第2章
かわいた雨
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「俺、そういうのに興味ありまして、あちこち見て回っているんです。でもほとんどがまがい物で、今度こそはと思っているんですよ」

 オレはそう言った静川さんの顔を見た。

 まがい物って一体何のことだろうか。大体竜っていうのは架空の動物だし、まがい物も本物もないんじゃないだろうか。

「あそこには村の神官以外は近づいてはならないことになっている」
「何もいじり回そうって言うんじゃないんです。ちょっと見せてもらうだけですから」
「同じことじゃよ。あそこには近づいてはならん。いいな、静川さんとやら。それから碧海ちゃんも」

 言い忘れてたけど、オレはここでは女の子で通している。

 夏菜も男の子の友達を連れて来たとあっては、ちょっと説明するのも面倒だと言うし、オレもつい面倒なのと面白半分なのとで女の子になることにした。

 まあ、見た目もどっちかっていうとそう見えないこともないし、オレとしちゃあ、大して気にならないことなのでいいけどね。

 ただ、静川さんがオレを白い眼で見ることだけを我慢すればのことだけど。

 てな訳で、オレ達はこのじーさんに言われてすごすごと引き下がることにした。特に静川さんは一夜の宿を借りるわけだから神妙にしておいた方がいいと、ものすごく小心な意見を、もっともらしくオレに言った。

 だけどオレは気づいていたんだ。

 そう言いはしたものの、静川さんの目が興味深げに御堂の方へ向いていたことに。





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