第 4 話

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「遅いですね。そろそろ帰ってきてもいいとは思うのですが」
 とっぷりと暮れた空に、リオンがのんびりとした口調ではあるが、心配そうに呟いた。が、その声が聞こえている筈のエドガーはそれに答えず、ソファから立ち上がる。
「ああ、捜しに行ってくれるんですか?助かります」
 すかさず声をかけるリオンに一瞥をくれ、短く答える。
「放っておいたらいい」
 それだけ言うとエドガーは腰に剣を携えて、部屋を後にした。残ったリオンが一大決心をして出掛けるまでにそれからおよそ半時の時間を要した。


   * * *


 半月が昇りはじめた頃、高台にある町一番の屋敷は宴の真っ最中だった。それを見下ろせる高さの塀に上り、オリバーは小さく舌打ちする。
「タヌキオヤジがっ」
 侮蔑のその口調はオリバーの外見にそぐわなかったが、隣にいるライムはそのことを気に掛けている余裕はなかった。
 結局マルス達を盾に取られ、不承不承ここまで連れて来られたが、気持ちは未だ拒否を繰り返す。
 人を矢の的にすることに今更ためらいなどない。現に危険をくぐり抜ける手段として幾度も用いてきた。嫌なのはそれが他人に使われること、オリバー達に賛同できないこと、そして人質を使う連中のやり方自体が許せなかった。
「さあ、用意はいい?」
 その声にオリバーを見やる。冷たい眼差しが見下ろしていた。手渡された弓と矢を握り締め、ライムはそのオリバーから目を逸らす。
「あのキンキラの宝石にまみれた太ったオヤジが目標よ。心臓めがけて、一発でお願いね」
 成る程、オリバーの言うとおり、その男は見るからに悪徳領主といった体ではあった。


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