第1章
いのちの闇
-3-
1/5
翌日の葬儀に、優は遅れて出席した。優が行ったときにはもう焼香も終わり、出棺の準備をしていた。
大勢の大人達に混じって、浅葱が忙しく立ち働いている姿が目についた。
昨日の頼りなげな様子とは打って変わって、てきぱきと動くところはまるで別人のように見えた。
浅葱は優の姿に気付いて、柔らかな笑みを浮かべながら寄ってくる。
「これから火葬場へ行くんだよ。優さんも来るよね?」
それでもやはり、上目使いに人の機嫌を伺うように見るところはそのままだった。
優がうんとうなずくと、一瞬浅葱の目の色が和む。
遅れて行った後ろめたさがふっと消えた気がした。
* * *