をかけると、寛也は口の端を多少歪ませながらも了承の言葉を返した。
「いいぜ。腹ごなしに少し暴れても」
「野蛮な奴らだな。オレはごめんだからな」
露は嫌そうな表情をありありと浮かべながら、聖輝と寛也の二人を交互に見比べる。その露に今度は聖輝が言い捨てる。
「なら、竜王に殺されるんだな。俺はお前らが危険な目に会っても助けるつもりはないからな」
「な…!」
仲間じゃないかと、露は言いすがろうとする。
「どっちにしても場所を変えようぜ。もう少し人の少ない所がいい。ここは観光地だからな」
「観光名所をぶっ壊した犯人だし」
ボソリと呟く露を尻目に、寛也は立ち上がった。
実は天橋立は大騒動になっていた。既に警察やら機動隊やらがやってきて、現場検証を行っていた。
竜の見えない人間からしてみれば、突然の大爆発で大地がえぐり取られたのだから、爆弾でもあったのかと思っているのだろう。
報道機関も入って、現地はごった返していた。
当然、ニュースで流れたこともあって平日だと言うのに、見物人も溢れ返っていた。
これだけ騒がしくなるとそうそう竜体になれるでもなく、取り敢えずこの場から離れる方が賢明だとは3人ともの同意見だった。犯人でもあるわけだし。
勘定を済ませて外へ出ると、食堂へ入った時よりも人通りは増えているように思われた。少し離れた陰から竜体になって飛び立つ方がいいと、3人は人込みをかき分けて歩いた。
先頭を聖輝が歩き、その後を見失わないように寛也と露がついて歩く。
と、その時、後方で声が聞こえた。