第1章
巣立つ雛
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ジーンズの上から触れていたのにも関わらず、杳の中心は羞恥の為かすっかり萎えてしまっていた。それを手に取ると、ピクリと震える杳の身体。
「怖がらなくていいからな」
「誰が…」
減らず口に、僅かに苦笑を浮かべて、手の中のものをゆっくり揉みしだく。
「や…まって…ちょ…」
逃げようとする腰を片手で抱き、寛也は握り込んだ杳のものに唇を近づける。
「あ……あ…ん…」
鼻にかかる甘い声が耳をくすぐる。
寛也はそっと杳のものに舌を這わせる。その舌の感触が伝わったのか、杳は思わず上体を起こした。
「ダメ、ヒロ…汚いから…」
聞く耳なんて持たなかった。杳のもののどこが汚いものかと思った。
抗議しようとする杳を無視して、寛也は杳の中心を口の中へ含み込むと、強く吸い上げた。
「ふあ…っ」
杳は白い胸をのけぞらせて、再びシーツに埋もれた。
余りこの手のことに興味を持たない杳は、一人ですることも皆無に近かった。
かつて一度だけ翔と関係を持ったことはあるが、それも一度きりのことで終わっていた。
自分は人と交わることが苦痛で、人とは違うのだと思って気にもしていなかったのだが、寛也に少し触れられただけで、簡単に反応してしまう身体に戸惑った。
それなのに、そんな自分の内面を無視するかのように、杳の身体は寛也の動きに次第に熱くなっていく。
目眩がしそうだった。
ゆっくりと、自分の中心が固く勃ち上がっていくのを覚えた。
「…ヒロ……あ…」
熱が集まっていくのが分かる。寛也の口中にすっぽりと含まれ、きつく吸われながら、根元から先端へと唇が動いていく。舌先が、執拗に杳を煽る。
次第に、高まって行く身体。
「…ダメ…ヒロ……や…出ちゃ…」
もう、限界だった。達してしまいそうだったが、それでも寛也の口の中にはいくら何でも出したくないと思った。
寛也の頭を抱えて、何とか引きはがそうとするが、頑として動かなかった。
「やだ、ヒロ…お願い…」