第1章
巣立つ雛
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「ああ…」

 ビクンと撥ねて、杳の身体が少しだけ震えてきたのを感じた。まずいと思って、寛也は慌てて手を放した。

「悪ィ。急ぎ過ぎ…だよな…?」

 謝る寛也に、杳は困ったような目を向ける。

「ヒロ、優し過ぎ。でも、ヒロのもっと強いところも好きだから…」

 頬を染めて見つめてくる杳にそんなことを言われて、寛也は我慢の限界だった。

「俺、お前のこと、すげー欲しい…」
「ばかヒロ」

 そう言って柔らかくほほ笑む杳に、そっと口づけながらも沸き立つ思いは押さえられなくて。

「ゴメンな、杳。お前のこと、無茶苦茶にするかも…」
「いいよ」

 短く返して首に絡めてくる腕は、寛也を柔らかく包み込むようだった。いつも素っ気なくて涼しい顔の杳が、熱い目を向けてくる。

 寛也はもう一度杳に口付けてから、杳のジーンズのベルトに手をかける。バックルを外すのですらままならないくらいに手が震えていた。それを何とか外して、またたどたどしい様でボタンを外してジッパーを降ろすと、その隙間から手を滑り込ませた。

「…あ…」

 下着の上から握り込む杳自身は、華奢な身体と同じく小ぶりで、それを強弱をつけて揉み込む。

「や…ちょっと…ヒロ…だめ…」

 杳が寛也の手を掴む。潤んだ瞳で見上げてきて。

「下着、汚したくない…脱がせて…」

 殆どの事に無頓着なふりをしているが、実は結構きれい好きな杳だった。

 そう小さな声で言う杳は恥ずかしそうで、そんな顔にも寛也は胸が高鳴る。

 寛也は言われるままに頷いて、杳のジーンズに手をかけると、ゆっくりと下着ごとずり降ろしていった。

 こちらが恥ずかしくなるくらいに色の白い杳は、服に隠れている部分も透明な程の白さを持っていた。

 ついマジマジと見てしまって、杳が身を引くのに気づいた。

「あんまり見ないでよ」

 その言い方が何だかおかしくて、寛也は笑いを堪えながらも、閉じようとする杳の両足を掴む。

「見ねぇとできねぇだろ? それとも手探りでされたいか?」

 少し意地悪かと思いつつ、杳の反応を待つ。

「んもう。ばかヒロ」

 そのまま横を向いてしまう杳は、耳から首まで真っ赤になっていた。

 寛也はそれを了承の意と受け止めて、杳の足をゆっくり開かせた。


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