第2章
かわいた雨
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 静川さんが襖を閉めると、オレは力なくその場に座り込んだ。脇の下が冷たく汗ばんでいた。あれは一体何だったのだろうか。

「ったく、しょうがないヤツだな、まだガキのくせして」

 そうなんじゃないってばと、言い返そうとしたが、声がかすれて出ない。それをいいことに静川さんは勝手なことを言いまくる。

「そんな所にへたり込むほど、惜しいチャンスだったのか?」

 もう勝手にしろって言うんだ。所詮大学生のオジンには若者の気持ちなんて分からないんだ。

 それでも助けられたことは事実だし、一応の感謝はしておくことにしよう。

「さーて、明日に備えて寝るとするか」

 静川さんは明日こっそり例の御堂へ行くつもりらしい。

 オレも何だかここにいるのが居心地悪くなってきた所だし、夏菜の態度も不気味だし、逃げる訳じゃないけど、この人の側にいたほうが安全なような気がするのでついて行こうかと思う。

 多少言い訳がましいけどね。


   * * *



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