第 4 話

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 その催し物を見つけたのは、マルス目的の砂糖菓子を手にいれた直後のことだった。人だかりのできた一角を、興味本位で覗こうと人垣をかき分けていった。
 それはちょっとした腕自慢のゲームだった。舞台の上に立つ人は弓を持ち、前方の的に当てるという、ごくごく単純なルールだ。矢は十本、全部の矢を的の中心に当てることが出来ると、大枚の賞金がもらえるというので人だかりができているのだった。
「ライム、やってみなよ」
 砂糖菓子をなめながら、マルスがライムをつついていた。
「えーっ、オレがぁ?」
「大丈夫だって。ライムならあんなの百発百中だよ」
 気の進まない様子で、ライムはセフィーロを振り返る。止めて欲しいという表情がありありと分かった。
「ふんっ、どーせ恥をかくのがオチだぜ。やめとけ、やめとけ」
 望みどおり止めてやるつもりだった。が、選んだ言葉が間違っていたらしかった。ライムはムッとした顔をセフィーロに向けて言い返す。
「言ったなぁ。その言葉、取り消させてやるからな」
 単純な馬鹿だと、セフィーロは心底思った。
 ライムはつかつかと壇上に上がると、参加料を払って弓を手に取った。
 拍手が巻き起こった。


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