第4章
告白
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青い空を見ていた筈だった。
雲ひとつない晴天が上空に広がっていて、その空へ舞い上がりたいのだと思ったまでは覚えている。その後、気づいたら医務室のベッドの上にいた。
試合はどうなったかなんて、聞く必要もなかった。
400メートルを走っている途中、空を見上げたかと思うと、そのまま倒れたのだと聞かされた。スポーツ競技の最中だっただけに、一時は大騒ぎになったと言う。
取り敢えず病院へ搬送され、精密検査を受けて異常無しの診断を受けて一安心したものだった。
「熱、あるんなら何で出場したのさ?」
潤也が責めるように聞いてきた。親がいないので、寛也が倒れると色々と大変だったのだろう。自分にも経験があるので分かる。
倒れた原因は、発熱と診断された。それ以外はどこも正常だったのだが、風邪症状すらないのに、体温だけが高かった。
「朝は何ともなかったんだ。それが急に…」
ベッドに押し込められ、翌日である今日一日、学校を休まされて、寛也こそ不機嫌だった。
「でも100メートルの時も走れてなかったよね」
「それは…」
潤也と杳のことが気になっていたからだった。が、そんなことを言える筈もなく、口ごもる。
「とにかく。ちゃんと休んで、とっとと治してよ」
「分かってる」
言って、寛也は布団を引っ被った。