■ じらされて ■
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「ふう…はあ…レイヴァン…ン…」
甘えた声を出すつもりはなかった。が、喉を通って出たのは吐息交じりの声だった。
「ちゃんと言わないと分からないぞ」
セレムの顎に手をあて、顔を近づけてくる。
言えばこの色情狂を喜ばせるだけだと分かっているので、セレムは言いたくはなかった。
が、意識と舌にのる言葉は違っていた。
「レイヴァンが……ほしい…」
恨めしそうに見上げて来るセレムに、レイヴァンは冷たく笑みを返す。
「俺を満足させることが出来たら、入れてやらないこともない」
レイヴァンはそう言ってベッドに上って来た。
そして、セレムの首を跨ぎ、己のモノをセレムの鼻先に突き付けて来た。
「お前の口でやってみろ。できるだろう?」
セレムは自分の目の前にぶら下がるレイヴァンの男の証しを暫し見つめ、あきれる。
「出来ないのか? ならばココもお預けだな」
レイヴァンはセレムの中心にそっと手を触れる。全身に痺れが走ったような感覚が貫く。セレムはその衝撃に、もう迷う事なくレイヴァン自身に口をつけた。
舌と唇を使って丹念に嘗め上げ、吸い上げる。根元から切っ先迄丁寧に、そして激しく。
頬を膨らませて一心腐乱にレイヴァンに奉仕するセレムの姿を上から眺め遣り、レイヴァンは満足げに口元を綻ばせた。
そしてまた何処からか取り出したゴム紐で、セレム自身を根元から思い切り締め上げてやった。
「あハぁっ…」
一瞬、その痛みにセレムの舌の動きが止まる。
が、セレムは後ろから襲い来るもうひとつの疼きに、直ぐ元の作業に戻った。
「そうだ、いいコだ。ご褒美にお前にもしてやろう」
レイヴァンはそう言うと、戒められてしまったセレム自身に自分も口をつける。
既に限界まで来ているセレムの中心にレイヴァンは更なる刺激を加えていく。
出口を絶たれたセレムはレイヴァンにされるまま、蜿き苦しみながら、その欲望の苦しみを、レイヴァンのものを貪る事で晴らそうとする。
セレムの口の中でレイヴァンの中心は次第に堅さを増して行く。そして太く、天上へ向けて勃ち上がっていった。
「あはあ…ん……レイヴァン…もう…もう…」
セレムはレイヴァン自身を口にくわえたまま、喘ぎ始める。
レイヴァンに嬲られ、セレムは既にレイヴァンのものに集中することが出来なくなっていたのだった。
レイヴァンはセレムの口中から己自身を引き抜いた。そしてゆっくり体勢を変える。
「レイ…」